「金を購入するときに注意することはある?」
「どこで金を購入できる?」
このような疑問はありませんか?
金は投資商品としての需要も高い金属であり、投資家や各国の中央銀行が資産として保有しています。
近年は価格高騰が顕著であり、メディアなどでたびたび取り上げられました。現在も価格は上昇しているため、今から金の購入を検討している人もいるでしょう。
この記事では、金を購入・売却する際の注意点やベストな購入方法について解説します。購入するベストタイミングや金商品の種類も紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
<この記事でわかること>
- 金を購入するときに注意したいポイント
- 購入時から知っておきたい売却時の注意点
- 金の購入方法
金購入時の注意点

金を購入する際の注意点は以下のとおりです。
- 手数料がかかる
- 信頼できる業者を選ぶ必要がある
- 価格変動が生じる
- 配当・利子(インカムゲイン)がない
- 保管コストがかかる
それぞれ解説します。
手数料がかかる
金を購入する際には、手数料がかかる場合があります。
たとえば、金地金(金インゴット)を購入する場合、500g未満の小型インゴットには手数料(バーチャージ)がかかるのが一般的です。
田中貴金属工業株式会社を例に手数料の目安を紹介します。
金地金の重さ |
1本あたりの手数料(税込) |
1kg・500g |
0円 |
300g・200g・100g |
16,500円 |
50g |
8,800円 |
20g・10g・5g |
4,400円 |
参考:田中貴金属工業株式会社|売買価格と別途手数料
上記のように、公式サイトに手数料が掲載されている場合が多いため、事前に確認しておきましょう。
さらに、純金積立や金ETFなどの金融商品は、購入時や運用中に手数料が発生する場合があります。
金へ投資する方法は後述しますが、いずれにおいても手数料がかかる場合が多い点を覚えておきましょう。
信頼できる業者を選ぶ必要がある
金の購入は信頼できる業者を選ぶことが重要です。金は高額商品であり、悪徳業者を利用すれば、偽物や品質の低いものを掴まされるリスクがあります。
そのため、業者が「公認溶解業者」「公認審査会社」など、公的な資格を持っているか確認するとよいでしょう。
口コミや評判などを参考にして信頼がおけるか判断するのもよい方法です。大切な資産を守るためにも、確かな品質を保証している業者を慎重に選びましょう。
価格変動が生じる
金は、価格が常に変動する金融商品です。そのため、購入した時点から価格が大きく変動する可能性があると理解しておく必要があります。
例として、2015年には約4,500円/gで取引されていた金は、2025年6月時点で約15,600円にまで高騰しました。
大きな利益を得られる可能性があると同時に、損失のリスクも伴う点を忘れないようにしましょう。
参考:田中貴金属工業株式会社|年次金価格推移
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配当・利子(インカムゲイン)がない
金投資は、株式の配当や債券の利子のようなインカムゲインがないことを理解しておく必要があります。理由は、金自体が利益を生み出す資産ではないためです。
金投資で利益を出す唯一の方法は、購入時よりも価格が高くなった時点で売却し、差益(キャピタルゲイン)を得ることです。
そのため、定期的に収入が欲しい人にとって金投資は向いていないと言えるでしょう。
保管コストがかかる
金の現物を保有する場合は、盗難や紛失といったリスクがあることを認識しておきましょう。
自宅に金地金や金貨を保管する場合は、金庫の設置など厳重な管理が求められます。
銀行の貸金庫を利用するのもよい選択ですが、利用手数料が発生するため、保管コストがかかる点は払拭できません。
安全な保管方法には費用もかかることを踏まえ、最適な方法を検討しましょう。
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購入前に知っておきたい売却時の注意点

金を売却する際は以下の点に注意しましょう。
- 税金がかかる場合がある
- 信頼できる買取業者を選ぶ必要がある
それぞれ見てみましょう。
税金がかかる場合がある
金を売却して利益が出た場合、売却益に税金がかかる場合があります。金は株式や不動産と同様に「譲渡所得」とみなされ、所得税や住民税などの課税対象となるためです。
税金の計算方法は、以下のように金の所有期間によって異なります。
<購入から5年以内に売却(短期譲渡所得)>
売却価額-(購入価額+売却費用)=譲渡益
(譲渡益+その他の譲渡益)-特別控除50万円=課税される譲渡所得
<購入から5年を超えて売却(長期譲渡所得)>
売却価額-(購入価額+売却費用)=譲渡益
(譲渡益+その他の譲渡益)-特別控除50万円=譲渡所得の金額
譲渡所得の金額×1/2=課税される譲渡所得
5年を超える長期保有の場合は、課税対象額がさらに半分になる優遇措置があり、手元に残る金額が多くなる可能性があります。
具体的な税額は、その人の所得によって変動するため、税理士などに相談するとよいでしょう。
参考:国税庁|No.3161 金地金の譲渡による所得
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信頼できる買取業者を選ぶ必要がある
金を購入する時と同様に、売却する時も信頼できる業者を選びましょう。相場よりも不当に安い価格で買い叩かれるリスクを防ぐためです。
多くの買取業者は、金額が多少違えども適正な価格で買取しています。しかし、悪質な業者はいないとは言い切れません。
そのため、口コミや評判などで事前に信頼に足るか調べる必要があります。
金を購入するメリット

注意点が多い金の購入ですが、他の投資にはないメリットも存在します。
- 世界のどこでも高い価値がある
- インフレ時の安全資産となる
- 信用リスクが低い
ひとつずつ見てみましょう。
世界のどこでも高い価値がある
金は、世界のどこでも高い価値が認められています。
国や地域の信用に左右される通貨とは異なり、普遍的な価値を持つ資産のため、国境の垣根を越えて共通の価値があるのです。
流動性も高く、万が一の事態でも現金に換えやすいのが強みです。
インフレ時の安全資産となる
金は、インフレが発生した際に資産を守ってくれる特性があります。物価が上昇し通貨の価値が下がるインフレ時、金などの実物資産は価値を維持しやすい傾向があるのです。
インフレが加速すると、投資家は自分の資産を価値が目減りする通貨から金に移します。
多くの人が金を求めると需要が高まり、価格が上昇するため、結果として資産の目減りを防げます。
信用リスクが低い
金は、株式や債券に比べて信用リスクが低い点もメリットに挙げられます。金の価値は、特定の企業や国の信用を裏付けとするのではなく、物質自体にあるためです。
たとえば、株式は発行企業が倒産すれば価値がなくなってしまいます。しかし、金は企業や国に依存していないため、破綻リスクがありません。
信用リスクの低さは、ポートフォリオのリスク分散を考えるうえで重要なメリットと言えるでしょう。
金を購入するベストタイミング

金投資で利益を得るには、価格が低い時期に購入し、高い時期に売却する必要があります。以下の状況になれば金の価格が低くなる傾向です。
それぞれ解説します。
世界情勢の安定
世界情勢が安定している時期は、金を安価に購入できる可能性があります。経済が安定すると、より高いリターンが期待できる株式などのリスク資産の需要が高まるためです。
たとえば、国家間の緊張が和らぐと、安全資産である金の需要は低下し、価格が下落する傾向が見られます。
実際に、1980年代には米ソの緊張緩和により、金の価格が大幅に下落しました。そのため、金の売買タイミングを見極めるためには世界情勢に敏感でいる必要があります。
貨幣価値が高い
貨幣価値が高まるデフレの局面は、金を安く購入できるチャンスとなります。
デフレ下ではモノの価値が下がり、相対的に現金の価値が上がるため、金のような実物資産の需要が低下する傾向があるのです。
金の購入タイミングを見極めるには、貨幣価値の動向にも注目しましょう。
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金の購入方法別|メリット・デメリット

金の購入方法は以下のとおりです。
- 金インゴット・コインの購入
- 宝飾品の購入
- 純金積立
- 先物取引
- 投資信託・金ETF
それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。
金インゴット・コインの購入
金インゴットや金コインを現物で購入する方法は、伝統的な投資方法のひとつです。資産を物理的に手元に置けるため、所有している安心感を得られます。
しかし、自宅で保管するなら盗難や紛失のリスクを自分で負わなければなりません。貸金庫を利用する際は、別途保管コストがかかる点も理解しておく必要があります。
宝飾品の購入
金の宝飾品を購入することも、投資と実用性を兼ね備えた選択肢のひとつです。金の美しさを楽しみながら投資にもなる点がメリットと言えるでしょう。
しかし、宝飾品にはデザイン料やブランド料が上乗せされており、同じ重さの地金と比べて割高で販売されています。
売却する際には金の重さで査定されることがほとんどのため、純粋な資産形成を目的とする場合は、他の方法がおすすめです。
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純金積立
純金積立は、毎月一定額または一定量ずつ金を積み立てていく投資方法です。少額から始められるうえに、現物投資のような保管コストや盗難リスクがない点がメリットとなります。
ドルコスト平均法により、価格変動リスクを抑えながら長期的に資産形成が可能です。
一定量を積み立てた後には、金地金や金貨として現物を引き出せます。しかし、売買手数料がかかるため、継続的にコストがかかる点を理解しておきましょう。
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先物取引
金の先物取引は、将来の売買を約束する契約を、証拠金を預けておこなう投資方法です。メリットは、少額の証拠金で大きな金額の取引ができるレバレッジ効果にあります。
証拠金を担保に将来の価格を予想して売買するため、現物の受け渡しはほとんどありません。
ただし、相場が予想と反対に動いた場合は、元本を超える損失が発生するリスクがあります。
短期間で大きな利益を狙える反面、専門知識を要するハイリスクハイリターンな投資であると理解しておきましょう。
投資信託・金ETF
金の投資信託や金ETFは、少額から手軽に金投資を始められる方法です。現物を直接保有する手間や保管リスクがないうえに、少額から始められます。
株式と同様に証券会社を通じて手軽に売買ができる点が特徴であり、金投資の初心者でも始めやすい投資方法です。
ただし、信託報酬などの手数料がかかる点を覚えておきましょう。
「金鉱株投資」も選択のひとつ

実際の金に投資する方法ではありませんが、金を採掘・生産する企業の株式である「金鉱株」も魅力的な選択肢です。
金価格の上昇による恩恵に加え、企業の業績向上による配当や株価上昇も期待できるでしょう。
金では得られない配当金(インカムゲイン)を受け取れる可能性がある点が大きな魅力です。
しかし、企業の経営状況や財務状況といった個別リスクの影響を受けるため、金の価格が上昇しても株価が必ずしも連動するわけではありません。
金鉱株投資は、現物投資とは異なるリスク・リターンがあると理解したうえで検討を進めることが重要です。
金を購入できる場所

金を購入できる場所は以下のとおりです。
購入場所 |
主な商品・投資方法 |
貴金属店 |
金インゴット・コイン・宝飾品・純金積立 |
地金商 |
金インゴット・コイン・純金積立 |
百貨店・宝石店 |
宝飾品 |
銀行 |
金インゴット・コイン |
証券会社 |
投資信託 |
金融商品取引業者 |
先物取引 |
それぞれの特徴を解説します。
貴金属店
貴金属店は、金インゴットや金コインを直接購入できる場所です。専門知識を持つ店員に相談しながら、安心して取引ができます。
金インゴット・金コイン以外にも、宝飾品・純金積立を扱っている場合もあり、投資方法についても相談できるでしょう。
地金商
地金商は、金インゴットや金コインを専門に売買する業者です。金の溶解・精製から手掛けている業者もあります。
市場において発生する中間マージンが少ないため、手数料を抑えられる点がメリットです。
しかし、店舗数が少ないため、現物を直接確認することは難しい場合があります。
オンラインでの取引が中心となるケースが多いため、現物を確認してから購入したい人には不向きかもしれません。
百貨店・宝石店
百貨店や宝石店でも、金を購入できます。身近な店舗で実際に現物を手に取って確認できるため、気軽に購入できるでしょう。
しかし、宝飾品のみを扱っており、インゴットやコインなどの選択肢がない店舗が多い傾向です。
宝飾品はデザイン料・加工料などによって割高になるケースがほとんどのため、資産形成を目的としているなら他の方法をおすすめします。
銀行
銀行でも、金インゴットや純金積立のサービスを提供している場合があります。金融機関としての高い信頼性があるため、安心して取引できるでしょう。
しかし、手数料が他の業者に比べて割高な傾向があります。信頼性を最優先に考える人には、よい選択肢となるでしょう。
証券会社
証券会社を通じて金ETFや投資信託をおこなえます。
オンラインで手軽に取引できる点がメリットですが、インゴットやコインなど、現物の取引はほとんどできないでしょう。
金融商品取引業者
金融商品取引業者を利用すれば、先物取引などをオンラインで取引できます。
証券会社と同様に、現物の取引はできないケースがほとんどです。
フリマサイト・ネットオークションでの購入は要注意

フリマサイトやネットオークションで金を購入する際は細心の注意が求められます。出品者が貴金属の専門家ではない個人の場合が多く、金の品質や真贋が保証されていません。
金メッキされた商品を純金と偽り、高値で掴まされるリスクがあります。
また、商品説明が不正確だったり、購入後にトラブルが発生したりと、安心して購入できない可能性も高いでしょう。
比較的安価に購入できる可能性がある一方で、偽物を手にしてしまうリスクもあると理解しておくことが重要です。
金の価格が変動する要因

価格が変動する要因を知っておけば、ある程度の動向を予測できるようになるため、計画的な金投資が可能となります。
金の価格が変動する以下の要因を押さえておきましょう。
- 政策
- 為替相場
- インフレ
- 世界経済
- 地政学的リスク
ひとつずつ解説します。
政策
金の価格は、各国の金融政策によって大きく変動する可能性があります。
中央銀行が金利を操作したり、通貨供給量を調整したりすることで、金の相対的な価値が変化するためです。
2020年のコロナショック後には、米国の金融緩和政策によって金利が低下したことで、金価格が史上最高値を更新しました。
各国の政策は金価格に大きな影響を与えるため、投資の際には常に動向を注視する必要があるでしょう。
為替相場
日本の金価格は、為替相場によっても変動します。国際的な金相場はドルで取引されるため、円に換算する際に為替レートの影響を受けるためです。
たとえば、ドル建て価格が一定でも、円安が進むと円換算の金価格は上昇します。金を売買する際は、為替相場にも注意を払いましょう。
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インフレ
金の価格はインフレの進行に伴って上昇する傾向があります。インフレで通貨の価値が相対的に下がると、物質そのものに価値がある金が安全資産として求められるためです。
2022年以降に世界的にインフレ率が上昇した際、多くの投資家がインフレヘッジとして金を買い求めました。
結果、金の需要が高まり、価格が上昇しました。インフレは金価格を変動させる重要な要因のひとつと言えるでしょう。
世界経済
金の価格は、世界経済の動向から影響を受けます。経済不安が高まると、投資家はリスク回避のため安全資産である金に資金を移すためです。
たとえば、2008年のリーマンショックが発生した際、金の価格は一時的に下落したものの、早い段階で急騰しました。
地政学的リスク
金の価格は、地政学的リスクによっても変動する可能性があります。
戦争・紛争・テロといった国際的な緊張が高まると、リスク回避のため安全資産である金が買われるためです。
2022年のロシアによるウクライナ侵攻後には、国際情勢の不確実性から金の価格が急騰しました。
【Q&A】金の購入に関するよくある質問

金の購入に関するよくある質問を紹介します。
- Q.金の購入は税務署にバレますか?
- Q.金は何グラム買うのがお得?
- Q.100万円分の金は何グラムですか?
それぞれ回答します。
Q.金の購入は税務署にバレますか?
A.金の購入は税務署にバレることがあります。
200万円を超える金地金や金貨を売買すれば、買取業者は税務署へ支払調書を提出することが法律で義務付けられているためです。
200万円以下であっても税務署は個人の通帳を調査できるため、バレないとは言い切れません。
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Q.金は何グラム買うのがお得?
A.現物を購入する場合は500g以上のインゴットがお得です。
重量が小さいインゴットにはバーチャージと呼ばれる手数料が加算されて割高になります。
500g以上から手数料がかからない場合がほとんどですが、業者によって基準は異なるため、購入前に確認しておきましょう。
Q.100万円分の金は何グラムですか?
A.100万円分の金の重さは、その日の金相場によって変動するため断言できません。
1gあたり17,000円だった場合、100万円分は約58.8gとなります。
金を購入する際は注意点を押さえよう|資金が必要なら『買取大吉』へ

近年の金価格は上昇傾向にあり、投資対象として魅力を感じている人は大勢います。しかし、金投資には注意点も存在するため、購入前にチェックしておきましょう。
金は高額商品のため、購入にはまとまった資金が必要です。資金が必要な場合は『買取大吉』におまかせください。
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