【要注意】金の購入は税務署にばれる!相続税対策にならない本当の理由
2025年2月17日
「金の購入は税務署にばれるの?」
「ばれるとどうなる?」
このような疑問はありませんか?
近年、金の高騰により金購入を検討する方が増えています。
また、資産価値や流動性の高さから、相続税対策として金の購入を検討する方も増加傾向です。
しかし、相続税や贈与税が気になって購入できないと悩む方も多いでしょう。
そもそも、「購入したことがばれなければ問題ないのでは?」と考えている方もいるかもしれません。
本記事では、金の購入が税務署にばれるのかや相続税対策について紹介します。
節税を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
<この記事でわかること>
- 金の購入は税務署にばれるのか
- 申告違反が発覚したときのペナルティ
- 相続税の対象となる金
金の購入で相続税対策してもばれる理由

税務署はさまざまな手段を駆使して国民の資産状況を把握しており、金を購入するとすぐに税務署にばれます。
金の購入がばれる主な原因は以下の通りです。
- 購入店から税務署に支払調書が送られている
- 税務署は脱税防止のためマイナンバーをチェックしている
- 税務署は故人と相続人の金融情報を把握している
それぞれ見ていきましょう。
購入店から税務署に支払調書が送られている
金の購入金額が200万円を超える場合、販売店は「支払調書」を税務署に提出する義務があります。
支払調書には、購入者の氏名・住所・購入金額など、さまざまな情報が記載されているため、購入したことがすぐにばれるのです。
税務署は支払調書をもとに、購入者が適切に資産を申告しているか確認します。
金を購入が税務署に把握されるため、隠すことは難しいのです。
参考:国税庁「金地金等に係る譲渡所得の調査状況」
税務署は脱税防止のためマイナンバーをチェックしている
金を購入する場合、販売業者からマイナンバーの提示を求められることがあります。
200万円を超えなくても、マイナンバーの提示を求められるケースがあり、税務署が金の販売業者に税務調査をした場合、取引の時期や金の保有者を把握できるのです。
売買履歴は記録として残るため、相続の際に金を隠したとしても、売却時点で所有が明らかになる可能性が十分にあります。
税務署は故人と相続人の金融情報を把握している
税務署は、亡くなった方だけでなく、相続人(財産を受け取った人)の金融取引履歴も確認できる権限を持っています。
そのため、相続税の申告内容に不審な点がある場合、過去の収入や預金の履歴などを徹底的に調査されることがあるのです。
また、必要に応じて自宅を訪問して直接調査を行うケースもあります。
見つかった場合は、ペナルティが科せられるため、財産隠しはやめておきましょう。
申告違反は脱税となりペナルティが課せられる

相続した金を適切に相続税申告しないと、次のようなペナルティを受ける可能性があります。
ひとつずつ紹介します。
過少申告加算税
相続税の申告期限内(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内)に申告を済ませた場合でも、修正申告や更正処分によって税額が増加した際には、「過少申告加算税」が課されます。
過少申告加算税は、追加で納めることになった税金の10%に相当する額です。
ただし、「新たに納める税額が当初の申告額」と「50万円」のいずれか多い金額を超えた場合、超過部分については税率が15%に引き上げられます。
なお、過少申告に対して正当な理由がある場合や、税務調査の連絡を受ける前に自主的に修正申告を行った場合には、過少申告加算税は課されません。
参照:財務省「加算税の概要」
無申告加算税
相続税の申告期限を過ぎてから申告を行った場合や、申告しないまま税額の決定処分を受けた場合には、「無申告加算税」が課されます。
無申告加算税は、納付するべき本税額の15%に相当する金額です。
ただし、税額が50万円を超え300万円以下の部分には20%の税率が適用され、さらに300万円を超える部分には30%の税率が適用されます。
一方で、申告をしなかったことに正当な理由がある場合や、法定申告期限を過ぎてから1ヶ月以内に自主的に申告と納付を行った場合には、無申告加算税は課されません。
また、税務調査の連絡を受ける前に自主的に期限後申告をした場合には、無申告加算税の税率が5%に軽減される措置もあります。
参照:財務省「加算税の概要」
重加算税
虚偽の申告やその他の不正行為によって税金を免れた場合(いわゆる脱税)には、「過少申告加算税」や「無申告加算税」に代わって「重加算税」が課されます。
重加算税の金額は以下の通りです。
- 過少申告の場合:新たに納めることになった税額の35%
- 無申告の場合:納付すべき税額の40%
さらに、過去5年以内に無申告加算税(税務調査による更正や決定を予測して行った場合に限る)や重加算税を課された経歴がある場合、重加算税の税率に10%が上乗せされます。
参照:財務省「加算税の概要」
延滞税
相続税の納付が法定期限(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月後)を過ぎると、未納期間に応じて延滞税が発生します。
延滞税の計算方法は以下の通りです。
- 納期限から2ヶ月以内:税額×2.4%×未納日数
- 納期限から2ヶ月を超えた場合:税額×8.7%×未納日数
※延滞税の割合は、年度ごとに改定される場合があります。
参照:国税庁「No.9205 延滞税について」
相続税の対象となる金

金にはさまざまな形状があります。ここでは、相続税の対象となる主な種類を分かりやすく紹介します。
それぞれ見ていきましょう。
金地金
金と聞いてまず思い浮かぶのが、板状や棒状の金の塊ではないでしょうか。
保存しやすいように加工され、「インゴット」や「ゴールドバー」とも呼ばれ、「金地金(きんじがね)」と総称されています。
表面にはブランドマーク・金塊番号(製造番号)・純度・重量などが刻印されており、さまざまな重量の単位で購入可能です。
ただし、500g未満の金地金を取引する際は、バーチャージと呼ばれる手数料がかかります。
金地金は、地金商や貴金属メーカーの店舗や電話注文で購入可能です。
保管方法としては、自宅の金庫や銀行の貸金庫のほか、販売業者が提供する保管サービスを利用する選択肢があります。
金貨・コイン
金貨も金を使った価値ある資産のひとつで、日本政府が発行する記念硬貨や、外国政府が発行する金貨などが含まれます。
例えば、オーストリア造幣局が発行する「ウィーン金貨」や、カナダ政府が品質を保証する「メイプルリーフ金貨」が有名です。
金貨は1オンス・1/2オンス・1/4オンス・1/10オンスなどのサイズ展開があり、貴金属店やネットで購入できます。
金貨の価値については以下の記事で詳しく紹介しています。
純金積立
金を所有する方法は現物を購入するだけではありません。「純金積立」と呼ばれる金融商品を利用する方法もあります。
純金積立では、毎月一定額で自動的に金を購入する方法です。
金価格が安いときには多く、高いときには少なく買い付ける仕組みのため、価格変動のリスクを軽減できます。
積み立てた金は、必要なタイミングで現金や金地金、金貨などの形で引き出すことが可能です。
月数千円程度から始められる手頃さや、現物を保管する必要がないため盗難リスクがない点がメリットです。
ジュエリー・美術品
金を使用した指輪やネックレスなどの宝飾品も相続税の課税対象になる場合があります。
ジュエリーや美術品を所有している場合は金の量や価値を把握し、相続時にどのような扱いになるかを理解しておきましょう。
金製アクセサリーの価値については以下の記事でも紹介しています。
金の価値は日々変動している

金の価値は、需要・供給のバランスや世界情勢によって日々変動しています。
そのため、相続時の価値が気になる方も多いでしょう。
金の価値変動について以下の点から解説します。
- 相続時における金の価値
- 2019年頃より価値が高騰中
それぞれ紹介します。
相続時における金の価値
相続時における金の価値は、被相続人が亡くなった日の相場価格に応じます。
例えば、被相続人が亡くなったことを相続人が知らなかった場合でも、亡くなった日にさかのぼって算出する決まりです。
亡くなった日の金の価格は、買取業者などに確認すれば、すぐに把握できます。
参照:国税庁「第11条の2《相続税の課税価格》関係」
2019年頃より価値が高騰中

参照:田中貴金属工業「金価格推移(年次)」
上記の表は過去10年間の小売価格の推移です。
金の価格は、世界経済の動きと密接に関連しています。
2010年代初頭には、リーマンショック後の経済不安を背景に金価格が大きく上昇し、その後は横ばいで推移していました。
しかし、2020年以降、新型コロナウイルスのパンデミックやそれに伴う経済危機により、再び金の価格が大きく上昇したのです。
2024年9月時点で、金価格は過去10年で最も高い水準に達しており、買取価格にも大きな影響を与えています。
金の価値については以下の記事も参考にしてみてください。
現在の金価格を確認する場合は『買取大吉』にご相談ください。
【Q&A】金の購入や相続でよくある疑問

金の購入や相続でよくある疑問をまとめました。
Q.金100万円分の相続なら税金はかかりませんか?
Q.金の相続でバレない方法はありますか?
Q.200万円以下の金を購入するならばれない?
Q.仏具なら課税にならないって本当ですか?
Q.生前贈与のために金を購入しても税金対策にはならない?
ひとつずつ回答します。
Q.金100万円分の相続なら税金はかかりませんか?
A.相続財産が100万円のみの場合は、相続税はかかりません。
ただし、金の場合は注意が必要です。
購入価格が100万円であったとしても、被相続人がなくなった日の相場価格で「相続税評価額」が決まるため、思わぬ税金がかかるケースもあります。
Q.金の相続でバレない方法はありますか?
A.金を相続した事実を隠していても、税務署に発覚する可能性は非常に高いと言えます。
万が一発覚した場合、多額の追徴課税を課されるリスクがあるため、正直に相続税を申告することをおすすめします。
Q.200万円以下の金を購入するならばれない?
A.金の購入で200万円を超える場合、売却者は販売業者にマイナンバーを提示する必要があります。
そのため、200万円以下であれば、支払調書の義務はなく、ばれないこともあるでしょう。
ただし、購入時にマイナンバーを出していた場合は、購入者情報は把握されています。
また、売買履歴は記録として残るため、相続の際に金を隠したとしても、売却時点でその所有が明らかになる可能性は高いと考えておきましょう。
Q.仏具なら課税対象にならないって本当ですか?
A.金製の仏具が相続税の課税対象になるかどうかは、判断が難しい場合があります。
仏具は、日常的に礼拝に使用していれば非課税となりますが、使われていない場合は相続税が課される対象になります。
国税庁の公式サイトには以下のように明記されています。
相続税がかからない財産として、主に以下のものが挙げられます。
- 墓地、墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具などで、日常的に礼拝に使用しているもの
※ただし、骨董品としての価値があるものや、投資目的・商品として保有しているものは相続税の対象となります。
参考:国税庁 No.4108 相続税がかからない財産
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過去には、金の仏像や仏具を購入して相続税対策とするケースがありましたが、現在では「課税を逃れる目的で購入」と判断されると、相続税が課されることが一般的です。
また、「日常的に礼拝する」の基準については以下の表を参考にしてみてください。
仏具
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祭具の内容
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課税の有無
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金製の仏像
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先祖代々受け継がれており、毎朝礼拝し、冠婚葬祭にも使用している
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非課税
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箱にしまわれ、蔵に保管されていたものが遺産整理で発見された
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課税対象
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被相続人が相続税対策のために亡くなる3年前に購入したもの
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課税対象
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上記表のように、仏具の使用状況によって課税の有無が変わります。
判断に迷った場合は、自己判断を避け、相続税の専門知識を持つ税理士に相談することをおすすめします。
金製仏具の見分け方については以下の記事を参考にしてみてください。
Q.生前贈与のために金を購入しても税金対策にはならない?
A.贈与税は110万円から課されます。また、1年間の贈与額で計算します。
そのため、毎年110万円までに抑えて贈与すれば、税金対策となるでしょう。
また、資産をインゴットやコインなどに換えると生前贈与する際に分けやすくなるため、おすすめの方法です。
金を購入から5年以上保有していた場合、税負担が軽減します。
所有期間が5年以内の場合(短期譲渡所得)
譲渡所得 = 売却価格 – (取得価格 + 売却手数料) – 特別控除50万円
所有期間が5年を超える場合(長期譲渡所得)
譲渡所得 = { 売却価格 – (取得価格 + 売却手数料) – 特別控除50万円 } × 1/2
参考:国税庁|No.3152 譲渡所得の計算のしかた(総合課税)
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金の購入はばれる!相続やの際は確実に申告しよう

金の購入や相続に関して、税務署は購入履歴や資産状況を把握する仕組みを持っています。
節税対策も大切ですが、無申告などによる脱税行為はリスクが高く、追徴課税や重加算税といった厳しいペナルティを受ける可能性があるため正直に申請をしましょう。
相続や贈与で不安がある場合は、専門家に相談しながら対策するのがおすすめです。
正しい知識を持ち、安心して資産を管理しましょう。
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