「金価格が下落するのはなぜ?」
「価格が変動する仕組みが知りたい」
このように考えていませんか?
金価格は時代の変化とともに上昇・下落を繰り返しています。金に投資しているなら、金価格が変動する仕組みを理解しておけば、利益を得られる可能性が高くなるでしょう。
この記事では、金価格の基本的な決まり方や、上昇・下落する7つの要因、過去の事例に加え、下落時に取るべき賢い行動や今後の動向について解説します。ぜひ参考にしてみてください。
<この記事でわかること>
- 金価格の決まり方(国際相場、為替、需給バランス)
- 金価格が変動する要因
- 金価格の推移グラフ
- 過去に価格が下落した事例
- 今後の動向
- 金価格下落時の賢い行動
金価格の決まり方(国際相場・為替・需給バランス)
金の価格は、主に国際市場での取引によって決まります。代表的なのはロンドンやニューヨークなどの国際的な金市場です。これらの市場での取引価格をもとに、各国の金価格が算出されます。
日本国内の金価格は、国際市場でのドル建て金価格に加え、為替レート(円/ドル)の影響を大きく受けます。たとえば、同じドル建て価格でも円高になれば日本円での金価格は下がり、円安になれば上がる仕組みです。
さらに、金の価格は需要と供給のバランスによっても変動します。投資家や中央銀行、宝飾品業界、工業用途など、さまざまな分野での需要や、鉱山からの供給量、市場に流通する金の量が価格に影響を与えます。
金の主な用途と市場参加者
金は、投資目的だけでなく、宝飾品や工業用途(電子部品など)にも幅広く使われています。特に新興国の経済成長や消費拡大が宝飾品需要を押し上げているほか、各国中央銀行も資産の一部として金を保有しています。
市場参加者には、個人投資家やファンド、企業、中央銀行などがあり、それぞれの売買行動が金価格に影響します。
金価格が上昇・下落する7つの要因を解説

金価格が変動する主な要因は以下のとおりです。
- インフレ
- 経済状況
- 地政学的リスク
- 金利
- 米ドル
- 中央銀行
- 金の供給量
価格が変動する理由を理解しておけば、投資の計画を立てやすくなるでしょう。ひとつずつ解説します。
インフレが金価格を変動させる理由
| 金価格が上昇 |
金価格が下落 |
| インフレが予想される |
インフレの落ち着きが予想される |
インフレが予想されると金価格が上昇する傾向です。インフレによる物価の上昇は、通貨の価値が下がることを意味します。
そのため、投資家や資産家は価値が下がる通貨を手放し、安定した価値のある金を求めるようになります。その結果、金の需要は高まり価格が上がるのです。
反対にインフレの傾向が弱まると通貨の価値が上がるため、金の需要が少なくなり価格が下がります。
経済状況が不安定なときの金価格
| 金価格が上昇 |
金価格が下落 |
| 経済状況が不安定になる |
経済状況が安定する |
経済状況が不安定になれば金価格は上昇します。不安定な経済状況が続くと通貨の価値が下がる懸念から、多くの人が安定した金を求めるようになるのです。
金は通貨とは異なり、世界中どこでも換金できるうえに物質自体に希少性があります。不安定な経済状況でも安定した価値を持つ資産のため「有事の金」とも呼ばれています。
反対に経済状況が安定すれば、金よりも株などの金融商品への投資が魅力となるため、需要が減り価値が下がる傾向です。
地政学的リスクと金価格
| 金価格が上昇 |
金価格が下落 |
| 地政学リスクが高まる |
地政学的リスクが下がる |
地政学的リスクが高まり緊張状態になると、金価格が上昇します。地政学的リスクとは政治・軍事・社会的に緊張状態になり、経済状況の先行きが不透明になるなどのリスクを指します。
地政学的リスクが高い地域の通貨は価値が下がる可能性があるため、通貨よりも金の需要が伸び、結果的に価格が上昇するのです。
また、金価格は原油価格と連動しているといわれます。原油価格は経済の不安定・戦争が発生するなど、地政学リスクが高まると価格が高まる性質があります。
金価格と同様に変動する傾向があるため、原油価格も投資する際の参考にするとよいでしょう。反対に、地政学的リスクが下がれば金の需要は低下し価格も下がります。
金利の変動と金価格
| 金価格が上昇 |
金価格が下落 |
| 金利の低下 |
金利の上昇 |
金利が低下すれば金価格が上昇する傾向があります。金利が低下すれば、通貨を銀行に預けても利子に期待できず、資産を増やすのに適切ではなくなります。
その結果、通貨を持つメリットが薄れるため金を欲する人が増えるのです。
反対に金利が上昇すれば通貨の魅力が上がります。金を売却し、通貨を保有する人が増えるため、価格が下がるのです。
米ドルの価値と金価格の連動
| 金価格が上昇 |
金価格が下落 |
| 米ドル価値の低下 |
米ドル価値の上昇 |
米ドルの価値が低下すれば金価格が上昇する傾向です。
金は国際市場で取引する際に米ドルで支払われるため、米ドルの価値が下がれば相対的に金の価値が上昇するのです。反対に、米ドルの価値が上昇すれば金の価格は下がります。
中央銀行の売買と金価格
| 金価格が上昇 |
金価格が下落 |
| 中央銀行が金を買い増す |
中央銀行が金を売却 |
世界各国の中央銀行による金の売買によっても金価格は変動します。中央銀行は景気のバランスを保つために、通貨・債券・金など複数種類の資産を保有します。
中央銀行が景気対策のために金を買い増せば市場の流通量が減少し、需要に対して供給量が下回るため価値が上がる傾向です。反対に、中央銀行が金を売却すれば流通量が増え、価格が下がります。
金の供給量と価格の連動
| 金価格が上昇 |
金価格が下落 |
| 供給量が減少 |
供給量が増加 |
金の供給量が減少し、需要量を下回れば価格は上昇する傾向です。金は実物資産のため、採掘可能な量に限りがあります。
採掘量の低下により供給量が減れば需要に追いつかなくなるため、価格が上昇するのです。
反対に、大きな金鉱脈が見つかったり、金に代わる物質が発見されたりして供給量が増えれば金の価格は下がると考えられています。
しかし、現時点では金鉱脈や新たな物質の発見は現実的ではないため、金価格は年を追うごとに価値が上がっている状況です。
金価格の推移グラフと現在の動向

※上記は2025年10月時点のグラフです。最新の買取価格は日々変動するため、必ず公式サイトなどでご確認ください。また、ここに記載の相場は『買取大吉』の買取価格を保証するものではありません。
金の価格は1980年に一時的に高騰したものの、2,000円前後で変動しており、徐々に減少傾向にありました。
しかし、2000年を境に右肩上がりとなり、2010年には3,000円台へ、2019年には約5,000円にまで上昇します。
ここまで大幅な高騰はなかった金ですが、新型コロナウイルスの感染拡大により2020年以降は年を追うごとに価格が高騰します。
2021年は6,000円台、2023年には8,000円台にまで上昇しました。2025年には1gあたり23,254円の史上最高値を更新しています(2025年10月17日時点)。
現在も1gあたり21,000円を超える高値で取引されており、売却するなら今がチャンスといえるでしょう(2025年10月29日時点)。
金価格の推移については以下の記事でも解説しているため、ぜひご覧ください。
金価格が下落した過去の事例と背景を解説

金に投資しているなら、これから価格が下落しないか心配に思うかもしれません。
将来の正確な動向は誰にもわかりませんが、金価格が下落した過去の事例を知れば今後の計画を立てやすくなるでしょう。
1970年以降で金価格が大きく下落した事例は以下のとおりです。
- 1980年|アメリカとソ連における緊張状態の緩和
- 2006年|住宅バブル
- 2014年|アメリカ経済の回復
ひとつずつ解説します。
1980年|アメリカとソ連における緊張状態の緩和
1970年代後半のアメリカとソ連は、互いに影響力を拡大しようと画策していた時期でした。
そして1979年に入ると両国にとって重要な地域、中央アジアのアフガニスタンにおいて戦争が始まります。
ソ連・アフガニスタン対、アフガニスタン反政府勢力・アメリカをはじめとする支援国の戦争です。
軍事力の強いアメリカとソ連の戦争により地政学的リスクが急激に高まりました。その結果、金の価値が上がったのです。しかし、高騰した金価格は1981年に下落します。
1981年に施行されたレーガノミクスにより米ドルの需要が高まりました。
地政学的リスクによる高騰もあり、米ドル価値の上昇は大きな影響を与え、金価格は下落しました。
2006年|住宅バブルの崩壊
2000年代初頭のアメリカでは、容易な信用供与により、多くの人が借入によって住宅を購入できるようになっていました。
また、低金利政策の影響で住宅価格は高騰しており、ローンを組んで建てた住宅を売却することで利益を得る人も現れました。
投資家や資産家は住宅を購入・売買するために通貨を求めていたため、金の価格は下落したのです。
住宅バブルは2006年をピークに崩壊し、経済状況が不安定化します。住宅バブルの崩壊は、世界中に混乱を招いたリーマンショックのきっかけとなりました。
2014年|アメリカ経済の回復による影響
2000年以降のアメリカは同時多発テロ・リーマンショック・欧州債務危機など、経済状況が不安定な状況が続いていました。
金価格は上下することはあれど、全体的に見れば上昇でしたが、2013年に終わりを迎えました。
アメリカ経済は回復の兆しを見せ、2014年には量的金融緩和の縮小を発表します。その結果、金の需要が減り、価格が下落したのです。
今後の金価格の動向と予測

金価格は長期にわたって、さらに上昇すると考えられています。
世界中で見られる経済不安や地政学的リスクは良い方向には転ばない状況が続いているうえに、金の採掘コスト増加・金資源の枯渇などが問題として挙げられているためです。
しかし、金価格の正確な動向は誰にもわかりません。政権交代や新たな施策により通貨の需要が高まり、金は一気に下落する可能性も考えられます。
そのため、引き続き金に投資するなら、価格が下落するリスクも考慮しなくてはなりません。2025年における金価格は1gあたり21,000円以上の高値で取引されています(2025年10月29日時点)。
そのため、類を見ないほど高騰している今のうちに売却するのも良い判断といえるでしょう。
金価格下落時の賢い行動と戦略

金価格が下落した際に、慌てずに賢く行動するための戦略を解説します。
- 下落時の買い増し戦略
- 何もしない長期保有のメリット
- 一部売却・分散投資の検討
それぞれ見ていきましょう。
下落時の買い増し戦略
金価格が一時的に下落した際は、長期目線で見れば「割安に購入できるチャンス」と捉えることもできます。一定額ずつ積立投資を続けることで、平均購入価格を引き下げ、将来の価格回復時に利益を得やすくなります。感情に左右されず、あらかじめ買い増しルールを決めておくと良いでしょう。
何もしない長期保有のメリット
金は本来、長期的な資産保全やインフレ対策として保有されることが多い資産です。短期的な価格の上下に一喜一憂せず、長期保有を続けることで、過去のデータからも最終的に値上がり益を享受できる可能性があります。資金化の必要がなければ、焦って売却しない選択も有効です。
一部売却・分散投資の検討
金の保有比率が大きくなりすぎた場合や、将来的な下落リスクを感じる場合は、一部を売却して他の資産に分散することも検討しましょう。株式や債券、不動産など、金とは異なる値動きをする資産と組み合わせることで、全体のリスクを抑えることができます。
『買取大吉』の3つの買取方法を紹介

『買取大吉』では以下の3つの方法で金を買取しています。
【Q&A】金価格の動向に関するよくある質問

金価格の動向に関する、よくあるご質問にお答えします。
Q.「今売るべき?」「これから下がる?」
金価格が高騰している今、売却を迷う方は多いでしょう。今後の価格動向は予測が難しいですが、過去の高騰局面ではその後に調整(下落)が入ることも多いです。現在の資産状況や今後の資金計画を踏まえて、売却タイミングを検討しましょう。
Q.「金価格と株価・為替の関係は?」
金価格は、株価や為替(特に米ドル/円)と密接に関係しています。株価が上昇する「リスクオン」局面では金から資金が流出しやすく、逆に株価が下落する「リスクオフ」局面では金が買われやすい傾向です。また、円高になると日本国内の金価格は下がりやすくなります。
Q.「金価格急落時の注意点は?」
急落時には焦って売却したくなるかもしれませんが、短期的な値動きに惑わされず、冷静に判断することが大切です。相場の変動要因や自身の投資目的を見直し、必要に応じて専門家に相談しましょう。
まとめ:金価格高騰の今が売却チャンス! 『買取大吉』の無料査定を利用しよう

金価格は、インフレや地政学的リスクなど、さまざまな要因が絡まり合って決まります。現在は過去に類を見ない高騰傾向が続いていますが、今後、経済状況の改善や金利の上昇などにより、価格が下落する可能性も十分に考えられるでしょう。
そのため、価格が高騰している今こそが、売却を検討する絶好のチャンスといえます。
『買取大吉』には、金の査定経験が豊富な査定員が在籍しており、適正価格で買取いたします。査定料は無料のため、まずはお気軽にご相談ください。『買取大吉』で無料査定をしてみてはいかがでしょうか。
どんなお品物でも、どんな状態でも喜んで査定させていただきます。他社様で断られた物もがんばってお買取致します。こちらに載っていないものでもお気軽にお持ちください。