「金の産出量が多い国はどこ?」
「これから金投資するのはあり?」
このように考えていませんか?
金は世界経済や国際情勢と深く結びついた資産のため、供給構造を知ることは、価格動向や投資判断を考えるうえで欠かせません。
本記事では、最新の金産出国ランキングをもとに、世界と日本の金事情を解説します。
さらに、将来的な金の枯渇リスク・新たな採掘・供給の動き、初心者でも始めやすい金投資の方法も紹介します。
「金の詳細が知りたい」「投資の判断材料を整理したい」という人は、ぜひ最後までご覧ください。
<この記事でわかること>
- 金の産出国ランキング
- 注目されている金の採掘方法
- 初心者でも始めやすい金投資方法
※本記事は、金相場に関する一般的な情報をお伝えすることを目的としたものであり、特定の投資手法や売買を勧める意図はありません。
金の年間産出国ランキング

2024年度末時点で、金の産出量が多い国々は、以下の通りです。
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順位
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国名
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年間産出量
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1
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中国
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380トン
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2
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ロシア
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310トン
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3
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オーストラリア
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290トン
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4
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カナダ
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200トン
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5
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アメリカ
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160トン
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世界の金生産を見渡すと、近年は中国が年間生産量でトップの座を保ち続けています。
一方で圧倒的な生産量を誇っていた南アフリカは、順位を大きく落としているのが現状です。
背景には、国内情勢の変化に加え、採掘コストの上昇や鉱山設備の老朽化が影響していると考えられています。
金の産出量の変化と背景を踏まえると、金の生産量は各国の技術力や経済環境、社会状況などが大きく影響していることが分かるでしょう。
参照:米地質調査所(USGS)「Mineral Commodity Summaries 2025」
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「黄金の国」と呼ばれる日本の金産出量

鹿児島県伊佐市にある菱刈鉱山(ひしかりこうざん)は、世界的にも評価の高い金鉱山です。
鉱石1トンから平均して約20グラムの金が取れるという非常に高い品位を誇り、1985年に操業を始めて以来、日本の金生産を支えてきました。
地下に広がる金の鉱脈を機械で掘り出し、採掘から精錬までを国内で一貫して行える体制が整っているのも特徴です。
年間の金の産出量はおよそ4トンで、日本国内の金の一次生産のほぼすべてを担っています。
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将来的に金が枯渇する可能性

今の採掘スピードがこのまま続いた場合、採算が取れる金鉱石は20年足らずで掘り尽くされるという見方があります。
ただし、現在の採掘技術やコスト条件を前提とした「経済的に採れる量」を指しているに過ぎません。
金は消費して失われる資源ではなく、装飾品や電子部品など、すでに世の中に存在する金を回収して再利用が可能です。
そのため、仮に鉱山からの新規供給が減ったとしても、金そのものが社会から消える可能性はきわめて低いと考えられています。
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今後注目されている金の採掘方法

金の供給源は、従来の金鉱山や都市鉱山に限られるものではありません。
近年では、これまで注目されてこなかった手法からも金を回収できる可能性が指摘されており、新たな資源として期待が高まっています。
- 都市鉱山|リサイクルから回収
- 海水から採取
- 海底熱水鉱床から採取
- 下水汚泥から採取
ひとつずつ見ていきましょう。
都市鉱山|リサイクルから回収
近年、金の新たな供給ルートとして注目を集めているのが、使用済みの電子機器から貴金属を回収する「都市鉱山」という考え方です。
天然の金鉱石では、1トンあたり数グラム程度の金しか得られないのに対し、携帯電話を原料とした場合は1トンあたり100グラム以上を回収でき、効率が高い点が特徴です。
都市鉱山は将来の安定供給を支える存在として期待が高まっており、2024年にはリサイクル由来の金の回収量が1,000トンを超えたとも報告されています。
海水から採取
地球の海には莫大な量の金が溶け込んでいると推定されていますが、現時点では海水から回収するのは現実的とはいえません。
理由として、海水中に含まれる金の濃度が極端に低く、取り出すためにかかる手間やコストが見合わないためです。
計算上は海全体に数十億トン規模の金が存在するとされるものの、海水1トンあたりから得られる量はほとんどなく、商業的な採取は実用段階に至っていません。
ただし、将来的に金を効率よく分離できる革新的な技術が登場すれば、海水が新たな資源として注目される可能性も残されています。
参照:地質調査総合センター「鉱物資源としての海水」
海底熱水鉱床から採取
将来的な金資源として注目されているのが、海中深くに存在する「海底熱水鉱床」です。
これは、海底から噴出する高温の熱水に含まれる金属成分が、周囲の冷たい海水によって固まり、長い時間をかけて堆積した鉱床を指します。
日本周辺の海域でも確認されており、実際の採掘を見据えた調査や技術開発が進められています。
ただし、水深の深い場所での作業には高度な技術と多額の投資が必要となり、現時点では容易ではありません。
さらに、深海特有の生態系への影響をどう抑えるかといった課題も残されています。
実用化には時間を要するものの、将来的な金の供給を支える選択肢として大きな可能性を秘めているといえるでしょう。
下水汚泥から採取
家庭や事業活動から生じる下水汚泥も、将来的な金の供給源として注目を集めています。
工場からの排水や日常的に使われる製品にはごく微量の金が含まれており、下水処理の工程を経る中で汚泥に集まります。
海外では下水処理施設を調査した結果、年間で数十キログラム規模の金を回収できる可能性が示された例もあるほどです。
日本でも、自治体が下水汚泥を資源として売却・活用する取り組みが始まりつつあります。
現時点では本格的な商業利用には至っていないものの、都市鉱山と同様に、下水汚泥は将来の貴重な金資源として期待されている分野といえるでしょう。
参照:
Eawag「Swiss Federal Institute of Aquatic Science and Technology」
日本経済新聞「横浜市、工場排水汚泥を販売 貴金属を含有」
世界的に金が注目されている理由

現在、金の価格が高騰しているため、世界中から金が注目されています。
金が注目されている理由は以下の通りです。
- 安定している資産価値
- 2020年以降に価格が高騰
- 今後も価値が上昇すると予測
一つずつ見ていきましょう。
安定している資産価値
金は、株式や債券のように発行体の経営状況に左右されることがなく、国や企業が破綻しても価値がゼロになるリスクがほとんどありません。
そのため、古くから「安全資産」として位置づけられてきました。
通貨は金融政策やインフレの影響で価値が変動しますが、金は実物資産であり、世界共通の価値基準を持つ点が大きな特徴です。
経済不安や金融危機が起こるたびに金が選ばれてきた背景には、安定性への信頼があります。
2020年以降に価格が高騰
2020年以降、金価格は世界的に大きく上昇しました。
新型コロナウイルスの経済混乱をきっかけに実施された各国の大規模な金融緩和によって、通貨の価値低下への懸念が強まったことが一因です。
さらに、地政学リスクの高まりやインフレ圧力、中央銀行による金の買い増しなどが重なり、金への需要が急増しました。
こうした複合的な要因が、金価格を歴史的な高値圏へ押し上げています。
今後も価値が上昇すると予測
長期的な視点では、金の価値は今後も上昇していく可能性が高いと考えられています。
その理由の一つが、採掘できる金の量に限りがあり、供給が急激に増えにくい点です。
一方で、宝飾品としての需要に加え、電子機器や再生可能エネルギー分野など工業用途での需要も拡大しています。
さらに、通貨体制への不安や世界的な分断が続く中で、金を資産防衛の手段として保有する動きは今後も続くと見られています。
こうした背景から、金は中長期的に見ても注目され続ける資産といえるでしょう。
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金投資の主な方法とメリット・デメリット

初心者でも始めやすい金投資方法は以下の通りです。
ひとつずつ解説します。
※実際に投資を行うかどうかの判断については、リスクを十分に理解したうえで、ご自身の責任にて行ってください。
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現物投資
金投資のなかでも、実物を手にして保有する「現物投資」にはいくつかの選択肢があります。
代表的な現物購入の投資方法は以下の通りです。
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投資方法
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内容
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メリット
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デメリット
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金地金
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貴金属商や宝石商、商社などで金の延べ棒を購入し、実物として保有する方法。
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実物を手元に置ける安心感がある。金そのものの価値を直接保有できる。
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盗難・紛失リスクがある。貸金庫などの保管コストがかかる場合がある。売買時の手数料が比較的高い。
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金貨
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外国政府が発行する金貨を購入・保有する方法。
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少額から始めやすい。種類によってはコレクション価値が期待できる。
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保管リスクがある。地金同様に売買手数料が高め。
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純金積立
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毎月一定額で金を継続的に購入し積み立てる方法。
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1,000円程度から始められる場合がある。自動積立で手間がかからない。
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積立時に手数料が発生する。短期売却には不向き。
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金投資信託
金の値動きに連動するタイプの投資信託で、金そのものを保有せずに価格変動の恩恵を受けられる投資方法です。
専門家が運用するため、日々の相場を細かく確認しながら売買する必要がなく、他の資産と組み合わせた分散投資もしやすいでしょう。
商品によっては定期的に分配金が支払われる場合もあります。
一方で、一般的な投資信託と同様に運用管理費用が発生し、価格変動によっては元本を下回る可能性がある点には注意が必要です。
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金ETF
金ETFは投資信託の一種ですが、証券取引所に上場しているため、株式と同じように市場の価格を見ながらリアルタイムで売買できる点が特徴です。
一般的な投資信託と比べて運用コストが抑えられているケースが多く、コスト面を重視する人に向いています。
一方で、金価格の変動がそのまま反映されるため、短期間で価格が上下しやすく、タイミングによっては損失が出る可能性がある点には注意が必要です。
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【Q&A】金についてよくある質問

金の産出についてよくある質問は以下の通りです。
Q.「埋蔵量」と「資源量」の違いはなんですか?
Q.日本で金が一番取れる県はどこですか?
Q.南アフリカの順位が下がった理由は?
ひとつずつ回答します。
Q.「埋蔵量」と「資源量」の違いはなんですか?
A.資源量は、地中に金が「あると分かっている、またはあると考えられている量」です。
将来的に掘れる可能性はありますが、今の技術やコストでは採算が合わないものも含まれます。
埋蔵量は、資源量のなかでも「今の技術と金価格で実際に利益を出して掘れる量」です。
すぐに採掘できる、現実的な金の量と考えると分かりやすいでしょう。
Q.日本で金が一番取れる県はどこですか?
A.現在、日本国内で商業ベースの金採掘を行っている鉱山は、鹿児島県に位置する菱刈鉱山(ひしかりこうざん)のみです。
国際的に見ても品位の高い金鉱石が産出されることで知られています。
鉱石1トンに含まれる金の量は平均でおよそ20グラムとされ、一般的な海外鉱山の水準を大きく上回ります。
1980年代半ばに操業を開始して以降、累計で200トンを超える金が採掘されてきました。
Q.南アフリカの順位が下がった理由は?
A.南アフリカの年間1,000トン規模だった産出量は、現在では100トン前後にまで減少し、世界ランキングでも大きく順位を落としています。
長年の採掘によって鉱床の質が低下し、採掘にかかるコストが上昇したことで順位が低下しました。
また、電力供給の不安定さや労働環境をめぐる問題も重なり、生産体制の維持が難しくなったことも原因です。
金は枯渇する可能性がある|投資を始めるなら早めに行動しよう

金の産出量は国ごとに大きな差があり、現在は中国をはじめ、ロシアやオーストラリアが世界の供給を支えています。
日本では「黄金の国」と呼ばれるほど豊かな歴史を持ちながらも、現代における金の採掘量はごくわずかです。
金は埋蔵量に限りがある資源であり、将来的には鉱山からの新規供給が減少する可能性が高いと考えられています。
ただし、都市鉱山・海底熱水鉱床・下水汚泥など、新たな供給源への取り組みも進んでおり、金そのものが社会から完全になくなるわけではありません。
金は長年にわたり「安全資産」として評価されており、経済不安・インフレ・通貨価値の変動が起こる局面でも、価値を保ちやすい点が注目されています。
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