「寛永通宝の価値はどれくらい?」
「うちにある1枚はいくらで売れる?」
このような疑問はありませんか?
寛永通宝は、江戸幕府によって1636年(寛永13年)に公式に鋳造が始まった貨幣ですが、それ以前にも私的に作られたものが存在します。現在は主にコレクションとして流通しています。
今から390年近く前の硬貨のため希少価値がつき、高く売れると思っている人も多いでしょう。
確かに寛永通宝は高く売れる種類もありますが、大半は1枚あたり数十円~数百円にしかなりません。価値を分けるのは「種類」と「母銭かどうか」の2点です。
本記事では、寛永通宝の価値を価格帯別の一覧表で整理し、表面の書体・裏面の背文字・母銭の3つの見分け方を解説します。ぜひ参考にしてみてください。
※記事内で紹介している買取相場などは、買取市場での相場であり、『買取大吉』の買取価格を保証するものではありません。
<この記事でわかること>
- 寛永通宝の価格帯別の種類一覧と買取相場
- 裏面の背文字・波の数から価値を見分ける方法
- 母銭と通用銭の違いと価格差
- 寛永通宝の偽物を見分ける方法
- 高く売るコツ
寛永通宝とは

寛永通宝(かんえいつうほう)とは、1636年(寛永13年)から幕末まで約230年にわたって鋳造された、江戸時代の代表的な銭貨です。名前は「寛永」という元号に由来しています。
当時は、金貨や銀貨よりも身近な存在であり、庶民の暮らしを支える存在でした。中央に四角い穴が空いているのが特徴で、「穴銭(あなせん)」とも呼ばれます。この穴は、たくさんの銭を紐に通して持ち運ぶために開けられました。
寛永通宝の基本的な仕様は以下のとおりです。
| 項目 |
内容 |
| 読み方 |
かんえいつうほう |
| 鋳造期間 |
1636年(寛永13年)~幕末 |
| 額面 |
一文銭・四文銭 |
| 素材 |
銅・鉄・真鍮 |
| 大きさ |
一文銭は直径23mm前後 四文銭は直径28mm前後 |
| 重さ |
一文銭で当初は一匁(約3.7g)、元禄期以降は七分(約2.6g)程度 |
| 種類 |
200種類以上 |
| 通用停止 |
1953年(昭和28年)末 |
※大きさ・重さは個体差があるためおおよその目安です。
意外に思われるかもしれませんが、寛永通宝は江戸時代だけの貨幣ではありません。明治以降も銅一文銭は1厘、真鍮四文銭は2厘として法的に通用しており、通用が停止したのは小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律(昭和28年法律第60号)が施行された1953年末のことでした。
鋳造された時代や場所によって200種類以上もの種類があり、それぞれに異なる点も特徴です。ただし、どの貨幣にも表面に共通して「寛永通寳」の文字が刻印されています。
また、寛永通宝には、市場で使われた「通用銭(子銭)」と、お金を造るための見本として使われた「母銭」の2種類が存在します。母銭は希少価値が高いため、査定に出せば高価買取が期待できるでしょう。
なお、寛永通宝が全国に広まる前の日本では、中国から輸入された永楽通宝などの渡来銭が使われていました。
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※記事内で紹介している買取相場などは、買取市場での相場であり、『買取大吉』の買取価格を保証するものではありません。
寛永通宝の価値は、流通量の多い通用銭なら1枚あたり数十円~数百円、希少な種類や母銭であれば数万円~数十万円と、同じ寛永通宝でも1,000倍以上の開きがあります。
まずは手元の1枚がどの価格帯に当てはまるのかを、以下の表で確認してみてください。
| 価格帯 |
該当する主な種類 |
見分けの手がかり |
| 10万円以上 |
日光御用銭、島屋文(背に「文」あり)、四文銭の母銭(長尾寛・短尾寛など) |
「寳」の内部にハネがない/「通」の上部が「ユ」の形/裏に21本の波 |
| 1万円~10万円 |
二水永、松本銭、一文銭の母銭、天狗寛永、四文銭の長尾寛(通用銭) |
「永」が「二」と「水」の組み合わせ/「寳」が右上に傾く/穴の内側がヤスリ仕上げ |
| 1,000円~1万円 |
石ノ巻銭(背仙)、小梅銭(背小)、退点文、四文銭の太ノ(11波)、島屋文(無背) |
裏に「仙」「小」の刻印/裏の波の中に太い「ノ」 |
| 1,000円未満 |
芝銭、浅草銭、坂本銭、水戸銭、仙台銭、吉田銭、高田銭、岡山銭、沓谷銭、鳥越銭、足尾銭、背広佐(通用銭) |
裏が無地のものが多く、流通量が非常に多い |
※2026年7月時点で買取市場に見られる取引水準をもとにした目安です。金額は状態・書体・母銭かどうかによって大きく変動します。
寛永通宝の価値を決める要素は、次の3つに整理できます。
- 表面の書体(永・寳・通の形)でわかる鋳造地と種類
- 裏面の背文字・波の数でわかる鋳造時期と額面
- 母銭か通用銭かでわかる希少性
10万円以上で取引される種類
10万円以上の値がつく寛永通宝は、日光御用銭・島屋文(背に「文」があるもの)・四文銭の母銭の3系統にほぼ限られます。
日光御用銭は20万円台で取引された記録もあり、寛永通宝の中でも最上位に位置します。島屋文も裏に「文」の刻印があるものは20万円前後の水準です。
四文銭の母銭では、長尾寛が20万~40万円、短尾寛が13万~25万円といった価格が確認されています。いずれも数が極端に少なく、市場に出ること自体が稀な種類となっています。
1万円~10万円で取引される種類
1万円~10万円のレンジには、二水永・松本銭といった鋳造数の少ない古寛永と、一文銭の母銭全般が入ります。
二水永は1,000円~5万円程度と幅が大きく、状態と書体の鮮明さで評価が分かれる種類です。松本銭も数百円~1万円程度と、個体差が価格に直結します。
母銭は種類を問わず高値がつきやすく、通用銭では10円程度にしかならない細字背文でも、母銭であれば1万5,000円前後から取引されることがあります。
1,000円~1万円で取引される種類
裏面に「仙」「小」などの刻印がある背文字銭や、11波の四文銭の一部が、1,000円~1万円のレンジに入ります。
石ノ巻銭のうち裏に「仙」があるものは数千円~1万円程度、小梅銭は数百円~数千円が目安です。四文銭の太ノ(11波)は2,500円~6,000円程度で取引されています。
同じ島屋文でも、裏が無地の島屋文無背は5,000円前後からと、背文ありに比べて大きく下がる点に注意してください。
1,000円未満になる種類
市場に残る寛永通宝の大半は流通量が多い通用銭で、1枚あたり数十円~数百円の評価にとどまります。
芝銭・浅草銭・坂本銭・水戸銭といった初期の古寛永は、当時大量に鋳造されたため希少性がありません。新寛永でも足尾銭・背広佐の通用銭などは同様です。
ただし、こうした一般的な種類でも母銭であれば評価は一変します。1枚ずつの金額が小さくても、まとまった枚数があれば査定に出す価値は十分にあるでしょう。
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「古寛永」と「新寛永」の違い

「古寛永」と「新寛永」は、鋳造された時期と品質に大きな違いがあります。
古寛永は、1636~1659年(寛永13年~万治2年)までに作られました。当時の技術的な問題や各地の大名がそれぞれ鋳造していたため、品質にばらつきがあり見た目も不揃いなのが特徴です。
新寛永は、1668年以降に鋳造されました。
新寛永は幕府が直接管理したため、品質が大幅に向上しており、文字の書体・サイズ・重さが均一になっており、見た目もきれいに整っているのが特徴です。
【古寛永】有名な寛永通宝の種類と価値

有名な寛永通宝(古寛永)を鋳造年ごとに紹介します。
- 1626年(寛永3年)鋳造
- 1636年(寛永13年)鋳造
- 1637年(寛永14年)鋳造
- 1653年(承応2年)鋳造
- 1656年(明暦2年)鋳造
承応・明暦に鋳造された貨幣も寛永通宝に分類されます。ひとつずつ見てみましょう。
※以下の金額は2026年7月時点の買取市場での相場であり『買取大吉』の買取価格を保証するものではありません。
1626年(寛永3年)鋳造
1626年に鋳造されたのは「二水永(にすいえい)」です。水戸の商人が江戸幕府から許可を得て個人的に鋳造していたものであり、公の貨幣ではありませんでした。
そのため、数が非常に少なく希少価値が高いとされています。
名前の由来は、表面に刻まれた「永」の文字が、「二」と「水」を組み合わせたような珍しい形をしている点が由来です。
買取相場は1,000円~5万円程度で、書体が鮮明で状態の良いものなら5万円前後の値がつくこともあります。
1636年(寛永13年)鋳造
1636年鋳造の3種類はいずれも大量に作られたため、通用銭の相場は数十円~1,000円程度にとどまります。有名なのは以下の3種類です。
それぞれの特徴を解説します。
芝銭
「芝銭」は、江戸幕府が公式に発行した最初の寛永通宝です。表面に書かれた「通」の文字が草書体になっており、裏面には何も刻印されていません。
初期の寛永通宝の中では比較的多く作られたため、通用銭の価値は数十円~500円程度とあまり高くありません。しかし、母銭は数が少なく、1万円以上の価値がつく場合もあります。
浅草銭
「浅草銭」は、別名「御蔵銭」とも呼ばれる寛永通宝です。浅草銭の特徴は、くっきりと読みやすい文字で当時の鋳造技術の高さがうかがえます。
ただし、書体にいくつか種類があるため見慣れない人には見分けるのが難しいかもしれません。
流通量が多く希少価値は他の珍しい古寛永に比べると劣るため、買取相場は数百~1,000円ほどです。
坂本銭
「坂本銭」は近江国坂本で鋳造された寛永通宝です。大きな特徴は「永」の文字の右上が勢いよく跳ね上がっているように見えるため「跳永(はねえい)」と呼ばれています。
流通量が比較的多いため二水永などの希少な種類と比べると価値は低く、買取相場は数百~1,000円ほどです。
1637年(寛永14年)鋳造
1637年は各藩が一斉に鋳造を始めた年で、7種類の中では松本銭だけが1万円前後まで評価されます。有名な寛永通宝は以下のように種類が豊富です。
- 水戸銭
- 仙台銭
- 吉田銭
- 松本銭
- 高田銭
- 岡山銭
- 長門銭
ひとつずつ解説します。
水戸銭
「水戸銭」は、力強い書体が特徴の寛永通宝です。特徴は「永」という文字の左側の線が太く力強い印象を受ける点であり「力永(りきえい)」とも呼ばれています。
水戸銭は「二水永」の流通を受けて、幕府が水戸に鋳造所を置いて製造を始めたとされる種類です。比較的多く作られたため、通用銭の買取相場は数百円程度にとどまります。ただし後年の水戸仰宝の母銭は1万円前後で取引される例もあります。
仙台銭
陸奥国仙台で製造された「仙台銭」は、文字のバランスが整っている点が特徴です。
銭の中央に「寛永通宝」の文字が小さくきれいに配置されているため、「中字銭(ちゅうじせん)」とも呼ばれています。
仙台藩が幕府から特別に許可を得て製造したもので、地方経済の歴史を語る上でも貴重な存在ですが、希少価値は高くありません。買取相場は数百~1,000円程度となっています。
吉田銭
1637年に三河国吉田で作られた「吉田銭」は、別名「広永(ひろえい)」と呼ばれる寛永通宝です。名称は「永」の字の横の線が長く伸びて見える特徴的な書体に由来しています。
吉田藩は徳川家と関係が深かった藩であり、吉田銭は歴史的に価値があると言われています。ただし、製造数が多く、買取相場は数百円程度と比較的安価です。
松本銭
「松本銭」は「寳」の文字の左半分が右上に大きく傾いている書体が特徴で「斜宝(しゃほう)」や「縮宝(しゅくほう)」と呼ばれています。
鋳造を担っていた今井家から未使用品の松本銭が見つかっており、現在は松本市立博物館で展示・保管されています。
鋳造数の少なさから希少価値が高く、買取相場は数百円~1万円程度と幅があり、状態の良いものは1万円の値がつくことも珍しくありません。
高田銭
「高田銭」は「笹手永(ささてえい)」と呼ばれる独特の書体が特徴の寛永通宝です。「永」の文字の下部が、まるで笹の葉のように左右に大きく広がっている形に由来しています。
特徴的な文字は、ほかの寛永通宝と比べても目立つため、古銭に詳しくない方でも容易に見分けられます。
比較的多く鋳造されたため希少性は高くありません。買取相場は数百円程度です。
岡山銭
「岡山銭」は1637年に備前国岡山で製造された寛永通宝です。
特徴は「通」の文字の上と下の部分が少し離れているように見える点であり「離頭通(りとうつう)」と呼ばれています。
この珍しい書体は、徳川家ともつながりが深い岡山藩で作られた歴史的に重要な古銭と言えるでしょう。買取相場は数百~数千円ほどです。
長門銭
1637年に長門国で作られた「長門銭」は、別名「俯永(ふえい)」と呼ばれる珍しい書体が特徴の寛永通宝です。
「俯永」は「永」の文字が上下に押しつぶされたような形状であり、俯いているように見えることに由来します。
この独特な文字の形は、他の寛永通宝と見分ける重要な手がかりです。
長門銭の買取相場は数百円~数千円程度。保存状態が良ければ、さらに高値で取引される可能性もあります。
1653年(承応2年)鋳造
1653年に鋳造された寛永通宝は「建仁寺銭」です。京都の建仁寺で鋳造されたと言われている寛永通宝で、他の文字と比べて「通」の文字が大きく作られている点が特徴です。
しかし、鋳造所には諸説あり、本当に建仁寺で作られたかははっきりしていません。目を惹くインパクトのある書体と歴史的な背景からコレクターの間で人気があります。
買取相場は数百円~数千円です。なお、大字の母銭は直径25.9mm・重量3.8g前後と通用銭より一回り大きく、判別できれば評価は大きく変わります。
1656年(明暦2年)鋳造
1656年鋳造の2種類はどちらも流通量が多く、買取相場は数百円程度が中心です。有名なのは以下の2種類となります。
それぞれ解説します。
沓谷銭
「沓谷銭(くつのやせん)」は「寳」の文字の下部分が、他の文字よりも長く伸びている書体(正足宝)が特徴の寛永通宝です。
沓谷銭は流通数が多いため、寛永通宝の中で希少性が高い種類ではありません。買取相場は数百円ほどです。
鳥越銭
1656年に江戸の鳥越で作られた「鳥越銭」は、こぢんまりとした見た目が特徴の寛永通宝です。
「寛永通宝」の文字が真ん中に小さく、きれいに収まっているため、他のものと比べてやや控えめな印象を受けます。
比較的多く鋳造されて流通したと記録されており、現在でも多く残っています。そのため、希少価値はそれほど高くありません。買取相場は数百円程度が一般的です。
【新寛永】有名な寛永通宝の種類と価値

寛永通宝(新寛永)も鋳造年ごとに紹介します。
- 1668年(寛文8年)鋳造
- 1714年(正徳4年)鋳造
- 1717年(享保2年)鋳造
- 1728年(享保13年)鋳造
- 1737年(元文2年)鋳造
- 1741年(寛保元年)鋳造
- 1768年(明和5年)鋳造
それぞれ見てみましょう。
※以下の金額は2026年7月時点の買取市場での相場であり『買取大吉』の買取価格を保証するものではありません。
1668年(寛文8年)鋳造
1668年頃に鋳造されたのは「島屋文(しまやぶん)」と呼ばれる種類です。島屋文は「通」の文字の上部が「ユ」の形に見えるのが最大の特徴です。
この珍しい書体は「島屋」と呼ばれており、文字全体が丸みを帯び、彫りが深くなっています。
裏面に「文」と刻印があるものと刻印がないもの(島屋文無背)の2種類が存在します。刻印がある種類は流通量が少ないため、希少価値が高いのも特徴です。
裏に「文」があるものは20万円前後、裏が無地の島屋文無背は5,000円前後からと、背文字の有無で価値が40倍近く変わります。手元の島屋文は、必ず裏面を確認してください。
1714年(正徳4年)鋳造
1714年には「日光御用銭」が鋳造されました。徳川将軍家が日光東照宮に参拝する際に使われたお金、との説が有力とされています。
「寳」の文字の内部にある「尓」の部分にハネがない点や全体的に大ぶりな点が特徴です。
製造数が少ないため希少価値が極めて高く、状態が良ければ20万~25万円の値がつくこともあります。寛永通宝の中では最高峰の評価を受ける種類のひとつです。
1717年(享保2年)鋳造
1717年鋳造の有名な寛永通宝は「背広佐(せびろさ)」です。
裏面に「佐」の文字が刻まれているのが最大の特徴です。「佐」の文字は、佐渡銭と呼ばれる別の貨幣よりも大きく、はっきりとしています。
大量に製造されたため、通用銭は数百~1,000円程度とあまり高くありません。しかし、母銭は非常に希少で、数十万円の価値がつくことがあります。
1728年(享保13年)鋳造
1728年に鋳造されたものは「石ノ巻銭」であり、裏面に刻まれた文字の有無で価値が大きく変わる寛永通宝です。
裏面に「仙」の文字がはっきりと刻まれている「重揮通背仙(じゅうきつうはいせん)」と、何も刻まれていない「重揮通無背(じゅうきつうむはい)」の2種類があります。
重揮通背仙は数の少なさから希少価値が高く、数千円~1万円程度で取引されることも珍しくありません。爪千と呼ばれる書体の母銭であれば2,000円前後からの評価となります。
一方の重揮通無背は製造数が比較的多く、買取相場は数百円程度です。違いを見分けるのは難しいため、専門家による鑑定をおすすめします。
1737年(元文2年)鋳造
1737年に作られたのは「小梅銭」です。裏面に「小」の文字がはっきりと刻まれているのが特徴であり、製造地の小梅村を意味します。
他の種類よりも重量が少なく、中央の穴が小さいことから「狭穿(きょうせん)」とも呼ばれます。文字の書体には多くの種類があるため、見た目が少しずつ違うものが見つかるかもしれません。
流通量が多かったため、買取相場は数百円~数千円程度と他の希少種と比較して高くありません。
1741年(寛保元年)鋳造
1741年に鋳造された有名な貨幣は「下野国足尾銭(しもつけのくにあしおせん)」です。
下野国足尾銭は「足字銭(あしじせん)」という別名を持っており、鋳造した場所を意味する「足」の文字が刻まれていることに由来しています。
当時経営が悪化していた足尾銅山を助けるために発行された経緯があり、流通量が多くサイズがばらばらなのが特徴です。
希少性は高くなく、買取相場は数百円程度となっています。
1768年(明和5年)鋳造
1768年(明和5年)に江戸深川で鋳造が始まったのが、額面4文の「四文銭」です。
それまでの一文銭より一回り大きく、直径28mm前後・真鍮製である点が特徴となります。裏面には波のような模様が刻まれており、「波銭(なみせん)」とも呼ばれます。
発行初年の1768年は波が21本でしたが、鋳造が難しかったため翌1769年からは11本に簡略化されました。この波の数が、四文銭の価値を左右する最大の判断材料です。
21波のうち「長尾寛」と呼ばれる書体は、通用銭でも1万8,000円~2万8,000円と高額です。11波の「太ノ」は2,500円~6,000円程度で、母銭になるとどちらも10万円を超える水準となります。
裏面(背文字)で見分ける寛永通宝の価値

寛永通宝の価値を判断するときは、表面の書体だけでなく裏面の刻印を必ず確認してください。裏に文字があるかどうかだけで、価値が数十倍変わる種類も存在します。
裏面の状態は、大きく以下の4パターンに分かれます。
- 「文」の刻印がある(文銭)
- 地名を示す文字の刻印がある(背佐・背仙・背小など)
- 波の模様がある(四文銭)
- 何も刻印がない(無背)
裏に「文」がある文銭
裏面に「文」の刻印がある寛永通宝は「文銭(ぶんせん)」と呼ばれ、同じ書体の無背より高く評価される傾向があります。
1668年(寛文8年)以降に江戸の亀戸で鋳造されたもので、寛文の「文」を示しています。最も価値が高いのが島屋文で、背に「文」があるものは20万円前後の水準です。
ただし文銭のすべてが高額なわけではありません。細字背文の通用銭は10円程度から、正字背文は100円前後からと、書体によって評価は大きく異なります。細字背文でも母銭であれば1万5,000円前後からの取引が確認されています。
裏に地名を示す文字がある背文字銭
裏面に「佐」「仙」「小」「元」などの1文字が刻まれているものは、鋳造地や時期を示す背文字銭です。
それぞれの意味を整理しました。
| 背文字 |
意味 |
通用銭の買取相場 |
| 文 |
寛文年間の鋳造 |
10円~20万円(書体による) |
| 佐 |
佐渡での鋳造 |
数百~1,000円 |
| 仙 |
仙台(石巻)での鋳造 |
数千~1万円 |
| 小 |
江戸・小梅村での鋳造 |
数百~数千円 |
| 元 |
元文年間の鋳造 |
数百円 |
※2026年7月時点で買取市場に見られる取引水準をもとにした目安です。同じ背文字でも書体・状態・母銭かどうかで金額は大きく変わります。
背文字があること自体が価値を保証するわけではなく、あくまで書体との組み合わせで評価が決まる点は押さえておきましょう。
裏に波がある四文銭は波の数を数える
裏面に波の模様がある寛永通宝は額面4文の四文銭で、波の本数が21本か11本かで価値が大きく分かれます。
21波は1768年(明和5年)の発行初年のみ鋳造され、翌1769年からは11波に簡略化されました。鋳造期間が1年しかない21波のほうが、当然ながら残存数は少なくなります。
種類別の相場は以下のとおりです。
| 種類 |
波の数 |
通用銭 |
母銭 |
| 長尾寛 |
21波 |
1万8,000~2万8,000円 |
20万~40万円 |
| 短尾寛 |
21波 |
300~500円 |
13万~25万円 |
| 太ノ |
11波 |
2,500~6,000円 |
10万~15万円 |
| 潤字背ト |
11波 |
1,500~3,500円 |
30万~50万円 |
※日本古銭専門サイトの四文銭の価格情報をもとに、2026年7月時点で確認できた買取市場の取引水準を整理したものです。
同じ21波でも、長尾寛と短尾寛では通用銭の相場が50倍以上違います。「寛」の13画目が長く伸びているかどうかが判別のポイントになるため、迷った場合は鑑定を依頼しましょう。
裏に何もない無背
裏面に何も刻印がないものは「無背(むはい)」と呼ばれ、寛永通宝としては最も一般的なタイプです。
古寛永の芝銭・浅草銭・坂本銭などは基本的に無背であり、買取相場は数十円~数百円が中心となります。裏が無地だから価値がない、という単純な話ではありませんが、高額になる可能性は低いのが実情です。
例外は二水永と母銭です。二水永は無背でも1,000円~5万円程度、母銭であれば種類を問わず1万円以上になることもあるため、裏が無地でも表面の書体と作りの丁寧さは確認しておきましょう。
母銭と通用銭の見分け方|同じ種類でも価値が変わる

母銭は貨幣を量産するための原型で、通用銭と同じ種類でも10倍から1,000倍以上の価格差がつく最重要ポイントです。
たとえば細字背文は通用銭が10円程度からであるのに対し、母銭は1万5,000円前後から。会津細ノにいたっては通用銭100円前後に対し、母銭は4万8,000円前後という価格差が公開されています。
【母銭とは】
貨幣を大量に鋳造するための鋳型を作る際に、原型として使われた見本の銭です。通用銭(子銭)はこの母銭から作られた砂型で鋳造されるため、母銭のほうが一回り大きく、彫りも深く仕上がっています。
母銭を見分ける3つのポイント
母銭かどうかは「大きさ」「彫りの深さ」「穴の内側の仕上げ」の3点で判断します。
母銭は鋳造の原型として使われるため、通用銭より一回り大きく作られています。文字の輪郭がくっきりと立ち、線と線の間の谷が深いのも特徴です。
最も分かりやすいのが中央の四角い穴で、母銭は穴の内側にヤスリがけの跡が残っています。通用銭は鋳造したままの粗い面であることが多いため、指先でなぞると質感の違いを感じ取れるでしょう。
実測値としては、一文銭の母銭で直径22~26mm・重量2.4~3.8g程度、四文銭の母銭で直径28mm前後・重量6~7g程度という計測データが公開されています。手元にデジタルスケールとノギスがあれば、目安として測ってみてください。
母銭と通用銭の買取価格の差
母銭は同じ銭種の通用銭に比べて、数十倍から数百倍の金額で取引されることがあります。
代表的な種類の価格差は以下のとおりです。
| 種類 |
通用銭 |
母銭 |
| 細字背文 |
10円~ |
1万5,000円~ |
| 明和正字 |
20円~ |
2万5,000円~ |
| 会津細ノ |
100円~ |
4万8,000円~ |
| 和歌山虎ノ尾寛 |
500円~ |
4万円~ |
| 四文銭 潤字背ト |
1,500~3,500円 |
30万~50万円 |
※2026年7月時点で買取市場に見られる取引水準をもとにした目安です。金額は状態・書体によって変動し、買取価格を保証するものではありません。
母銭は数が極端に少なく、専門家でも判別に慎重を要します。「彫りが深くて状態が良すぎるから偽物かもしれない」と自己判断で処分してしまうと、大きな損失につながりかねません。判断に迷う1枚こそ、査定に出すことをおすすめします。
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当時の寛永通宝の価値

寛永通宝は、江戸時代に最も小さな単位の通貨として使われていました。
「一文銭」と「四文銭」の2つの種類が存在し、一文銭は現代の価値にすると約37.5円、四文銭は一文銭の4倍の価値にあたる約150円に相当します。
少額の買い物をする際に頻繁に使われていた貨幣であり、現代の私たちにとっての小銭のような存在でした。かけそば1杯が16文、銭湯が6~8文といった水準で、一文銭を数枚握って買い物に出るのが日常だったのです。
興味深いのは、当時1文だった一文銭が、現在は種類によって数十円から数十万円まで評価が分かれている点でしょう。額面ではなく希少性で価格が決まるのが、古銭市場の考え方です。
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偽物の寛永通宝の見分け方

種類によってはプレミア価格で取引される寛永通宝は偽物やレプリカが流通しており、被害にあう人が後を絶ちません。
本章では、偽物の寛永通宝を見分ける以下のポイントについて解説します。
ひとつずつ解説します。
「寶」の字
寛永通宝が本物かどうかを見分けるときは「寶」の文字に注目してみましょう。古寛永と新寛永で「寶」の「貝」の書き方が以下のように違うのです。
- 古寛永は「貝」の下部分が「ス」のような形になっている
- 新寛永は「貝」の下部分が「ハ」のような形になっている
古寛永にもかかわらず、貝の下部分が「ハ」の字になっていたら偽物の可能性が高いでしょう。
文字の書体・配置
寛永通宝が本物かどうかを見分けるためには、文字の書体や配置をよく確認することが重要です。偽物は文字が雑に彫られていたり、線の太さが不自然だったりすることがあります。
とくに「永」の文字の線が細かったり曲がっていたりしないか本物の画像と見比べてみましょう。
また、文字のバランスが崩れていたり、細部が違っていたりする偽物も多く見られます。一見同じように見えても、よく観察すると不自然な点が見つかるかもしれません。
材質
寛永通宝が本物かどうかを見分けるためには、材質を確かめましょう。本物の寛永通宝は主に銅が、そのほかにも鉄・真鍮などさまざまな金属で作られています。
一方、偽物は安価な真鍮やアルミなどで作られている場合があります。本物と比べて不自然に薄い・軽い・音が違うなど、違和感がないか確認してみましょう。
保存状態
寛永通宝が本物かどうかを見分けるには、保存状態も重要です。
本物の寛永通宝は、何百年もの時を経ているため、表面に緑色のサビ(緑青)があったり、全体的に傷や汚れがあったりします。
縁の部分がくっきりしており、滑らかで光沢がある点も特徴です。一方、偽物は新品のようにきれいすぎたり、不自然な傷や汚れがあったりするものが多く見られます。
表面が異様にざらざらしていたり、縁の部分が不明瞭な場合は、偽物の可能性を疑ってみましょう。
ただし「作りが良すぎるから偽物」と決めつけるのは危険です。母銭は本物であっても彫りが深く仕上げが丁寧なため、偽物と誤認されやすい傾向にあります。また、乾隆通宝などの中国銭が混ざっているケースもあり、その場合は偽物ではなく別の銭種として価値を持ちます。
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寛永通宝を高く売る4つのコツ

寛永通宝を高く売るには、以下のポイントを押さえましょう。
- 保存状態が悪くなる前に売る
- 複数の買取業者へ査定に出す
- 付属品を揃える
- まとめて売る
ひとつずつ解説します。
保存状態が悪くなる前に売る
寛永通宝は、状態によって価値が異なります。時間が経つにつれてサビが進むため、売却を決めたらできるだけ早く査定に出すことが高価買取の重要なコツです。
現在流通している多くの寛永通宝には汚れ・傷・緑青が見られます。経年劣化は本物かどうかを見分けるポイントとなりますが、製造されたままの美しい状態の方が価値は高くなる傾向です。
そのため、売る予定があるなら、今以上に状態が悪くなる前に買取に出しましょう。保管する場合は、素手で触らない・湿気や直射日光を避ける・専用ケースに入れるなど、適切な保管が必要です。
汚れていても自分で磨いたり洗ったりしないでください。無理に手入れをすると、かえって傷をつけ、価値が下がる可能性があります。
複数の買取業者へ査定に出す
寛永通宝を高く売るために複数の買取業者に査定依頼しましょう。同じ寛永通宝でも、お店によって買取価格が異なることがあるためです。
買取業者によって査定の基準が異なるため、提示される価格に差が出ることは珍しくありません。とくに寛永通宝は200種類以上あり、母銭や希少書体を正しく判別できるかどうかで金額が数十倍変わります。
複数の買取価格を比較すれば、より高い価値をつけられる買取業者を見つけられるでしょう。
付属品を揃える
寛永通宝を売却する際は、鑑定書や箱などの付属品も一緒に査定に出しましょう。鑑定書は古銭が本物であることを証明する重要な書類です。
付属品が揃っていると古銭の信頼性が高まります。付属品がない場合に比べて買取価格が高くなる傾向があるため、付属品は忘れずに査定へ出してください。
まとめて売る
寛永通宝は、単品で売るよりも複数枚をセットにして査定に出せば買取価格が上がる可能性があります。
紐に通されたままの状態や、袋に入ったままの状態でも問題ありません。むしろ自分で仕分けをせずに持ち込んだほうが、希少な1枚を見落とすリスクを避けられます。
寛永通宝以外でも構いません。ほかの古銭や記念硬貨、古紙幣などがある場合は一緒に査定に出してみましょう。
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寛永通宝を売るなら買取実績が豊富な『買取大吉』へ

寛永通宝の売却をお考えなら、ぜひ『買取大吉』にお任せください。
『買取大吉』は古銭の豊富な買取実績があり、価値を正しく見極められる専門知識を持った鑑定士が店舗に常駐しています。
一見すると同じように見える寛永通宝でも、表面の書体・裏面の背文字・母銭かどうかで価値は大きく異なります。とくに母銭や背文のある島屋文は、判別できるかどうかで金額が数十倍変わる種類です。
『買取大吉』では、大切な古銭を一つひとつ丁寧に拝見し、適正価格で買取します。査定は無料のため、まずは『買取大吉』で無料査定をしてみてはいかがでしょうか。
『買取大吉』の買取方法

『買取大吉』では、以下の買取方法を用意しています。ご都合の良い方法をお選びいただけます。
| 買取方法 |
特徴 |
| 店頭買取 |
お近くの店舗で査定を受ける方法 予約不要でその場で現金をお支払い すぐに現金が欲しい方におすすめ |
| 出張買取 |
ご自宅で査定を受ける方法 その場で現金をお支払い 大量の商品を売りたい方におすすめ |
| 宅配買取 |
宅配便で商品を送って査定を受ける方法 全国どこからでも利用可能 近くに店舗がない方におすすめ |
いずれの方法も査定は無料、出張料・宅配料もかからないため、ぜひお気軽にご利用ください。店頭買取は予約不要のため、お近くの店舗へ気軽にご来店ください。
【Q&A】寛永通宝の価値に関するよくある質問

寛永通宝の価値について、よく寄せられる質問にお答えします。
Q.寛永通宝でレアなものはどれですか?
日光御用銭・島屋文(背に「文」があるもの)・四文銭の21波長尾寛、そして各種類の母銭がレアな寛永通宝です。
いずれも10万円以上で取引されることがあります。次いで二水永・松本銭・天狗寛永が1万円~数万円のレンジに入ります。
逆に、芝銭・浅草銭・坂本銭など初期の古寛永は流通量が多く、数十円~数百円が中心です。
Q.寛永通宝の裏に何もないものは価値がありますか?
裏が無地の「無背」は最も一般的なタイプのため、多くは数十円~数百円にとどまります。
ただし、無背でも例外はあります。二水永は無背ですが1,000円~5万円程度、島屋文無背も5,000円前後からの評価です。
また母銭であれば、無背であっても1万円以上になることがあります。裏が無地でも、表面の書体と作りの丁寧さは必ず確認しましょう。
Q.寛永通宝の正字文の価値はいくらですか?
正字文(正字背文)の通用銭は、100円前後からが目安です。
正字文は裏に「文」の刻印がある文銭のうち、標準的な書体のものを指します。文銭の中では鋳造数が多い部類のため、背文があっても高額にはなりにくい種類です。
一方、同じ文銭でも島屋文であれば20万円前後になるため、書体の違いが金額を大きく左右します。
Q.寛永通宝の価値の見分け方を教えてください
「表面の書体」「裏面の背文字と波の数」「母銭かどうか」の3点を順に確認するのが基本です。
まず裏面を見て、文字や波があるかを確認します。次に表面の「永」「寳」「通」の形から種類を絞り込みます。
最後に、通用銭より一回り大きく彫りが深い、穴の内側にヤスリ跡があるといった母銭の特徴に当てはまらないかを確認してください。
Q.寛永通宝が大量に出てきた場合はどうすればよいですか?
自分で仕分けをせず、袋や紐に通したままの状態でまとめて査定に出すのがおすすめです。
寛永通宝は200種類以上あり、希少な1枚が一般的な通用銭に紛れているケースが少なくありません。素人判断で分けてしまうと、価値のあるものを見落とすおそれも否めません。
『買取大吉』では、まとまった枚数でも一枚ずつ確認したうえで査定を行います。持ち運びが難しい量であれば、出張買取もご利用いただけます。
Q.寛永通宝は今でもお金として使えますか?
いいえ、寛永通宝は現在の通貨としては使用できません。
明治以降も銅一文銭は1厘、真鍮四文銭は2厘として法的に通用していましたが、1953年(昭和28年)末の小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律の施行により、円未満の通貨はすべて通用停止となりました。
そのため現在の寛永通宝の価値は、額面ではなく古銭としての希少性で決まります。
まとめ:希少な寛永通宝は価値が高い

※記事内で紹介している買取相場などは、買取市場での相場であり、『買取大吉』の買取価格を保証するものではありません。
何百年も前の古銭である寛永通宝は、種類や状態によって価値が大きく変わります。大半の通用銭は1枚あたり数十円~数百円ですが、日光御用銭や背に「文」のある島屋文は20万円前後、四文銭の母銭は数十万円で取引されることもあります。
価値を見分ける手がかりは、表面の書体・裏面の背文字と波の数・母銭かどうかの3点です。とくに母銭は、同じ種類の通用銭と比べて数十倍から数百倍の差がつくため、見落とさないようにしましょう。
『買取大吉』は古銭に精通した鑑定士が在籍しているため、適正価格での買取が可能です。ご自宅にある寛永通宝の価値が気になる方は、ぜひ一度『買取大吉』の無料査定を試してみてください。
どんなお品物でも、どんな状態でも喜んで査定させていただきます。他社様で断られた物もがんばってお買取致します。こちらに載っていないものでもお気軽にお持ちください。