「プラチナや金が酸化しないのは本当?」
「酸化したプラチナや金は元に戻らない?」
このような疑問はありませんか?
プラチナや金は希少価値が高い貴金属であり、インゴットや投資用コインの素材として使用されています。
酸化しにくい物質としても知られているため、長く愛用できるジュエリーの素材として選択肢に挙げている人は多いでしょう。
しかし、プラチナや金を使用したジュエリーは酸化して美的価値を損なう可能性があります。
この記事では、プラチナ・金製品が酸化する理由・酸化した場合の対処法・酸化を防ぐための方法を解説します。ぜひ購入する際の参考にしてみてください。
<この記事でわかること>
- プラチナ・金は酸化しにくい理由
- プラチナ・金製品が酸化する要因と対処法
- 変色を防ぐ方法
プラチナや金は酸化しにくい物質

プラチナや金が酸化しにくいのは、化学的な安定性が高いためです。金属の酸化しやすさは「イオン化傾向」と呼ばれる性質と深く関係しています。
イオン化傾向とは「金属がどれほど電子を放出してイオンになりたがるか」という強さを示すものです。イオン化傾向が小さいほど酸化しにくいとされています。
プラチナや金は他の金属と比べてイオン化傾向が小さいため、酸化による錆びが生じにくいのです。
周りの環境からの影響が少なく、長く美しい輝きを保てる特性から、ジュエリーの素材として大きな需要があります。
腐食しにくい金属一覧

酸化や腐食が生じにくい金属はプラチナや金以外にも存在します。周りの環境から影響を受けにくい金属として、主に以下のものが挙げられます。
- 金
- プラチナ
- ロジウム
- イリジウム
- アルミニウム合金
- チタン合金
- ニッケル合金
- クロム
- ステンレス鋼
ロジウムやイリジウムは工業用途に加えて、ジュエリーのメッキなどに欠かせない存在です。その他の金属は、工業産業・航空宇宙産業・医療分野などで重宝されています。
プラチナ・金製品は酸化する可能性がある

純粋なプラチナや金は安定しているため、酸化することはほとんどありません。
しかし、ジュエリーとして使用される製品は、強度を高めるために他の金属と混ぜ合わせて作られるのが一般的です。プラチナや金に混ぜる金属は「割り金」と呼ばれています。
割り金として使用されている銀や銅などの金属は、プラチナや金に比べてイオン化傾向が大きく、空気中の酸素や汗などと反応して酸化する可能性があります。
そのため、プラチナ・金製品は、割り金が含まれているために変色するのです。とくにプラチナ・金の純度が低い製品は、割り金の割合が高くなるため、変色するリスクも高まります。
美しい状態を長く楽しみたい方は、高純度のジュエリーを選ぶのがおすすめです。純度については次章で紹介します。
プラチナ・金の純度一覧

プラチナや金のジュエリーには、純度を表す刻印が施されています。
刻印は、主となる貴金属の割合を示すもので、純度が低い製品は割り金の割合が多くなるため、酸化や変色リスクが高まります。主な純度とその含有率は以下のとおりです。
刻印 |
金の純度 |
K24 |
99.9%以上 |
K18 |
75% |
K14 |
58.3% |
K10 |
42% |
刻印 |
純度 |
Pt1000 |
99.9%以上 |
Pt950 |
95% |
Pt900 |
90% |
Pt850 |
85% |
プラチナや金は、純度が高いほど酸化するリスクが下がりますが、強度は低くなります。
そのため、多くのジュエリーにはK18やPt900など、割り金が混ぜられている金属が使用されるのです。
プラチナ・金製品がくすむ原因は酸化だけではない

プラチナ・金製品がくすんだり変色したりする原因は、酸素に反応する酸化だけではありません。硫黄成分や塩素に反応する場合もあるのです。
硫黄と反応して黒ずむ現象は「硫化」と呼ばれており、製品に含まれる銀や銅が硫黄と結びつき、硫化銀や硫化銅を生成することで生じます。
塩素に反応してくすみや変色が生じる現象は「塩化」です。塩化は、塩素と化合することで腐食し、銅や亜鉛などに多く見られます。
変色が生じる具体的なシーンについては、次章で解説するため、ジュエリーを扱う際の参考にしてみてください。
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【シーン別】プラチナ・金製品が変色する要因

プラチナ・金製品が変色する要因は、日常生活のさまざまなシーンに見られます。主に以下のシーンにて変色する可能性があるため、ジュエリーなどを着用する際は注意が必要です。
- 温泉やお風呂での着用
- 塩素系洗剤の付着
- 化粧品・香水の付着
- 皮脂・汗の付着
それぞれ見てみましょう。
温泉やお風呂での着用
温泉やお風呂でプラチナや金製品を着用すれば変色する可能性があります。とくに温泉には硫黄分が含まれている場合が多く、硫化によって変色する可能性が高いでしょう。
また、入浴剤やシャンプーなどの成分も変色の要因となります。入浴剤やシャンプーに硫黄成分が含まれていないか確認したうえでジュエリーを身につけましょう。
塩素系洗剤の付着
塩素系洗剤の付着も、プラチナ・金製品の変色を招く恐れがあります。塩素がジュエリーに含まれる銀や銅と反応すると、塩化が生じて表面が黒ずむのです。
特に塩素系漂白剤は、ジュエリーに大きな影響を与える可能性があります。漂白剤を使用する際は、ジュエリーを外すように心がけましょう。
化粧品・香水の付着
化粧品や香水の付着も、ジュエリーが変色する原因になります。ファンデーション・日焼け止め・ネイル商品なども、くすみや黒ずみが生じる原因となるため注意しましょう。
プラチナ・金製品を身に着ける際は、化粧品や香水などを使用したあとがおすすめです。
皮脂・汗の付着
皮脂や汗もプラチナ・金製品が変色する要因です。汗には塩分やアンモニアが含まれており、銅や銀と反応して変色を起こす場合があります。
また、皮脂は製品の表面に油膜を形成し、輝きを鈍らせる可能性がある点も注意が必要です。着用後は、やわらかい布で拭き取ることを習慣にしましょう。
プラチナ・金製品の変色を戻す方法

プラチナ・金製品が変色しても、元の輝きを取り戻せます。本章では、以下の3つにわけて変色を戻す方法を解説します。
それぞれ見てみましょう。
酸化した場合
酸化した場合は、以下の方法を試してみてください。
- 超音波洗浄機を使用する
- 炭酸水を混ぜたぬるま湯に浸す
- 中性洗剤を混ぜたぬるま湯に浸す
- お酢やレモン汁に浸す
- 研磨布で磨く
ひとつずつ解説します。
超音波洗浄機を使用する
超音波洗浄機は、プラチナや金製品の細かな隙間に入り込んだ汚れを落とすのに効果的です。
水や専用の洗浄液を入れ、製品を浸してスイッチを入れるだけで、目に見えない汚れまで取り除いてくれます。
炭酸水を混ぜたぬるま湯に浸す
超音波洗浄機がない場合、炭酸水を使った方法も効果的です。炭酸水を混ぜたぬるま湯にジュエリーを浸しましょう。
炭酸ガスの細かい泡が、製品の隙間に入り込んだ汚れを浮き上がらせます。なかなか落ちない場合は柔らかいブラシで優しく磨きましょう。
最後に繊維の細かい布で優しく拭き取れば、輝きが戻る可能性があります。
中性洗剤を混ぜたぬるま湯に浸す
中性洗剤を使用する場合は以下の手順でおこないましょう。
- 1.溶液を作る:ぬるま湯に適量の中性洗剤を入れる
- 2.ジュエリーを浸ける:ジュエリーを20分ほど浸す
- 3.磨く:柔らかい歯ブラシなどで磨く
- 4.洗い流す:流水で流して柔らかい布で拭く
ただし、ジュエリーに取り付けられている宝石によっては中性洗剤が適さない場合もあります。実践する前に、問題ないか必ず確認しましょう。
お酢やレモン汁に浸す
お酢やレモン汁を使う場合の手順は以下のとおりです。
- 1.溶液を作る:少量の塩を混ぜたお酢もしくはレモン汁を容器に入れる
- 2.ジュエリーを浸ける:ジュエリーを5~10分ほど浸ける
- 3.洗い流す:流水で洗い流して柔らかい布で拭く
ただし、珊瑚や真珠などは酸性に弱い宝石は変色する場合があるため避けましょう。
研磨布で磨く
ジュエリー用の研磨布も効果的です。研磨剤が染み込んでいる専用の布によって、表面のくすみや細かな傷を取り除けます。
ただし、強くこすりすぎると、表面を削りすぎてしまう可能性があるため、優しく扱いましょう。
また、研磨布は汚れを吸着すると効果が落ちるため、定期的に新しいものを用意する必要があります。
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硫化した場合
硫化によって黒ずんでしまったプラチナや金製品は、重曹を使ったお手入れ方法で輝きを取り戻せる可能性があります。
- 1.準備:容器にアルミホイルを敷く
- 2.溶液を作る:重曹と熱湯を1:3の割合で混ぜる
- 3.ジュエリーを浸ける:ジュエリーを3~5分浸ける
- 4.洗い流す:流水で洗い流して柔らかい布で拭く
上記の方法も、熱湯がジュエリーの宝石に悪影響を及ぼす可能性があるため注意しましょう。
塩化した場合
塩化したプラチナ・金製品は、自宅でのケアでは元に戻る可能性は低いでしょう。表面の薄い膜が生成されており、専門的な洗浄方法でなければ完全に除去できないためです。
無理に自分で磨こうとすると、ジュエリーを傷つけるリスクがあります。大切なジュエリーを美しく保つためには、プロの技術に任せるのが一番です。
ジュエリーの専門業者もしくは購入店にクリーニングを依頼しましょう。
メッキ加工されたプラチナ・金製品は要注意

メッキとは、金属の表面を薄い金属の膜で覆う加工技術です。強くこすったり、何度も磨いたりするとメッキが剥がれてしまう恐れがあります。
そのため、自分でブラシや研磨布などを使って磨く場合は注意が必要です。メッキが剥がれれば、専門の業者に再加工を依頼しなくてはもとの輝きを取り戻せません。
メッキ製品には以下の刻印が見られます。
- GF
- GP
- M・1M・3Mなど
- 1/10・1/20
- GS
- GEP
- HGE
- GR
- RGP
変色を取り除く前に、メッキではないかどうか刻印を確認してみてください。
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プラチナ 表記
変色を防ぐ方法

プラチナ・金製品の変色は、日頃の扱い方や保管方法によって防げます。
- 使用後に柔らかい布で磨く
- 水が付着しないように注意する
- 化粧品・香水が付着しないように注意する
- 空気に触れない方法で保管する
それぞれ見てみましょう。
使用後に柔らかい布で磨く
プラチナ・金製品の美しい輝きを保つためには、使用後のお手入れが大切です。ジュエリーの使用後は、柔らかい布で優しく拭くことを習慣にしましょう。
使用後に拭けば、製品に付着した汗・皮脂・化粧品などの汚れを取り除き、変色を防げます。
水が付着しないように注意する
プラチナや金製品を身につけたまま水に触れるのはできるだけ避けましょう。お風呂や温泉はもちろん、手洗いやプールの際にも注意が必要です。
水道水やプールには微量の塩素が含まれています。すぐに変色が生じるわけではありませんが、美的価値を損なうリスクを高めるため避けるようにしましょう。
水に触れる際は、ジュエリーを外すのがおすすめです。
化粧品・香水が付着しないように注意する
化粧品や香水は、プラチナ・金製品を身につける前に済ませましょう。化粧品や香水に含まれる成分は、製品の表面に付着すると変色の原因になることがあります。
ファンデーションや日焼け止めなども、変色の原因となる成分が含まれている場合があります。
着用する際は化粧後に、取り外した際は柔らかい布で拭くことを忘れずにおこないましょう。
空気に触れない方法で保管する
プラチナ・金製品は、空気に触れないように保管しましょう。空気に触れる時間が長いと、割り金が変色しやすくなるためです。
保管する際は、ジュエリーボックスや密閉容器・個別の小さな袋に入れて保管することをおすすめします。
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【Q&A】プラチナの変色に関するよくある質問

プラチナの変色に関するよくある質問を紹介します。
- Q.プラチナがくすむ原因は何ですか?
- Q.プラチナ100は錆びますか?
- Q.プラチナは磨くと減りますか?
ひとつずつ見てみましょう。
Q.プラチナがくすむ原因は何ですか?
A.プラチナがくすむ主な原因は、割り金の酸化・硫化・塩化です。
プラチナジュエリーの多くは強度を保つために銅や銀などの割り金が混ぜられています。割り金が汗・化粧品・温泉などに含まれる成分と反応して、表面がくすんで見えるのです。
Q.プラチナ100は錆びますか?
A.純度100%(99.9%)のプラチナ錆びることはほとんどありません。
プラチナは化学的に安定した金属であり、空気中の酸素と反応しにくいためです。
Q.プラチナは磨くと減りますか?
A.プラチナを磨くと減ります。
表面の薄い層を削ることで輝きを取り戻すため、減るのは避けられません。しかし、削れるのはごくわずかで、1グラムにも満たない場合がほとんどです。
まとめ:プラチナ・金製品は酸化する可能性がある

プラチナ・金はイオン化傾向が小さい物質のため、酸化する可能性は極めて低いと言えます。しかし、ジュエリーなどのプラチナ・金製品は、割り金が混ぜられている場合がほとんどです。
割り金は種類によってはイオン化傾向が大きいものがあるため、プラチナ・金製品も酸化によって変色する可能性があります。
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