「パラジウムの価格は今後どうなる?」
「今から投資すれば儲かる可能性はある?」
この様な疑問はありませんか?
パラジウムは、年間産出量が金よりも少ない希少な金属(レアメタル)です。
希少性に加え、自動車や電子機器など現代社会に欠かせない分野で需要があり、近年、投資対象として注目を集めています。
しかし、価格変動が激しいため、投資を検討するなら将来性やリスクを正確に把握しておくことが重要です。
当記事では、パラジウムの現状と今後の見通し・過去の価格推移・将来の価格を左右する要素などを解説します。
パラジウムへの投資を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
<この記事でわかること>
- パラジウム価格の今後の見通し
- パラジウムの過去30年の価格推移グラフ
- パラジウムの将来に影響を与える要素
そもそもパラジウムとは

パラジウムは、金やプラチナと同様に投資対象として認識されているコモディティです。
しかし、性質や用途などが特異である点も相まって、金やプラチナとは異なる価格推移を見せています。
そのため、パラジウム価格の今後の変動を知るには、どのような金属なのか知ることが第一歩となるでしょう。
本章では、以下の項目にわけてパラジウムについて解説します。
- 特性|優れた耐腐食性・高い水素吸収能力
- 用途|自動車産業・電子機器など
- 希少性|年間産出量は金よりも少ない
ひとつずつ見てみましょう。
特性|優れた耐腐食性・高い水素吸収能力
パラジウムの耐腐食性・高い水素吸収能力は、現代のさまざまな産業分野で重要な役割を担っています。
とくに、優れた耐腐食性は電子機器の部品に欠かせません。スマートフォンなどの電子機器に使われる部品を錆から守り、性能を長く維持させます。
また、体積の900倍以上もの水素を取り込む能力は、水素社会の実現に向けて動く現代において、重視されている性質です。
その他にも加工のしやすさから歯科治療で使われる銀歯の材料にもなっています。パラジウムの優れた特性は、人間社会において重要な役割があるのです。
用途|自動車産業・電子機器など
パラジウムの需要の多くは自動車や電子機器の部品です。とくに、ガソリン車の排ガスをきれいにする触媒として高い需要があります。
エンジンから出る有害な物質を、無害な二酸化炭素や水に変える重要な役割を担っており、世界的な環境規制の強化に伴って需要が高まりました。
近年普及が進むハイブリッド車にもパラジウムの特性を活かした技術が使われているため、今後も欠かせない金属と言えるでしょう。
また、先述したようにスマートフォンやパソコンといった電子機器の内部にもパラジウムは必要不可欠です。
その他、歯科治療で使われる銀歯の材料や、その美しい白色から宝飾品の素材としても活躍しています。
希少性|年間産出量は金よりも少ない
パラジウムは、金よりも産出量が少なく希少価値の高い金属(レアメタル)として扱われています。
米国地質調査所(USGS)の調査によると、2022年における金の鉱山生産量が約3,000トンなのに対し、パラジウムは約200トンしかありません。
パラジウムの生産量は金と比べると15分の1程度の量であり、希少性の高さがうかがえます。
さらに、主な産出国はロシアと南アフリカの2カ国に限られる点も希少性を高めている要因です。
2カ国だけで世界全体の供給量の約8割を占めており、生産国の情勢が価格に大きく影響を与えます。
このように、産出量の少なさと産出地域の偏りが、パラジウムの希少価値を高めているのです。
【予想】パラジウム価格の現状と今後の見通し

パラジウム価格について以下の点を解説します。
- パラジウム価格の現状
- パラジウム価格の今後の見通し
それぞれ見てみましょう。
パラジウム価格の現状
パラジウムの価格は、2022年のピーク時には1gあたり13,000円を超える高値を記録しましたが、2025年10月現在では約半分である6,000~8,000円を推移しています。
大幅に下落した理由は、最大の需要元である自動車産業の変化や、高騰しすぎた反動によるものです。
結果、一時は金よりも高値で取引されましたが、今では金やプラチナよりも安い価格になりました。
パラジウム価格の今後の見通し
今後のパラジウム価格は短期的には安定するものの、長期的には不透明な要素が多く、予想は困難を極めると言われています。
最大の需要源である自動車業界の構造変化による需要縮小と、新しい技術分野での需要拡大という相反する力が働くと考えられるためです。
多くの専門家は、2026年にかけては現在の価格帯で安定的に推移するか、小幅に回復すると予測しています。
しかし将来的には、電気自動車(EV)の普及でガソリン車の生産が減少し、価格の下落圧力になるかもしれません。
一方で、水素エネルギー関連の技術や高性能な電子部品といった、新しい分野での需要が価格を支える可能性を秘めています。
このようにパラジウムの将来性は、既存市場の縮小と新市場の創出という二つの側面から考える必要があり、現段階では予想が難しいと言われているのです。
【グラフで解説】パラジウムの過去30年の価格推移

パラジウムの価格は、上記グラフからわかるように過去30年間で激しく変動してきました。
2000年代初頭は3,000円以下を推移する状況が続いていましたが、2010年代から価格が急上昇したことがグラフから読み取れます。
これは環境規制の強化を背景に、パラジウムを触媒に使うガソリン車の需要が世界的に高まったためです。
勢いは止まらず、2019年には5,000円を突破。2020年には1万円に迫る価格がつけられました。
そして、2022年にはロシアのウクライナ侵攻による供給不安も重なり、1万円に達します。パラジウム価格は日々変動しており、短期的に13,000円を上回る時期もありました。
しかし、価格が高騰しすぎたことや電気自動車の普及が進んだ影響で、その後は一転して急激に下落します。
2025年10月現在では6,000~8,000円前後の価格帯まで落ち着いている状況です。
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パラジウムの将来を左右する要素

先述したように、パラジウムは自動車産業の動向によって需要が大きく変動する金属です。
しかし、他の分野でも活用されており、科学技術の発展によっては、新たな需要が創出される可能性も否定できません。
そのため、今後どのような分野・要素によって価格が左右されるか今のうちに知っておくことは賢明といえるでしょう。
本章では、パラジウムの将来を左右する要素として以下の点を解説します。
- 自動車産業
- 化学産業
- 電子機器産業
- 地政学的リスク
- 世界的な需給バランス
ひとつずつ見てみましょう。
自動車産業
パラジウムの需要の大部分は、自動車の排ガスを浄化する触媒に使われているため、自動車産業の動向はパラジウムの将来価格を占ううえで最も重要な鍵となります。
最も大きな影響を与えるのが、世界的な電気自動車(EV)への移行の流れでしょう。
触媒を必要としないEVが普及すれば、中長期的にパラジウムの需要が減少する可能性があります。
しかし、完全なEV化までの移行期においては、ハイブリッド車の販売が堅調に推移している状況です。
ハイブリッド車にはパラジウムが使われるため、当面の需要を下支えする要因となるとも言われています。
また、世界的に排ガス規制は年々厳しくなる傾向にあり、ガソリン車1台あたりに必要なパラジウムの量が増える可能性も指摘されます。
EV化による需要減と、ハイブリッド車の需要維持や規制強化による需要増が複雑に絡み合っているのが現状であり、今後も自動車産業から目が離せません。
化学産業
パラジウムの将来性を考える上で、化学産業での役割も見逃せない重要な要素です。
化学反応を効率的に進めるパラジウムの特性は、さまざまな製品の品質向上や生産性アップに貢献します。
とくに注目されるのが、次世代エネルギーとして期待される水素との関係性です。
パラジウムは水素を取り込みやすい性質を持つため、燃料電池の性能を高める材料として研究が進んでいます。
今後、脱炭素社会の実現に向けて水素エネルギーの活用が本格化すれば、化学産業におけるパラジウムの需要は大きく伸びる可能性を秘めています。
電子機器産業
パラジウムの将来を支える重要な柱として、成長を続ける電子機器産業も挙げられます。
電気を通しやすく錆びにも強い性質が高性能な電子部品の材料として非常に優れており、多岐に渡って活用されているのです。
パラジウムは機器の小型化や安定動作に貢献しており、私たちのデジタルライフを陰で支えています。
今後、5G通信やAI技術がさらに発展すれば、高性能な電子部品の需要はますます拡大するでしょう。
そのため、電子機器分野におけるパラジウムの役割も、より一層重要になると考えられます。
地政学的リスク
パラジウムの価格を考える上で、産出国の「地政学的リスク」は無視できません。パラジウムを産出する国が、ロシアと南アフリカの2カ国に極端に偏っているためです。
この2カ国だけで世界の供給量の約8割を占めており、国際情勢が価格に直結するとも言えるでしょう。
例えば、ロシアで紛争が起きるなど不安要素が生じれば、供給が滞る懸念から価格が急騰するかもしれません。
実際に2022年の価格高騰は、ウクライナ侵攻による供給不安がひとつの引き金になりました。また、南アフリカの電力問題なども、安定供給を脅かすリスクといえるでしょう。
パラジウムは産出国の状況に大きく左右されるため、国際ニュースにも気を配る必要があります。
世界的な需給バランス
パラジウムの価格は、工業分野での需要と供給のバランスによって決まるのが大きな特徴です。
現在、市場は自動車のEV化による需要減少と産出国の情勢不安による供給減少という、相反する力の影響を受けています。
2025年時点ではまだ供給不足が続くものの、その差は縮小し均衡に向かうとの見方が多いようです。
また、リサイクル技術の発展で供給量が増え、供給過剰に転じる可能性も示されています。しかし、リサイクルの回復が遅れれば、供給不足が長引く可能性も否定できません。
パラジウムの需給バランスは非常に繊細で複数の要因が絡み合っているため、今後も世界情勢へのアンテナを高く張る必要があります。
パラジウムへ投資する際の注意点

パラジウムへ投資する場合は、以下のポイントを意識しておきましょう。
それぞれ解説します。
自動車産業の動向に左右される
パラジウムへ投資する際の最大の注意点は、価値が自動車産業の動向に極めて強く依存している点です。
パラジウム需要の約8割がガソリン車の排ガスをきれいにする触媒という単一の用途に集中しています。
そのため、自動車産業における技術革新などでパラジウムが不要になれば、需要は大きく減り暴落する可能性もあるでしょう。
実際に、過去に価格が高騰した際には、より安価なプラチナへの代替が進みました。
この事実は、ガソリン車が生産され続けても、パラジウムが選ばれ続ける保証はないことを示しています。
そのため、パラジウムへ投資するなら日々のニュースや公的な発表への注目が大切です。
EVの販売台数や各国の環境政策といった情報は、将来のパラジウム需要を予測する上で重要なヒントになり得ます。
価格変動率が高い
パラジウムは価格の変動が非常に激しい、いわゆる「ハイリスク・ハイリターン」な投資商品です。
宝飾品や投資対象として安定した需要がある金とは異なり、価値が工業用の需要、とくに自動車産業の景気に左右されるためです。
また、産出する国が極端に偏っているため、供給が不安定になりやすいことも価格変動を大きくしています。
実際に、2022年には1gあたり13,000円を超える過去最高値を付けましたが、その後わずか2年ほどで半値程度にまで急落しました。
社会情勢や技術革新によって需要が一変すると、価格が数倍になったり数分の一になったりする可能性を常に秘めています。
そのため、パラジウムへの投資は、大きな価格変動リスクを十分に理解した上で、長期的な視点で望むことが重要です。
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【Q&A】パラジウム価格に関するよくある質問

パラジウム価格に関するよくある質問を紹介します。
- Q.パラジウムの今後の需要はどうなるでしょうか?
- Q.パラジウム1gいくら?
- Q.パラジウムは貴重ですか?
ひとつずつ見てみましょう。
Q.パラジウムの今後の需要はどうなるでしょうか?
A.自動車のEV化により主要な需要は減少傾向ですが、長期的には水素エネルギー関連など新たな分野での需要拡大が期待されています。
Q.パラジウム1gいくら?
A.2025年10月14日時点のパラジウムの小売価格は、約8,300円(税込)です。
価格は経済の動向や需要と供給のバランスによって日々変動するため、購入前に価格を確認しておきましょう。
2025年10月14日時点の買取価格は、約7,600円です。最新の買取価格は下のボタンから確認できるため、ぜひチェックしてみてください。
Q.パラジウムは貴重ですか?
A.金の年間産出量が約3,000トンなのに対しパラジウムは約200トンと極めて少なく、希少性が高いといえます。
非常に希少な金属(レアメタル)にも数えられている点からも、パラジウムの貴重さがうかがえるでしょう。
まとめ:パラジウム価格は上昇する可能性を秘めている

パラジウムはEV化の影響を受けるものの、水素エネルギーなど新分野での活躍が期待され、価格が上昇する可能性を秘めています。
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