「金の比重を調べて純度を確認したい」
「純度を知って買取相場を確認したい」
このように考えていませんか?
金製品の純度を知る上で重要なのが比重の測定です。
純金の比重は約19.32g/cm³であり、この基準から金製品の純度を判別できます。
金に他の金属が加わると比重が変わり、差異を利用して純度を見分けられるのです。
本記事では、金の比重と純度の関係や家で簡単にできる比重の測り方、正確な比重測定方法について説明します。
ぜひ参考にしてみてください。
<この記事でわかること>
- 金の比重と純度の関係
- 自宅でできる比重の調べ方
- 正確に比重を調べる方法
金の比重とは

金の比重とは、対象のアイテムにどれほどの金が含まれているかを調べる基準の数値です。
純度がわからない合金アイテムでも、比重の測定方法がわかっていれば、ある程度の純度が割り出せます。
なお、純金(純度100%)の比重は1㎡あたり約19.32gです。重いほど純度が高く、軽いほど純度が低い意味となっています。
金の純度については以下の記事でも解説しています。是非ご覧ください。
金の純度を見分ける比重一覧

金の純度に応じた密度・比重の一覧は以下の通りです。
純度
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含有率
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密度・比重
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K24
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99.99%以上
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19.13~19.51
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K22
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91.6~91.7%
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17.45~18.24
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K20
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83.3%
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16.03~17.11
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K18
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75.0%
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14.84~16.12
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K14
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58.5%
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12.91~14.44
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K10
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42%
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11.42~13.09
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K9
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37.5%
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11.22〜12.67
|
それぞれの比重について見ていきましょう。
24金(K24)の比重
純金とも呼ばれる純度です。比重は1m3あたり19.32となっており、同じサイズの金アクセサリーのなかでも最も重くなっています。
色味は鮮やかな山吹色やオレンジっぽい黄色で、独特の柔らかい輝きを放ちます。
錆びにくく、長期間にわたって美しい状態を保てるのが特徴です。
また、資産価値が高いため、インゴットや金貨として保有する人も多くいます。
柔らかい性質上、繊細な加工には向かないため、ジュエリーは肉厚なデザインが多い傾向です。
ほかにも、純金メッキとして仏具に使われています。
22金(K2)の比重
純度は91.7%で、比重は1m3あたり17.45〜18.24gです。純金に近い黄金色で、美しい輝きを放ちます。
24金よりも強度があるため、加工がしやすく、金貨・ジュエリー・万年筆のペン先などに使われています。
22金の金貨で有名なのが、イーグル金貨・クルーガーランド金貨・ブリタニア金貨などです。(※ブリタニア金貨は、2013年以降24金に変更されています)
20金(K20)の比重
金の純度が83.3%の合金で、比重は1m3あたり16.03〜17.11gです。
色味は独特なマットゴールドで、落ち着いた輝きをもっています。
硬度が高いため、宝石をはめ込むアクセサリーに使われます。
日本ではあまり見かけない純度ですが、アジアの一部地域ではジュエリーとしてメジャーです。
18金(K18)の比重
純度は75%で、比重は1m3あたり14.84〜16.12gの合金です。
割金の配合によって色味が異なり、イエローゴールド・ホワイトゴールド・レッドゴールドなどがあります。
比較的金の含有量が多いため、金属アレルギーの方も安心して使用できる純度です。
日常使いのジュエリー・腕時計・高級ライター・エンブレム・服飾小物などに広く使われています。
割金とは
金に混ぜ合わせる金属を指します。銀・銅・ニッケルなどがメジャーです。純金以外の金製品には、純度を増す・色を調整するなどの理由で使用されています。
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14金(K14)の比重
純度が58.5%、比重は1m3あたり12.91〜14.44gの合金です。金の含有量が減るため、黄金色が薄くなります。
また、他の貴金属が半分近く含有されているため、強度が強く変形しにくいのが特徴です。
デメリットは、金属アレルギーを発症するリスクが高くなる点です。
ただし、含有率が下がる分、価格はリーズナブルになります。
ジュエリーや万年筆などの高級文房具や楽器にも使われています。
10金(K10)の比重
純度が42%で、比重は1m3あたり11.42〜13.09gの合金です。
純度が低いため金色が柔らかく、カラーゴールドの色味が顕著に表れます。
硬度が高く耐久性があるため、日常使いのアクセサリーに適しています。
価格はリーズナブルですが、金属アレルギーを発症しやすい点がデメリットです。
カジュアルなジュエリーや楽器(フルート)などに使われています。
9金(K9)の比重
純度が37.5%、比重は1m3あたり11.22〜12.67gの合金です。
含有する貴金属によって色味が大きく変わり、銀やパラジウムを含む場合は白っぽく、銅を含む場合は赤っぽくなります。
硬度が高く傷つきにくいため、繊細な加工が可能です。軽量感がありますが、酸化や変色が起こりやすいデメリットがあります。
イギリス王室ではK9の食器が「ロイヤルゴールド」として採用されています。
金以外の貴金属の比重

金以外の貴金属にも、それぞれ固有の比重があります。なかでも代表的な以下の貴金属の比重について解説します。
それぞれの特徴や用途を見ていきましょう。
銀の比重
銀の比重は、以下のとおりです。
純度
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含有率
|
密度・比重
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純銀
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99.99%
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約10.49g
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SV950
(スターリングシルバー)
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95%
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約10.41g
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SV925
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92.5%
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約10.35g
|
SV900
|
90%
|
約10.3g
|
SV850
|
85%
|
約10.22g
|
SV800
|
80%
|
約10.15g
|
銀は、貴金属のなかで比較的軽い部類に入ります。温度や圧力によって比重がわずかに変化するのが特徴です。
ジュエリー・工業用製品・歯科治療の素材・食器など、幅広く利用されています。
プラチナの比重
プラチナの比重は、以下のとおりです。
純度
|
含有率
|
密度・比重
|
Pt1000(Pt900)
|
99.99%
|
21.24~21.66g
|
Pt950
|
95%
|
19.84~20.85g
|
Pt900
|
90%
|
18.61~20.08g
|
Pt850
|
85%
|
17.53~19.38g
|
Pt800
|
80%
|
16.56~18.72g
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Pt750
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75%
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15.70~18.10g
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プラチナの比重は、貴金属のなかでも重いほうに分類され、Pt950は純金に近い数値です。
ジュエリーや工業用途で使用されており、希少性の高い貴金属として知られています。
偽物かわかる|金の比重を調べる方法

金の比重は、自宅にある物で計算できます。手順は以下のとおりです。
- 3.テグスなどを使用して金を吊るして水の中に入れる
お手持ちの貴金属の純度を知りたい方は、試してみてください。
※金属でのみできた製品に有効な方法です。宝石がはめこまれていたり、金以外の貴金属のコンビだったりした場合、計算はできません。
1.道具を用意する
準備するものは以下の通りです。
- 精密な量り(小数点以下まで計れるタイプが望ましい)
- 透明な容器
- 糸など
- 電卓
- 筆記用具(ペンなど)
- メモ用紙
小数点以下まで表示できるキッチンスケールがあれば十分です。
2.金の重さを計測する
調べたい金製品の重さを重量計で測定します。
金以外の金属が使われている場合や、宝石が取り付けられている場合は外しましょう。
外せないタイプの金製品は個人で比重を測るのは難しいため、査定に出してみることをおすすめします。
3.テグスなどを使用して金を吊るして水の中に入れる
透明の容器に金製品がすっぽり入る量の水を入れます。容器を量りに置き、ゼロにリセットします。
金製品を糸で吊るし、水の中に完全に沈めます。
この時、糸が水中に入らないようにし、金製品が容器の底面・側面に触れないよう注意してください。重量計に表示された数値が金製品の体積です。
4.「手順2」の値を「手順3」の値で割る
最後に、重さを体積で割って比重(密度)を求めます。
計算式は「比重=重量÷体積」です。
このようにして、家庭でも比較的簡単に貴金属の比重を計測し、純度を推定できます。
ただし、正確な鑑定を求める場合は、専門の買取店や鑑定機関に依頼するのがおすすめです。
注意点として「タングステン」という貴金属で作られたアイテムの場合、比重が純金に酷似しているため、本章の計算方法では判別ができません。
金の比重以外に純度を確認する3つの方法

金の純度を確認する方法は比重の測定以外にもいくつかあります。純度を確認する方法は以下の4つです。
上記の方法を使うと、金製品の純度を確認できます。
ただし、最も正確な情報を得るには、複数の方法を組み合わせることや、専門の知識を持つプロの査定を受けることがおすすめです。
刻印で確認する
多くの金製品には、「K24」や「K18」などといった純度を示す刻印があります。
刻印を見れば簡単に金製品の純度を知ることが可能です。
よく刻印が施されている場所は、以下のとおりです。
品名
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箇所
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指輪
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指輪の内側
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ネックレス
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チェーンの留め具
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ペンダント
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チェーンの留め具
ペンダントトップの裏側
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ブレスレット
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ブレスレットの留め具
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ピアス
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ピアスのキャッチ部分
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時計
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本体の裏側
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刻印は見えにくい部分に打たれていることもあるため、よく探してみると良いでしょう。
金の刻印については以下の記事で紹介しているため、ぜひご覧ください。
磁石を近づける
金は非磁性金属であるため、磁石には引きつけられません。
市販の強力な磁石を金製品に近づけてみて、もし引きつけられる場合は、鉄などの磁性金属が含まれている可能性があります。
つまり、純度が低い合金である可能性が高まります。
ただし、この方法では金以外の非磁性金属が含まれている場合は判断できないため、他の方法との併用がおすすめです。
試金石でこする
「試金石」と呼ばれる石を使用し、純金であるかを調べる方法もあります。
金を試金石にこすり付け、硝酸をかけて溶けなければ本物と判別する方法です。
江戸時代から用いられてきた方法ではあるものの、金製品を傷つけないと見分けられないため、おすすめはできません。
硝酸も危険な薬品で、吸入による咳や息苦しさ、重度の皮膚熱傷を引き起こす可能性があります。
金の純度がわかれば買取価格が把握できる

純度別の買取価格は以下の通りです。
純度
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1gあたりの買取価格
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K24(純金)
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15,423円
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K22
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14,016円
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K20
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12,807円
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K18
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11,773円
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K14
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8,750円
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※買取価格は2025年3月22日時点の金額です。
例えば、比重の測定により純度が「K18」に相当する場合、「11,773円×3g=35,319円」となります。
ただし、金1gあたりの買取価格は日によって変動するため、詳しい金額を知りたい場合は査定に出してみるのがおすすめです。
『買取大吉』では今日の買取価格を公表しています。下のボタンからご確認いただけるため、ぜひご覧ください。
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【Q&A】金の比重に関する質問

金の比重に関する質問をまとめました。
- Q.1cm³あたりの金の重さは?
- Q.金1gの体積はどのくらい?
- Q.金の比重と市場価格の関係は?
ひとつずつ回答します。
Q.1cm³あたりの金の重さは?
A.金の純度によって異なります。
純金(24金)の場合、1cm³あたりの重さは約19.32gです。
金の純度が下がるにつれて、1cm³あたりの重さも軽くなります。
Q.金1gの体積はどのくらい?
A.金の純度によって異なります。
純金(24金)の場合、1gあたりの体積は約0.0518cm³です。
金の純度が下がるにつれて、1gあたりの体積も大きくなります。
Q.金の比重と市場価格の関係は?
A.金の比重と市場価格は直接的な関係はありませんが、比重が高いほど売買時の価格に影響します。
比重が高い分、同じサイズでも純度が高く、素材としての価値が上がるためです。
まとめ:金の比重で純度や価値も判断できる

金の比重は、純度と価値を判断するための指標です。
純度が高いほど比重が大きく、同じ体積でも重量が増します。
金の比重は自宅でも簡単に計算できますが、より正確な数値を知りたい場合は、専門機関での鑑定や、買取専門店での査定がおすすめです。
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