「金投資にどんなデメリットがあるの?」
「金投資は安全資産だから損しないの?」
このように考えていませんか?
金は昔から価値が認められた物質であり、財産を守る方法として知られる頼もしい存在です。しかし、金投資にはメリットだけではなくデメリットも存在します。
そのため「安全」というイメージだけで深く考えずに金投資を始めると、後悔する結果になりかねません。
この記事では、初心者が金投資を始める前に知っておきたいデメリット・失敗例から学べる教訓・他の金融商品との比較を解説します。
ご自身の資産運用に金を取り入れるべきか悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
<この記事でわかること>
- 金投資のデメリット・メリット
- 金投資の種類
- 金投資の失敗例
【デメリット】金投資は危険?

金投資のデメリットとして以下の点が挙げられます。
- 配当・利息による利益がない
- 元本保証がない
- 短期運用では利益が出にくい
- 税金が発生する可能性がある
- 為替の影響を受ける
- 保有・売却にコストがかかる
- 価値が下がるリスクがある
- 盗難・紛失のリスクがある
ひとつずつ見てみましょう。
配当・利息による利益がない
金投資は、利息や配当による収益が見込めない点が最大のデメリットです。
金融資産である株式投資では、企業の利益に応じて配当金や株主優待などが、預金では金利による利息によって利益が得られます。
一方、金投資は購入額と売却額の差分によって利益を得る投資方法のため、保有しているだけでは利益を得られません。
利息や配当金などの収入を重視する投資スタイルを望む方にとって、金投資は不向きと言えます。
元本保証がない
金投資には元本保証がありません。元本保証とは、不測の事態が生じても投資した金額(元本)は返ってくる仕組みです。
銀行への預金は、元本1,000万円までを保証されており、資産を保護する選択肢として利用されています。一方、金投資は元本保証がありません。
金は価格が日々変動する資産であり、購入時よりも売却時の価格が下落する可能性はゼロではありません。
そのため、元本が保証された安全な投資を希望される方には、金投資は適さないかもしれません。
投資の世界では、元本保証がないことは珍しくありませんが、特に慎重な方は金投資を始める前によく考慮する必要があるでしょう。
短期運用では利益が出にくい
金投資は、一般的に短期運用では利益が出にくい特性があります。
金の価格変動は他の金融商品と比較して緩やかであり、短期間で大きく上昇しないためです。
そのため、金投資は長期的な視点で価格の上昇を待つ姿勢が求められます。
税金が発生する可能性がある
金投資で得た利益には、税金が発生する可能性があります。
金投資による利益は「譲渡所得」として扱われ、給与所得など他の所得と合算されて課税される「総合課税」の対象となります。
金を保有していた期間(5年以内・5年を超える)によって税金の計算方法が異なるため、売却前に購入時期を確認しておきましょう。
税金の計算式は以下のとおりです。
<保有期間が5年以内(短期譲渡所得)>
- 1.譲渡価額-(取得費+譲渡費用)=金の譲渡益
- 2.(金の譲渡益+その年の総合課税の譲渡益)-特別控除50万円=課税される譲渡所得の金額
<保有期間が5年超え(長期譲渡所得)>
- 1.譲渡価額-(取得費用+譲渡費用)=金の譲渡益
- 2.(金の譲渡益+その年の総合課税の譲渡益)-特別控除50万円=譲渡所得の金額
- 3.譲渡所得の金額×1/2=課税される譲渡所得の金額
100万円で購入した金を3年後に170万円で売却して70万円の利益が出た場合の例を用いて実際に計算してみましょう。
<前提条件>
- 金の購入価格(取得費):100万円
- 金の売却価格(譲渡価額):170万円
- 保有期間:3年(短期譲渡所得)
- 取得費や譲渡費用:0円
- 総合課税される譲渡益:なし
<計算式>
- 1.170万円-(100万円+0円)=70万円
- 2.(70万円+0円)-50万円=20万円
50万円が譲渡所得となりますが、譲渡所得には50万円の特別控除があるため、課税される譲渡所得の金額は20万円となります。
ただし、税金として20万円を支払うというわけではありません。
20万円は給与所得などの、他の所得と合算して総合課税の対象となり、年収や社会保険料の金額によって異なります。
具体的な金額は個々の状況によって異なるため、お住まいの市区町村役場や税務署などに相談してみましょう。
※金投資信託・金ETFは総合課税ではなく「申告分離課税」に該当するため計算方法が異なります。
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参考:国税庁|金地金の譲渡による所得
為替の影響を受ける
金投資は、為替レートの影響を受ける特性があります。金は主に米ドルで取引されているためです。円で金を売買する際には、ドル円の為替レートが価格に反映されます。
そのため、金価格が安定していても、円高ドル安に動けば、円ベースでの金の価値は下落する可能性があります。
反対に、円安ドル高になれば、金価格が変わらなくても円ベースでの金の価値は上昇し、利益が上がる可能性があるでしょう。
そのため、金を売却する際は、為替の動向も意識しておく必要があります。
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保有・売却にコストがかかる
金投資は、売買や保管によってコストが発生します。例えば、現物の金を購入する際には購入手数料や消費税がかかります。売却時にも手数料が発生するのが一般的です。
また、保管するための金庫の購入費用や貸金庫の保管料が発生します。純金積立や金ETFなどでは、運用会社に支払う手数料や信託報酬などが必要です。
保有・売却のコストは、利益を圧迫する要因となるため、投資を始める前にしっかり確認する必要があります。
価値が下がるリスクがある
「安全資産」と言われている金でも、価値が常に上昇し続けるわけではありません。
世界経済の回復・金融市場の安定・主要国の中央銀行の金利引き上げなどの局面では、金の需要が減少し、結果として取引価格が下落する可能性があります。
投資する以上リスクは避けられません。他の投資方法と同様にリスクを背負う必要がある点を念頭に置いておきましょう。
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盗難・紛失のリスクがある
実物の金を保有する場合には、盗難や紛失のリスクが伴います。自宅で保管する際には、空き巣などの被害に遭う可能性はゼロとはいえません。
地震や火災などの災害によって失われる危険性も考えられます。そのため、盗難・紛失のリスクを抑えるために貸金庫などのサービスを利用するのがおすすめです。
ただし、先述したように貸金庫の利用には費用がかかるため、コストが増加する点は認識しておく必要があります。
【メリット】金投資は安全?

金投資は、デメリットだけではなくメリットも存在します。金投資のメリットは以下のとおりです。
- 物質自体の価値が下がりにくい
- 有事の際に資産を守れる
- 長期運用で資産が増加する傾向がある
ひとつずつ解説します。
物質自体の価値が下がりにくい
金は物質自体の価値が下がりにくい特性を持っています。紙幣や硬貨のように国の信用に左右されたり、株式のように企業業績に連動して価値が変動したりしません。
金は古くから希少価値が認められてきた金属であり、宝飾品や工業製品など、幅広い分野で需要が安定しているため、物質の価値が大きく失われることは考えにくいでしょう。
他の資産にはない特性ゆえに、金は「安全資産」と呼ばれているのです。
有事の際に資産を守れる
金は「有事の金」とも呼ばれているように、世界情勢が不安定な状況や経済危機が発生した際に、資産を守る手段として機能する特性があります。
株式や債券といった金融資産が大きく下落するような局面でも、金は相対的に価値が上がる傾向があります。
過去には、リーマンショックやコロナショックによって一時的に価格が下がったものの、他の資産より早く価値を持ち直し、上昇トレンドに移行しました。
金はリスクヘッジとしての役割を果たすため、資産の一部として保有することは賢明な選択と言えるでしょう。
長期運用で資産が増加する傾向がある

金投資は、長期運用において資産が増加する傾向が見られます。短期的な下落はあるものの、過去のデータを振り返ると、長期的には上昇基調にあるのです。
これは、世界的な人口増加や経済成長に伴う需要の拡大や、採掘量の限界といった要因が背景にあります。
短期的な利益を追求するのではなく、数十年単位の長いスパンで資産形成を考える方にとって、金は魅力的な投資対象となるでしょう。
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金投資の種類と特徴

金投資と言っても種類がいくつかあり、それぞれ特徴が異なります。金投資の種類は以下のとおりです。
- 実物資産の購入
- 純金積立
- 投資信託
- 金ETF
- 金先物取引
それぞれの特徴を解説します。
実物資産の購入
広く知られている金投資の種類として実物資産の購入が挙げられます。金地金(インゴット)や金貨など、実物の金を購入して投資する方法です。
先述したように、金は物質自体に価値があるため、株式などデータ上の資産とは異なる安心感を得られる点が大きな特徴です。
また、金を所有していることを実感でき、大きな満足感も得られます。
しかし、実物資産の購入には、まとまった資金が必要となるため、手が出しにくい投資方法と言えるでしょう。
また、盗難や紛失のリスクを避けるために、自宅での保管もしくは貸金庫などの利用が必要となります。
純金積立
純金積立は、毎月一定額を積み立てて金を購入する方法であり、少額から始められる点が大きな魅力です。
月々1,000円から積み立てられるサービスが多くあり、手軽に金投資をスタートしたい方に適しています。一定量を積み立てたら現物としての引き出しも可能です。
純金積立のメリットは、購入時期を分散させることで価格変動リスクを低減できるドルコスト平均法の効果が期待できる点です。
価格が高い時には少量を購入し、安い時には多く購入できるため、結果的に購入単価を平準化できます。
しかし、積立には手数料がかかる場合がほとんどです。利用する前に手数料がいくらか確認しておきましょう。
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投資信託
金投資の選択肢として投資信託も挙げられます。
投資信託は、投資家から集めた資金をプロのファンドマネージャーが運用し、主に金に関連する金融商品に投資する方法です。
自分で直接金を売買する手間が省けるため、手軽に金投資を始めたい方に向いています。
しかし、運用をすべて任せる代わりに、運用コストが発生するため、長期保有するほど総コストは大きくなる可能性があります。
金ETF
金ETFと呼ばれる投資方法もあります。ETFとは「上場投資信託」を意味し、株式と同じようにリアルタイムで売買できる点が特徴です。
金ETFの相場は、金の現物価格に連動するように設計されているため、金の価格変動益を狙える点も特徴に挙げられます。
現物の金を保管する手間やコストがかからないため、個人投資家でも比較的少額から始めやすいでしょう。
しかし、投資信託と同様に運用コストがかかります。手数料は少額ですが、長期で見ると大きなコストになるため、利用する前にいくらか確認しておきましょう。
金先物取引
金先物取引は、より高度な知識と経験を要する投資方法です。
将来の特定の期日に、事前に定めた価格で金を売買することを約束する取引であり、証拠金を預けることで、何倍もの金額の金を取引できる点が最大の特徴です。
少額の資金で大きな利益を狙える可能性がありますが、同時に大きな損失を被るリスクも高まります。
価格が予想と反対に動いた場合には、追加の費用(追加証拠金)が発生し、最悪の場合、預けた証拠金以上の損失が発生する可能性もあります。
リスク管理が非常に重要となるため、投資初心者の方には不向きな取引と言えるでしょう。
金投資で失敗した事例

金投資を始めようと考えているなら、失敗した事例もチェックしておきましょう。金投資で失敗した事例として多いものは以下のとおりです。
- 短期間で高い利益を求めていた
- 先物取引で購入しすぎた
- 手数料が高すぎた
それぞれ解説します。
短期間で高い利益を求めていた
金投資で失敗するケースとして、短期間で高い利益を求めすぎた事例が挙げられます。
金は一般的に価格変動が緩やかであり、株式のように短期間で価格が急騰するような性質は持ち合わせていません。
それにもかかわらず、購入後すぐに大きな利益を期待すると、価格が思うように上がらないことに焦りを感じ、損失が出ている状態で売却してしまうケースがあります。
金は長期的な視点で資産を安定させるためのものであり、ギャンブルのような短期的な高リターンを期待する商品ではありません。
冷静に判断するためにも、金投資の性質をよく理解しておきましょう。
先物取引で購入しすぎた
金投資における失敗事例として、先物取引で購入しすぎたケースも多く見られます。
金先物取引は、少額の資金で多額の取引ができるレバレッジが魅力ですが、その分リスクが高い投資方法です。
レバレッジを効かせすぎると市場が予想と反対に動いた場合、わずかな価格変動でも大きな損失が発生する可能性があります。
例えば、自己資金に対して過大な量の金を購入すると、価格が少し下落しただけで追加の費用(追加証拠金)の支払いが発生し、資金繰りが悪化する事態に陥るのです。
追加証拠金に応じられなければ、強制決済となり大きな損失を確定させてしまうでしょう。
自身の許容できるリスクをはるかに超えた取引は、破綻に繋がりかねない危険性を秘めています。
手数料が高すぎた
手数料も金投資で失敗する要因のひとつです。
金投資には、現物購入時や売却時にかかる手数料や保管料、投資信託やETFであれば信託報酬などのコストが発生します。
多くの場合手数料は少額であり、些細な点に感じるかもしれませんが、長期的に見ると利益を大きく圧迫する要因になります。
投資を始める前に、かかる手数料の種類と金額をしっかりと把握し、複数のサービスを比較検討することが重要です。
コストを抑える意識がなければ、得た利益も目減りしてしまうでしょう。
【比較表】金とその他投資商品の違い

金と金融商品(株式・債券)の比較を下表にまとめました。
|
金 |
株式 |
債券 |
メリット |
- 無価値にならない
- 有事の際に価値が上がる
- 世界で共通の価値がある
|
- 企業の成長によって大きなリターンがある
- 配当・株主優待がある
|
- 満期までの保有で元本と利息が保証される
- 安定した利回りが期待できる
|
デメリット |
- 配当・利息がない
- 保管コスト・手数料がかかる
- 盗難のリスクがある
|
- 価格変動リスクが大きい
- 企業が破綻するリスクがある
|
償還前に売却すれば価格変動リスクがある |
価格変動要因 |
- 世界情勢
- 地政学リスク
- インフレ動向
- 金利動向
- 為替レート
|
- 企業業績
- 経済情勢
- 金利動向
|
- 金利動向
- インフレ動向
- 為替レート
|
投資期間(推奨) |
長期 |
中~長期 |
中~長期 |
※上記は一般的な例であり、すべての投資商品が該当するわけではありません。
上記から分かるように、金と金融商品は性質が大きく異なる資産です。
そのため、リスクを抑えるために、さまざまな種類の資産をバランス良く保有することが投資を成功させる鍵となります。
金投資に向いている人・向いていない人の特徴

本章では、金投資に向いている人と向いていない人の特徴を解説します。自分がどちらに当てはまるかチェックしてみましょう。
金投資に向いている人
金投資は、安定性を重視する慎重派の方におすすめできます。
株式や債券などの価格変動リスクを軽減し、ポートフォリオ全体のバランスを取りたいと考えている方にも向いている投資方法です。
特に、インフレへの備えを考えている方には、実物資産である金が有効な手段となります。
また、短期間での大きな利益を追求するのではなく、長期的な視点でじっくりと資産形成をしたいと考えている方にも適しています。
コツコツと少額から積み立てる純金積立などを利用すれば、リスクを抑えながら継続的に金に投資可能です。
金投資に向いていない人
金投資は、短期間で大きな利益を追求したい方には不向きでしょう。金は価格変動が比較的緩やかで、株式のように短期間で急騰する性質のものではないためです。
そのため、ギャンブル感覚で一攫千金を狙ったりする投資スタイルの方には、物足りなく感じられるかもしれません。
また、元本保証を強く求める方や、定期的な利息や配当収入を期待する方にも向いていません。
金には預貯金のような元本保証はなく、利息や配当も発生しないため、金へ投資しても楽しみを得られないでしょう。
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まとめ:金投資のデメリットを押さえておけばリスクヘッジが可能

金投資には、利息や配当がない・元本保証がない・保有コストがかかるなど、いくつかのデメリットが存在します。
しかし、それらのリスクを理解し、適切な知識を身につければ、効果的なリスクヘッジが可能です。
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