「20年後の金価格はいくらになるんだろう?」
「金価格が上がりすぎていると聞くけど、今売ったら20年後に後悔しないか?」
このような関心や不安をお持ちではありませんか。
2025年10月に金価格は歴史的な高値を更新し、ニュースで目にする機会も増えています。そのため「20年後」の価格がどうなるのか気になる方も多いでしょう。
しかし、実際には20年後という長い視点で金価格を正確に予想することは困難です。
本記事では、長期的な金価格の予想が難しい理由や根拠となる「上昇要因」と「下落要因」を解説します。
また、不確実な未来の価格予想よりも重要な、2025年時点の「歴史的な最高値」という事実に焦点を当てます。
20年後の価格予想の根拠と、長期的な資産形成のために「今どうすべきか」を判断する材料が知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
<この記事でわかること>
- 2025年現在が「過去20年で10倍以上」の歴史的高値である事実
- 20年後も価格を押し上げる可能性のある長期的な「上昇要因」
- 価格が「下落・暴落」する可能性のある「下落要因」
- 2025年現在に取るべき3つの賢明な投資戦略
※本記事は金相場に関する情報提供を目的としており、特定の投資行動を推奨・勧誘するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任において行ってください。
20年後の金相場予想より重要な「2025年現在の事実」

本章では、長期予想の難しさと現在の価格がいかに高い水準にあるかを解説します。ポイントは以下の3つです。
- 専門家でも困難な「20年後」の価格予想
- 【グラフで確認】2025年の金価格は過去20年で10倍以上に高騰
- 【2025年時点】金価格が高騰している理由
それぞれ見ていきましょう。
専門家でも困難な「20年後」の価格予想
経済の動向・技術革新・国際情勢・金融政策など、価格を左右する無数の要因が複雑に絡み合うため、20年後の金価格を正確に予想することは困難です。
一部には「3〜4万円/gになる」といった予想も存在しますが、あくまで特定のシナリオに基づいた一つの見解に過ぎません。
未来の価格を保証するものではないため、安易に鵜呑みにすることにはリスクが伴います。
【グラフで確認】2025年の金価格は過去20年で10倍以上に高騰

※参考:田中貴金属工業
※2025年11月時点のデータ。過去20年間(2005年〜2025年)の各年の最高値のみを抽出してプロットしています。
※2025年の最高値(23,370円)は10月に記録したものであり、11月時点では21,000〜22,000円台で推移しています。
不確実な未来を予想すること以上に重要なのは、「今、どれほどの価格水準にあるのか」という揺るぎない事実を認識することです。
上のグラフが示す通り、過去20年(2005年比)で金価格は10倍以上に高騰しており、「異常な高値圏」と言っても過言ではない水準に達しています。
【2025年時点】金価格が高騰している理由
2025年時点の記録的な高騰は、以下の4つの要因が重なった結果です。
世界各地での紛争や政治的不安定が「有事の金」としての需要を高めているのです。
さらに、各国の金融緩和策による通貨価値への不安から、価値がゼロにならない実物資産として金が買われています。
加えて、国際的な金価格(ドル建て)の上昇と、円の価値が下がる「円安」が、日本国内の円建て金価格を押し上げています。
米ドルへの依存を減らしたい中国やトルコなど、各国の中央銀行が外貨準備として金を大量に購入し続けている点も価格を支える要因です。
20年後の未来を考える前に、現在の価格が過去の危機的状況さえもはるかに上回る、複数の要因に支えられた高値圏であると理解することが重要です。
【関連記事】
なぜ上がる?20年後の金価格を押し上げる長期的要因

20年後という長期的な視点でも、金価格が上昇すると予想される「構造的な根拠」が存在します。
主な上昇要因を「供給」と「需要」の2つの側面から解説すると以下の通りです。
- 【供給の限界①】金の埋蔵量は残り20年弱?希少価値の高まり
- 【供給の限界②】採掘コスト(エネルギー・人件費)の継続的な上昇
- 【需要の拡大①】AI・半導体・EVなど先端技術(工業用)の需要急増
- 【需要の拡大②】各国中央銀行の「金買い」と米ドル離れ
- 【需要の拡大③】新興国(インド・中国)における実物資産としての需要
- 【その他】長期的なインフレ懸念と通貨価値への不安
順番に解説します。
【供給の限界①】金の埋蔵量は残り20年弱?希少価値の高まり
金価格の長期的な上昇を支える最大の根拠は、絶対量が限られている「希少性」です。
2025年のUSGS(米国地質調査所)の報告によると、世界の金埋蔵量は約64,000トンと推定されています。一方、年間の採掘量は約3,300トンです。
単純計算では、現在のペースで採掘を続けると、地球上の採掘可能な金はあと十数年〜20年弱で枯渇する可能性があります。
供給が有限であるため、希少価値は時間とともに高まり、価格を押し上げる要因となります。
参照:USGS(米国地質調査所)
【関連記事】
【供給の限界②】採掘コスト(エネルギー・人件費)の継続的な上昇
金の「採掘コスト(=原価)」が継続的に上昇している点も、長期的な価格を支える要因です。
かつてのように地表近くで容易に採掘できた鉱床は枯渇しつつあります。
現在は、より深く困難な場所(深部採掘)での作業が求められ、高性能な機械・大量のエネルギー(燃料費)・高度な技術を持つ人件費が不可欠です。
採掘コストの上昇は金価格に反映されやすいため、長期的に価格が下がりにくい構造を生んでいます。
【需要の拡大①】AI・半導体・EVなど先端技術(工業用)の需要急増
金は、AIサーバー・半導体・EV(電気自動車)・宇宙開発といった「未来の産業」に不可欠な工業用素材でもあり、需要が急増しています。
金は電気伝導性に優れ、腐食しない特性を持つため、スマートフォンやパソコンなどの電子機器に欠かせません。
USGSのデータによれば、工業用途(電子・電気機器)は金需要全体の約6%を占め、2024年には前年比12%の増加を記録しました。
先端技術分野からの「新しい需要」が、長期的に価格を支えると考えられています。
参照:USGS(米国地質調査所)
【需要の拡大②】各国中央銀行の「金買い」と米ドル離れ
世界各国の「中央銀行」による戦略的な金購入も、価格を左右する大きな要因です。
近年、中国・ロシア・トルコ・インドといった国々は、外貨準備として米ドルへの依存度を下げ、実物資産である金を積極的に購入し続けています。
世界的な調査機関ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)のデータによると、各国中央銀行による金の購入量は3年連続で年間1,000トンを超える高水準を記録しました。
「国家レベルの買い」が、市場に対する強力な買い圧力となっています。
参照:ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)
【需要の拡大③】新興国(インド・中国)における実物資産としての需要
インドや中国といった新興国の経済成長も、金需要を長期的に下支えする要因です。
経済成長に伴い中間層・富裕層が増加し、伝統的な宝飾品としての需要や資産保全(インフレ対策)としての金需要が底堅く推移しています。
2024年のデータでは、宝飾品需要はインド(563.4トン)と中国(479.3トン)が圧倒的な存在感を示しています。
新興国の経済成長が続く限り、金需要も堅調に続くでしょう。
【その他】長期的なインフレ懸念と通貨価値への不安
「価値がゼロにならない実物資産」としての信頼感が、金を長期的に買い支える構造的な要因となっています。
世界的な金融緩和政策の結果、「円」や「ドル」といった法定通貨の価値が長期的に目減りしていく(=インフレ)懸念は根強くあります。
通貨の価値は国や中央銀行の信用に基づきますが、金はそれ自体に価値があり、歴史上価値がゼロになったことはありません。
通貨価値への不安が高まる局面や、インフレ対策(インフレヘッジ)として金が選ばれる構造です。
なぜ下がる?金価格の「下落・暴落」を引き起こす要因

長期的な上昇要因だけでなく、投資には必ずリスクが伴います。
20年後の価格の不確実性を理解するため、価格が「下落・暴落」する可能性のある要因も公平に検討します。
主な下落要因は以下の3つです。
- 【国際情勢】地政学リスクの鎮静化と世界経済の安定
- 【供給の変化】技術革新やリサイクルによる供給増
それぞれ見ていきましょう。
【金融政策】世界的な金利の上昇
金価格の最も強力な下落要因は「世界的な金利の上昇」です。
金自体は利息や配当を生まないため、銀行預金や国債の「金利」が上昇する局面では、魅力が相対的に低下します。
投資家が利息を生まない金を手放し、利回りのある資産(預金や債券)へ資金をシフトさせる「金売り」の動きが、金価格の下落要因となります。
【国際情勢】地政学リスクの鎮静化と世界経済の安定
世界情勢の安定化も下落要因です。金は「有事の金」と呼ばれ、戦争や経済危機など先行きが不透明な時に「安全資産」として買われる性質があります。
裏を返せば、将来的に世界が平和になり地政学リスクが鎮静化し、経済が安定すれば、「安全資産」としての金の需要は減退するのです。
投資家は金を手放し、より高いリターンを狙える株式などの「リスク資産」へ資金を移動させるため、金価格の下落につながる可能性があります。
【供給の変化】技術革新やリサイクルによる供給増
供給量が市場の予想以上に増えた場合、需給バランスが崩れて価格は下落します。
上昇要因として「供給の限界」を挙げましたが、逆のシナリオも存在します。
主な可能性は以下の3つです。
- 採掘技術の革新
- リサイクル技術の向上(都市鉱山)
- 各国中央銀行による大量売却
例えば、技術革新によって、これまで採掘できなかった場所(深海など)から金が採れるようになるかもしれません。
また、電子機器など「都市鉱山」からのリサイクル技術が飛躍的に向上することも考えられます。
各国中央銀行が保有金を大量に売却した場合も含め、市場への供給量が急増すれば金の希少性が薄れ、価格の下落を引き起こす可能性があります。
【関連記事】
【参考】10年後・20年後の金価格予想

本章では、一部の専門家による10年後・20年後の「具体的な予想数値」を参考値として紹介します。
ただし、あくまで「多様なシナリオの一つ」に過ぎません。
これまでに解説した下落要因が強まれば、全く異なる結果になる「不確実なもの」である点を必ず念頭に置いてご覧ください。
- 20年後(2045年頃)の見通し
- 予想値よりも「変動要因の理解」が重要な理由
それぞれ見ていきましょう。
10年後(2035年頃)の見通し
10年後の金価格については、一部の専門家から強気な予想が出ています。
例えば、「1グラムあたり22,000円〜34,200円」といった見解や、海外では「1オンス(約31.1g)=7,000ドル」に達するとの予測もあります。(※1ドル160円換算で1グラムあたり約37,000円)
ただし、これらは上昇要因(供給限界、先端技術の需要拡大など)が今後10年間継続した場合のシナリオです。
保証された未来ではないことを重ねて強調しておきます。
20年後(2045年頃)の見通し
20年後という超長期では、具体的な数値予想はさらに困難になります。
しかし、多くの専門家の間では、「供給の限界(枯渇リスク)」や「先端技術(AI・半導体)の需要拡大」といった「構造的な要因」は20年後にさらに強まっていると予想されています。
そのため、短期的な下落はあっても、20年後には「上昇基調を維持している(例:1グラム20,000円以上を維持)」のではないか、という見方が優勢です。
予想値よりも「変動要因の理解」が重要な理由
予想値を見て「やはり上がる」と考えるのは早計です。
金価格は、これまで見てきた「上昇要因」と「下落要因」の綱引き(バランス)によって決まります。
将来、金利が急激に上昇したり、世界情勢が安定したりすれば、予想は簡単に覆ります。
重要なのは、今、どちらの要因が強まっているのかを、ご自身の目で見続けていくことです。
金価格が高騰する今、考えるべき3つの投資戦略

20年後の未来は不確実ですが、2025年現在が「歴史的な最高値」であることは確実な事実です。
「今どうすべきか」を冷静に判断するために、今考えるべき3つの賢明な投資戦略を解説します。
順番に見ていきましょう。
戦略①|利益確定
2025年現在の歴史的な高値は、過去に金を購入した方にとって絶好の「利益確定(売却)」の機会です。
「不確実な20年後のさらなる上昇」に賭けるよりも、「現在の確実な価値(高値)」を現金化し、他の投資(金利のつく債券など)やご自身の生活(旅行、教育費など)に充てることは、合理的な判断と言えます。
【関連記事】
戦略②|継続保有
長期的な上昇要因(供給限界・先端技術の需要増など)を強く信じるなら、「さらなる価格上昇」を期待して保有を続けることも一つの戦略です。
しかし、同時にリスクも受け入れなければなりません。
もし下落要因(世界的な金利上昇・地政学リスクの鎮静化など)が顕在化すれば、現在の「含み益」が減少し、損失(元本割れ)を被るリスクもあると理解しておく必要があります。
戦略③|分散投資
3つ目の戦略は「分散投資」です。金単体で考えるのではなく、資産全体でリスクを管理します。
分散投資を効果的に行うための主なポイントは以下の2つです。
- 相関の低い資産と組み合わせる
- 適正な配分割合を保つ(リバランス)
まず、金は株式や債券といった伝統的な資産と値動きが異なる(または逆の動きをする)傾向があります。
そのため、他の資産と金を組み合わせれば、市場全体が下落した際のリスク分散が期待できます。
そして最も重要なのが、定期的な「リバランス(資産配分の調整)」です。
一般的に、資産運用において金はリスクヘッジのために資産全体の「5〜15%」程度に保つことが推奨されます。
例えば、2025年のように金価格が高騰した結果、意図せず金の割合が15%以上に膨れ上がることもあり、資産全体のリスクが高まります。
資産全体に占める金の割合が大きくなりすぎると、もし金価格が下落した際に、資産全体が受けるダメージ(損失額)も大きくなるためです。
そこで「年に1回」または「金の割合が15%を超えたら」といった機械的な売買ルールをあらかじめ設定します。
目標の割合を大幅に超えた分を機械的に売却(=利益確定)し、元の配分に戻すことが、長期的な資産形成において重要です。
【関連記事】
まずは「今の価値」を知ろう!『買取大吉』の無料査定

2025年の金価格は解説した通り「歴史的な高値」であり、「利益確定(売却)」は賢明な投資戦略の一つです。
まずは、「今、自分の持っている金がいくらになるのか」を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
『買取大吉』では、お客様の大切な金の「今の価値」を確かめるための無料査定を行っています。
特徴とご利用方法は、以下の通りです。
- なぜ『買取大吉』が選ばれるのか?
- 査定だけでもOK!「価値を知る」ためだけの利用も歓迎
- 『買取大吉』の簡単・安心な無料査定の方法
順番に紹介します。
なぜ『買取大吉』が選ばれるのか?
『買取大吉』がお客様に選ばれる理由は、安心と信頼の査定体制にあります。
- 経験豊富な鑑定士が在籍
- 査定を目の前で実施
- 査定料・手数料一切無料
金・貴金属の専門知識と豊富な査定経験を持つ鑑定士が在籍しているため、品物の真の価値を正確に見極められます。
インゴットから小さなアクセサリー、壊れたジュエリーに至るまで、査定当日の相場だけでなく、品位やデザイン性も含めた適正な価格(高値)を提示できる点が、お客様の最大のメリットです。
また、お客様の目の前で計量・査定を行い、プロセスを透明化することで不安を解消します。
査定料・出張料・キャンセル料・手数料なども一切いただきません。
査定額にご納得いただけない場合でも費用は発生しないため、安心してご利用いただけます。
査定だけでもOK!「価値を知る」ためだけの利用も歓迎
「査定をしたら、売らないといけないのでは?」というご心配は一切不要です。
『買取大吉』は、「現在の価値を知る」ためだけのご利用も歓迎します。ご自身の資産価値を把握することは、資産管理の重要な第一歩です。
提示した査定額にご納得いただけない場合、売却していただく必要はありません。
まずはお気軽に、『買取大吉』で無料査定を試してみてはいかがでしょうか。
『買取大吉』の簡単・安心な無料査定・買取の方法
『買取大吉』では、お客様のライフスタイルに合わせた、簡単・便利な3つの買取方法を用意しています。
「店頭買取」は、予約不要で、お近くの店舗で買い物のついでにもご利用いただけます。
ご自宅への訪問を希望の場合は、鑑定士がお客様の自宅までお伺いする「出張買取」をご利用ください。玄関先での査定も可能です。
品物を送るだけで査定が完了する「宅配買取」もあります。
ご不要になったアクセサリー・インゴット・金貨など、どのような状態でも専門の鑑定士が価値を見極めます。
まとめ:「歴史的最高値」の今こそ「利益確定」の賢明な一歩を

20年後の金価格は、本記事で解説した「上昇要因」と「下落要因」が複雑に絡み合うため、専門家でも正確な予想は困難です。
不確実な未来の価格予想よりも重要なのは、「2025年時点で歴史的最高値である」という事実です。
「20年後に売ればよかった」と後悔しないためにも、まずは「今」の確実な価値をご自身の目で確かめてみてください。
どんなお品物でも、どんな状態でも喜んで査定させていただきます。他社様で断られた物もがんばってお買取致します。こちらに載っていないものでもお気軽にお持ちください。