「金の価格が下落した理由が知りたい」
「10月の金相場の急落で、金の保有に不安を感じ始めた」
このように、戸惑っている方もいます。
2025年秋、金価格は史上最高値を更新した直後、一転して急落しました。
金がなぜここまで大きく値動きしたのか。その原因と今後の見通し、保有・買増し・売却の考え方や、投資判断ポイントを解説します。
<この記事でわかること>
- 金価格の短期・長期的な今後の見通し
- 「保有」「買増し」「売却」それぞれの判断ポイント
※本記事は金価格の動向に関する情報提供を目的としており、投資助言や特定の取引を推奨するものではありません。金を含む金融商品の投資判断は、ご自身の責任において行ってください。
金価格下落の最新動向

右肩上がりを続けていた金価格が一転して急落し、驚いた方も多いでしょう。安全資産とされた金がなぜ下落したのか、背景とともに解説します。
- 2025年10月|最高値を更新
- 一転して急落・その原因は?
時系列に見ていきましょう。
2025年10月|最高値を更新
2025年10月20日前後、金価格は国際市場で1トロイオンス(31.1035g)4,000ドル以上、日本国内でも24金ベースで1gあたりおおむね2万3,000円前後の高値圏に到達しました。
上昇の背景にはFRBによる利下げ観測の高まりや、米連邦議会の予算審議の難航があります。
審議難航により一部の行政機関やサービスが一時的にストップする事態が起きました。
米国内での経済活動や金融政策への不透明感が増し、「安全資産」として金への需要が一段と強まったのです。
10月初旬には1gあたり約1万9,000円だった国内金価格は、20日には過去最高となる約2万3,000円/g前後まで上昇し、約2カ月で20%超の上昇率を記録しました。
10月中旬にかけては何度も過去最高値を更新し、円安の進行も相まって国内外で高値圏が維持されたのが特徴です。
一転して急落・その原因は?
最高値を更新した直後、高値で利益を確定したい投資家やファンドなどが一斉に売却に動いたことが急落の直接的な原因です。
10月20日の1gあたり23,370円から一転、21日には21,830円と、1,540円の下落幅となりました。
売却の動きは日本国内のみならず、ニューヨーク市場でも見られた現象です。
確かに、一度高値圏に達した金相場は反動売りが生じやすく、過去最大の値下がり幅につながることがよくあります。
しかし、今回のケースでは、21日の最高値から翌日の急落というあまりない展開が見られました。
背景には、米国株の過去最高値更新で投資マネーがリスク資産に戻ったことに加え、ドル高が進み、利益を確定させる売りの発生があげられます。
また、米FRBによる早期利下げ論への懐疑や米ドル高への転換など、複合的な要因の影響も見られます。
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安全資産・金の価値観が揺らいだ3つの要因

金は「安全資産」と呼ばれますが、価格は世界の情勢によって大きく左右されます。
2025年10月の価格暴落によって、金の安全資産としての価値が揺らいだと感じた方もいるでしょう。
本章では、金の価値観を揺らがせた下落の主な要因3つを掘り下げて解説します。
- 米国の高金利・ドル高の影響
- 各国の中央銀行の買い控えと売却
- 需給バランスの変化
一つずつ、見ていきましょう。
米国の高金利・ドル高の影響
米国の金利や、ドル高も金価格下落の要因の一つです。
米国中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)は、2022〜2023年にかけて急速な利上げを行い、その後も2024〜2025年にかけては政策金利を4%前後と高い水準に維持してきました。
2025年9~10月にはやや利下げに転じたものの、依然として「高金利環境」が続いている状況です。
金利が高止まりすると、利息のつかない金よりも、利息を得られる米国債や株式などのドル建て資産の魅力が相対的に高まります。
結果、投資資金が金からドル資産へ流れやすくなるのです。
ドル高が進行する局面では金価格が上昇しにくく、一時的な下落といった調整局面を迎えやすくなります。
各国の中央銀行の買い控えと売却
近年、各国の中央銀行は外貨準備の一部として金の保有を増やしており、2025年も購入は続いています。
世界全体では、2025年の各国中央銀行の金純購入は900~1,000トンと推計されており、過去3年の記録的な水準には及ばないものの、2021年以前と比べると依然として高いペースです。
一方で、金の価格が過去最高水準まで上昇したことで、買いのペースを落とす中央銀行や、大口ファンドが利益確定の売却を行う動きも見られます。
「金購入の鈍化」と局所的な売却が重なり、市場への供給感が意識されやすくなったため、金価格の上昇を抑える一因となっているのです。
需給バランスの変化
金価格下落の背景には、供給の増加と需要の鈍化によって需給バランスが崩れた点も挙げられます。
2025年は、鉱山生産が過去最高水準となり、世界全体の金供給は前年比で1〜2%程度増加しました。
一方で、金価格の高騰により、宝飾品としての需要は2020年以来の低水準に落ち込みました。
さらに、米国を中心に株式市場が堅調に推移し、金利の先安観も出始めたことで、投資家のリスク許容度が一時的に回復した時期もあります。
こうした需要の弱まりに加え、供給増が重なったことで需給バランスが緩み、2025年の金価格は調整局面に入りました。
需給が緩む相場では、投資家心理の揺れに反応して価格が大きく動きやすくなります。
こうした構図のもと、金相場は短期的に急落しやすくなり、2025年秋の暴落もその典型例といえるでしょう。
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今後の金価格見通し

今後の金価格がどうなっていくのか、短期・長期の観点からそれぞれ解説します。
- 短期的には下落の可能性あり
- 長期的には緩やかに高騰する
当面の金価格の見通しから見ていきましょう。
短期的には下落の可能性あり
短期的な金価格は、下落の可能性が残ります。
2025年から2026年初頭にかけては、米国の高金利政策とドル高が続く見通しです。
FRB(米連邦準備制度理事会)がインフレ抑制を優先し、利下げに慎重な姿勢を維持しているため、利息のつかない金は相対的に魅力が薄れて見えるでしょう。
加えて、株式市場が堅調に推移していることで、リスク回避目的の金需要もやや落ち着いています。
実際、11月時点の国内金相場は、24金で1gあたり約2万〜2万3,000円で推移しています。
ただし、地政学リスクや市場の不安定要素が再燃すれば反発もあり得るため、金の長期保有を見込まないケースでは、部分売却や一部現金化などを視野に入れるのも一案です。
長期的には緩やかに高騰する
一方で、2030年に向けた中長期的な見通しでは、金価格は再び上昇していく可能性が高いと予測されています。
各国中央銀行が安定的に金を保有するスタンスを維持すると考えられることや、慢性的なインフレへの懸念などが背景にあるためです。
また、地政学的リスクが世界において完全に解消される見込みが薄いなか、金の「安全資産としての価値」は維持されることが見込まれます。
一部の民間金融機関や調査レポートでは、2030年前後に金価格が1オンスあたり3,000〜5,000ドル台、シナリオによってはそれ以上に達する可能性があると予測されています。
長期的に見れば、金の安全資産としての価値は揺るぎなく、「持つ理由がある資産」として評価され続ける可能性が高いのです。
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金はどうすべき?ベストは分散投資|保有・買増し・売却の考え方も解説

金は、短期的には下落リスクがありつつも、長期では値上がりが見込まれます。
今後の金投資を考える上で重要なキーワードは「分散投資」です。
金だけでなく、ETF(上場投資信託)・先物・金関連株などを組み合わせることで、価格変動リスクを抑えつつ安定的な運用が期待できます。
本章では、今の相場環境を踏まえながら「保有・買増し・売却」それぞれの判断ポイントを整理します。
- 買増しはあまりおすすめしない
- 売却を選ぶべき状況とは?
金保有について、メリットデメリットの視点から見ていきましょう。
保有を続けるメリットとデメリット
安全資産として確固たる地位を確立している金ですが、多くのメリットがある一方、デメリットも存在します。
買増しや売却を考える前に、まずは金を保有するメリットとデメリットをおさらいしましょう。
保有のメリット|長期的な安全資産
金を保有し続ける最大のメリットは、経済不安・インフレ・地政学リスクが高まるなど、不測の事態に強い点です。
金は「現物」として、ゼロにならない価値を持ち続けます。そのため、長期的な資産防衛の手段としては、非常に有効といえるでしょう。
特に、教育資金や住宅購入資金など「10年以上先を見据えた資産形成」を考える場合、金は購買力を守る役割を果たします。
過去のインフレ局面でも、金は現金よりも価値を維持してきた実績があります。株や債券と異なり、市場が荒れても価値がゼロにならない「現物」であることが、金の最大の強みでありメリットです。
保有のデメリット|短期では評価額の減少も
一方で、短期間で金価格が下がれば評価額が減り、含み損が出る可能性があります。
金の価値がゼロになることはなくても、価格の下落によって価値が目減りすることはあります。金は配当や利息を生まないため、銀行預金や株式のような定期的な収益は得られません。
さらに、現物で保有する場合は保管の手間とコストがかかります。自宅保管なら盗難リスクがあり、金庫や貸金庫を利用するなら利用料が発生します。
加えて、現物の売却には査定・手続きの時間が必要なため、急ぎで現金が必要な場面には向いていません。
突発的な医療費や大型家電の故障など、すぐに支払いが必要な支出には対応しにくいのが金の弱点です。
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買増しはあまりおすすめしない
金価格が一時的に下がったため、「今が買い時では?」と考える人も多いでしょう。
確かに、急落直後に積立や分散投資(ドルコスト平均法)を続けることで、長期的にはリターンを安定させやすい傾向があります。
ただし、2025年秋の下落を経ても金価格は依然として過去最高水準付近にあります。
つまり、「安値で拾う」にはまだ早い可能性が高いため、現時点での積極的な買増しは推奨しません。
定期積立を続けている場合は、無理に増額せず現状維持が無難と考えられます。
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売却を選ぶべき状況とは?
金の売却が有利となる状況は、次の3つです。
- (1)価格が明らかに過熱し、短期間で急騰しているとき
- (2)世界的な利上げやドル高が進み、下落が予想されるとき
- (3)株式市場が回復し、景気回復に転じるとき
現況は(1)の状況は過ぎ、(2)と(3)の要素が残る局面のため「金の売却に適したタイミング」といえます。
前述どおり、10月の急落を経ていても、現在の価格水準は「過去最高値圏」を維持しています。そのため、現時点で売却する判断は合理的です。
本章の冒頭で解説した通り、今後の金投資は「分散投資」を視野に入れるとよいでしょう。
金価格が長期的に下落し続ける場合でも、分散投資を心がければ資産防衛がしやすくなります。
そのため、現在の高値で一部を売却し、他の資産(株式・債券・不動産・外貨)へ分散させるのも有効な手段です。
次に、金の売却を検討する場合、ぜひ利用してみていただきたい買取専門店を紹介します。
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金の売却を検討するなら『買取大吉』へ

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- 便利な3つの買取方法で忙しい方も手軽に売却OK
- 初心者でも不安ゼロで納得の上売却可能
一つずつ、見ていきましょう。
最新相場を踏まえた適正価格査定と豊富な買取実績
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金・貴金属やブランド品、複数点まとめての査定も経験豊富な鑑定士が対応するため、安心してお取引いただけます。
便利な3つの買取方法で忙しい方も手軽に売却OK
『買取大吉』では、お客様のライフスタイルやご事情に合わせて、便利な3つの買取方法を用意しています。
それぞれの特徴は以下表の通りです。ご自身に最適な方法をお選びください。
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買取方法
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特徴
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おすすめな方
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店頭買取
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店舗に直接品物を持ち込み、その場で査定・売却できます。
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・その場ですぐに売却したい方
・お近くに店舗がある方
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宅配買取
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宅配セットを取り寄せ、ご自身のタイミングで品物を詰めて発送できます。
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・さまざまな事情で店頭に行くのが難しい方
・自分のペースで売却準備を進めたい方
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出張買取
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鑑定士がご自宅に伺い、その場で査定します。査定額に納得いただければ、その場で現金支払いが可能です。
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・品物が重たい、または大量にある方
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長期保有を決定している場合でも、ぜひお手元の金の「現在の価値」を査定してみてください。
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価格交渉にも柔軟な対応が可能なので、他店との比較や相談だけでも気軽に利用できる環境が整っています。ぜひ気軽にご活用ください。
まとめ|金価格の動向を踏まえてご自身に最適な選択を

金価格は世界情勢の影響で大きく変動しますが、安全資産としての魅力は依然として高いといえます。
短期的な下落リスクも意識しつつ、長期目線では保有・分散投資を柔軟に組み合わせることで、資産防衛と価値の維持を両立しやすくなります。
ご自身の目的やリスク許容度に合わせ、冷静な資産運用を意識してみてください。
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