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パラジウム価格が下落した理由を徹底解説|今後の動向・投資する際の注意点も紹介

パラジウム価格が下落した理由を徹底解説|今後の動向・投資する際の注意点も紹介

2025年10月27日

「パラジウムの価格が下落したのはなぜ?」

「パラジウムへの投資はやめた方がいい?」

このような疑問はありませんか?

 

金やプラチナと並ぶ貴金属として知られるパラジウム。2022年3月には最高値を記録しましたが、その後は急落し、現在も低迷が続いています。

 

そのため、パラジウムへ投資を考えている人は、下落した理由・今後の動向が気になるのではないでしょうか。

 

当記事では、パラジウムが高騰した理由や下落した理由・今後のパラジウムの価格予想などを解説します。投資を検討している人は、ぜひご覧ください。

<この記事でわかること>

  • パラジウム価格が下落した理由
  • パラジウム価格に影響を与える要素
  • パラジウム価格の今後の予想

そもそもパラジウムとは

パラジウムは、金やプラチナと同じく、投資商品として知られている金属です。しかし、性質・用途・需要先は金やプラチナと異なる点があり、独自の価格推移を見せています。

 

パラジウム価格推移について知るには、金属としての特性を知ることが重要です。本章では、以下の項目にわけてパラジウムの特徴を解説します。

  • 特性|優れた加工性・高い水素吸収力
  • 用途|自動車産業・化学産業など
  • 希少性|年間生産量は金よりも少ない

ひとつずつ見てみましょう。

特性|優れた加工性・高い水素吸収力

パラジウムは、融点が約1,555℃と貴金属のなかでは低い部類のため、さまざまな形に加工しやすい利点があります

 

また、金やプラチナよりも硬い性質も特徴です。この硬さを活かし、ジュエリー業界ではプラチナやホワイトゴールドの耐久性を高めるための割金として重宝されています。

 

さらに、軽量性・耐腐食性・耐熱性にも優れており、工業分野において欠かせない金属です。

 

高い水素吸収力もパラジウムの特異な性質に挙げられます。体積の900倍以上もの水素を内部に蓄えられるのです。

 

この性質から、次世代のクリーンエネルギーとして注目される水素の貯蔵材料としての活用が期待されています。

用途|自動車産業・化学産業など

パラジウムの用途は多岐にわたりますが、需要の大半は触媒としての役割であり、特に工業分野で広く利用されています。最も代表的な用途は自動車産業です。

 

ガソリン車やハイブリッド車に搭載される「三元触媒」の主原料として、排気ガスに含まれる一酸化炭素や窒素酸化物といった有害物質を、無害な水や窒素などに浄化するうえで不可欠な存在です。

 

また、化学産業でも重要な役割を果たしています。特定の化学反応を効率的に促進させる触媒として利用され、医薬品や合成樹脂などの製造プロセスに欠かせません。

 

ほかにも、歯科治療で使われる「銀歯」の合金材料や、先述したように、金やプラチナの硬度を高めるための割金としてジュエリーに用いられることもあります。

 

また、電子機器のコンデンサーやセンサーといった精密部品にも活用されており、私たちの生活を支えるさまざまな製品にパラジウムは欠かせません。

希少性|年間生産量は金よりも少ない

パラジウムは、貴金属のなかでも極めて希少価値が高い「レアメタル」に分類されます。希少性を最もよく表しているのが、年間産出量です。

 

米国地質調査所(USGS)の調査によれば、金の年間産出量が約3,000トンにのぼるのに対し、パラジウムは約200トンと、金の15分の1にも満たない量しか採掘されません

 

市場に出回る絶対量が少ない点が、価値の根源となっています。産出量が少ない理由は、パラジウムが主にプラチナなどを採掘する際の副産物として得られるためです。

 

単独で採掘されるわけではないため、需要に応じて生産量を調整できないという供給面での制約があります。

 

さらに希少性を高めているのが、産出国の偏りです。主な産出国はロシアと南アフリカ共和国であり、この2カ国で世界の供給量の約8割を占めています。

【チャート】近年におけるパラジウムの価格推移

パラジウム価格の推移グラフ(円_g)

パラジウムの価格は、ここ数年で大きな変動を見せています。投資を検討するうえで過去の値動きを把握しておくことは極めて重要です。

 

上のチャートが示すように、2017年までは3,000円以下を推移していましたが、2018年頃から顕著な上昇トレンドに入りました。

 

2015年時点では1g約3,000円で取引されていましたが、価格は年を追うごとに急騰します。上昇の頂点となったのが2022年です。

 

2022年の年平均価格は1万円を突破。パラジウムの価格は日々変動しており、高い時期には13,000円を上回ることもありました

 

しかし、最高値を更新した後は一転して大きく下落。これほどまでに価格が大きく変動した理由については次章で解説します。

2018~2022年|パラジウム価格が上昇した理由

パラジウム価格が大きく上昇した主な理由は以下の2点です。

  • ガソリン車・電気自動車(EV車)の需要増加
  • 政治的要因

それぞれ解説します。

ガソリン車・電気自動車(EV車)の需要増加

価格が上昇したきっかけは、2015年に発覚したフォルクスワーゲンの排ガス不正問題です。

 

この事件を機に世界的にディーゼル車に対する信頼が失墜し、環境規制が大幅に強化されました。

 

結果、従来ヨーロッパ市場の主流であったディーゼル車(触媒には主にプラチナを使用)の販売が急速に落ち込みます。

 

その受け皿として需要が急増したのが、ガソリン車やハイブリッド車です。

 

これらの自動車の排ガス浄化触媒には、コスト面やガソリンエンジンとの相性から、プラチナではなくパラジウムが主に使用されていました。

 

世界的なガソリン車へのシフトにより、パラジウムの需要は予測をはるかに超える勢いで拡大し、深刻な供給不足が発生。

 

この需給バランスの崩壊が、歴史的な価格高騰を引き起こしたのです。

政治的要因

パラジウム価格の高騰には、供給構造に起因する政治的な要因も影響しています。

 

パラジウムの産出地はロシアと南アフリカ共和国の2カ国に著しく偏っており、両国で世界の供給量の約8割を占めています。

 

特に、世界最大の生産国であるロシアの動向は、パラジウムの国際価格を左右する極めて重要な要素です。

 

実際に、価格が上昇していた時期には、米国によるロシアへの経済制裁が供給不安を煽る一因となりました

 

その懸念を決定的なものとしたのが、2022年のロシアによるウクライナ侵攻です。

 

この軍事侵攻を受け、西側諸国がロシアへの制裁としてパラジウムの輸入を禁止したことで、世界的な供給網が寸断されるとの危機感が市場に広がりました。

 

結果、供給が滞ることを恐れた買い注文が殺到し、価格は史上最高値まで暴騰したのです。

2023年|パラジウム価格が下落した理由

パラジウム価格が下落した主な理由は以下の2点です。

  • 自動車業界の変化
  • プラチナの需要増加

ひとつずつ解説します。

自動車業界の変化

2023年にパラジウム価格が下落した大きな要因は、需要の大部分を占める自動車業界の構造的な変化にあります。

 

まず挙げられるのが、世界的な景気減速です。パラジウムは工業用金属としての側面が強く、景気の動向に需要が左右されやすい特徴があります。

 

主要な消費国である中国や米国の景気懸念が媒用のパラジウム需要を直接的に押し下げ、価格への下押し圧力となりました

 

世界的な電気自動車(EV)へのシフトもパラジウム価格に影響を与えた要素です。EVは排気ガスを排出しないため、パラジウムの主用途である排ガス浄化触媒を必要としません。

 

世界各国が脱炭素社会の実現に向け、将来的なガソリン車の販売禁止を打ち出すなか、「いずれパラジウムの需要は大きく減少する」という見方が市場の共通認識となりつつあります。

 

この将来の需要減退への強い懸念が、現在の価格下落を加速させているのです。

プラチナの需要増加

2022年のパラジウム価格の歴史的な高騰は、皮肉にも自らの需要を減退させる要因を生み出しました

 

従来、ガソリン車の触媒にはパラジウム、ディーゼル車にはプラチナが主に使用されていました。

 

しかし、パラジウムの価格がプラチナの数倍にも達する状況となり、自動車メーカーはコスト削減のため、ガソリン車の触媒に安価なプラチナを活用する技術開発を加速させました。

 

この代替の動きは2022~2023年にかけて大幅に増加し、本来パラジウムが使われるはずだった需要がプラチナへと置き換わっていったのです。

 

需要の約8割を自動車触媒に依存するパラジウムにとって、この動きは大きな打撃となりました。

 

構造的な需要減少がパラジウム市場の需給を緩和させ、2024年2月には約6年ぶりにパラジウム価格がプラチナ価格を下回るという価格の再逆転を招く大きな要因となったのです。

今後のパラジウム価格を左右する要素

パラジウムは自動車産業をはじめとする工業分野からの需要が大きい特徴が見られます。しかし、その他には価格を左右する要素がいくつかあります。

 

今後のパラジウム価格を左右する要素として挙げられるのは以下のとおりです。

  • 自動車産業
  • 化学産業
  • 電子機器分野
  • 産出国の地政学的リスク
  • 世界的な需給バランス

ひとつずつ見てみましょう。

自動車産業

長期的視点では、世界的な「脱炭素」の流れと電気自動車(EV)へのシフトが、パラジウム需要の最大の減少要因となります

 

EVは排ガスを出さないため、パラジウムを主原料とする触媒が不要になるためです。

 

各国が将来的なガソリン車販売の禁止目標を掲げている以上、最終的にパラジウム需要が構造的に減少していく流れは避けられないでしょう。

 

しかし、中期的な視点で見ると異なる動きも見られます。ひとつは、EVシフトの減速とハイブリッド車の人気再燃です。

 

現在、充電インフラや航続距離への懸念から、現実的な選択肢としてハイブリッド車が見直されています。

 

触媒を必要とするハイブリッド車が、当面のパラジウム需要を下支えする可能性が考えられているのです。

 

また、代替金属であるプラチナの供給不足もパラジウム価格に影響を与えます。現在は、コスト削減のためパラジウムからプラチナへの代替が進んでいる状況です。

 

しかし、プラチナも供給不足が予測されており、再びパラジウムに需要が回帰するシナリオも考えられます。

化学産業

パラジウムは医薬品や機能性材料の製造に欠かせない触媒として、安定した需要の基盤を持っています。

 

化学反応を効率化し、製品の純度を高めるパラジウムの性能は他の金属では代替が難しく、化学産業での重要性は揺るぎません

 

さらに大きな可能性を秘めているのが、水素社会の実現に向けた役割です。パラジウムの水素吸収能力は、水素エネルギーのあらゆる場面で不可欠なキーマテリアルとされています。

 

自動車需要の減少を補い、新たな価値を生み出す分野として化学産業の動向は今後ますます重要になるでしょう。

電子機器分野

パラジウムは優れた電気伝導性と耐食性から、スマートフォンやPCに不可欠な半導体や、各種コネクタの接点材料などに使用されてきました。

 

5G通信の普及やIoT機器の増加、自動車の電装化が進むなど、高性能な電子部品の需要拡大はパラジウムにとって追い風となります

 

一方で、代替材料への切り替えという逆風も吹いています。

 

特に需要の多くを占めていたコンデンサの電極材料では、過去のパラジウム価格高騰を背景に、より安価なニッケルへの代替が進んでいるのも事実です。

 

そのため、今後の電子機器分野における需要は、「全体の市場拡大による需要増」と「ニッケルなどへの代替による需要減」のどちらが上回るかが焦点となります。

産出国の地政学的リスク

パラジウムの供給は、ロシアと南アフリカ共和国の2カ国に集中しています。この寡占状態が価格の不安定さを生む原因のひとつです

 

世界最大の生産国であるロシアは、ウクライナ侵攻以降、西側諸国との政治的緊張が続いています。

 

今後、制裁が強化されたり、ロシアが報復措置として輸出を制限したりする可能性は存在し、市場の供給不安を煽る火種となっています。

 

第2の生産国である南アフリカも、国外の紛争とは異なる国内の構造的な問題を抱えています。

 

慢性的な電力不足による鉱山の操業の停止・労働争議の頻発などは、安定的・長期的な生産能力への大きな懸念材料です。

 

どちらか一国の供給に支障が出ただけでも世界全体の需給バランスが大きく崩れるため、両国の情勢はパラジウム価格と常に直結しているのです。

世界的な需給バランス

パラジウムは、2025年は供給不足が続くものの、2026年以降は供給過剰に転じるとの見方が主流です。

 

これはEVシフトによる需要減と、廃車からのリサイクル供給の増加が背景にあります。しかし、この予測はリサイクルが順調に増えることが前提です。

 

もしリサイクル技術の問題や回収の遅れが生じれば、供給過剰への転換は遅れ、不足状態が継続する可能性も残されています。

【予想】パラジウム価格の今後の見通し

今後のパラジウム価格は長期的な需要減少という下落圧力と、供給面の不安や新たな需要の可能性という上昇要因が綱引きする複雑な局面を迎えます

 

大局的に見れば、最大の需要源である自動車業界のEVシフトとプラチナへの代替などの構造的な変化により、需要は減少傾向をたどる見方が優勢です。

 

しかし、この下落一本調子の見方には複数のリスクと不確実性が存在します。

 

短期的には多くの投機筋が価格下落を見込んで売りポジションを保有しているため、産出国の紛争などポジティブなニュースをきっかけに買い戻しが殺到し、価格が急騰する「ショートスクイーズ」の可能性があります。

 

中長期的には、EVシフトの減速・ハイブリッド車の人気・代替先であるプラチナ自体の供給不安がパラジウム需要を支えるかもしれません。

 

さらに、次世代エネルギーとして期待される「水素社会」でパラジウムが果たす役割は大きいものです。自動車需要の落ち込みを補う新たな需要の柱となる可能性も秘めています。

 

結論として、一本調子の下落ではなく需給の様々な要因を背景に上下に大きく変動する不安定な相場が続くと予想されます。

 

【関連記事】

パラジウムへ投資する際の注意点

パラジウムへ投資する際は、以下のポイントに注意を払いましょう。

  • 自動車産業の動向に注目する
  • 価格変動の幅が広い

ひとつずつ解説します。

自動車産業の動向に注目する

自動車産業の動向を具体的に把握するためには、日々のニュースを追うだけでなく定点観測すべきいくつかの重要な情報源があります。

 

最も直接的で速報性の高い指標が毎月発表される新車販売台数です。特にEV(電気自動車)とHV(ハイブリッド車)の販売比率に注目してください。

 

HVの販売が好調であれば短期的なパラジウム需要は底堅いと推測できます。欧米や中国の同様の統計も、海外の経済ニュースサイトで確認することが重要です。

価格変動の幅が広い

パラジウム価格は価格変動の幅が広いため、ハイリスク・ハイリターンな投資と言われています

 

過去の価格推移を見ても、パラジウムがいかに激しく変動してきたかがうかがえるでしょう。

 

短期間で数倍になったかと思えば、ピークの翌年には数分の一に下落するという歴史が、パラジウム投資の最大のリスクとリターンを持っていることを示しています。

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【Q&A】パラジウム価格に関するよくある質問

パラジウム価格に関するよくある質問を紹介します。

  • Q.現在のパラジウム価格は?
  • Q.パラジウムの希少性は?
  • Q.パラジウムの産出国はどこですか?

ひとつずつ回答します。

Q.現在のパラジウム価格は?

A.2025年10月15日時点のパラジウム価格は、約8,400円(税込)です

 

価格は日々変動しているため、実際に購入する前に最新の情報を確認しておきましょう。

Q.パラジウムの希少性は?

A.パラジウムは、年間生産量が金よりも少ない希少な金属です

 

金の年間鉱山生産量が約3,000トンなのに対して、パラジウムは約200トンしかありません。レアメタルにも数えられている点も、希少な金属ということがうかがえます。

Q.パラジウムの産出国はどこですか?

A.パラジウムの主な産出国はロシア・南アフリカ共和国です

 

ロシアと南アフリカ共和国の生産量は、世界中の供給量の約8割を占めています。

 

イタリア・カナダ・中国などでもパラジウムが採掘されていますが、生産量は上位2カ国と比べてごくわずかです。

まとめ:下落したパラジウムだが今後上昇する可能性を秘めている

自動車業界の構造変化により、パラジウム価格は長期的に下落基調と見られています。

 

しかし、産出国の地政学リスク・短期的な投機筋の買い戻しによる価格の急騰・水素社会の実現に向けた新たな需要の創出など、上昇に転じる可能性も十分に秘めています。

 

ただし、ハイリスク・ハイリターンな投資となるため、十分に考慮したうえで判断しましょう。

 

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