原油価格と金価格の関係は?過去の出来事や価格の動向から売り時を判断
2024年7月30日
「原油価格が上がったら金価格も高くなるの?」
「金を売るならどんなタイミングがいいの?」
このような疑問はありませんか?
原油価格と金価格は日々変動しており、相関の見られた時期がありました。しかし、近年は両者の関連性が薄れつつあります。
本記事では、原油価格と金価格の関係性を過去の動向をもとに解説します。
<この記事でわかること>
- 原油価格と金価格の関係
- 原油価格と金価格の過去の動向
- 金価格に影響するポイント
原油と金の関係を理解して、金を売却する際の参考にしてみてください。
原油価格と金価格の関係性
(参考:新電力ネット「為替考慮の原油価格推移(年次)OPECバスケット」)
(参考:田中貴金属工業「金価格推移」)
原油価格と金価格に厳密な関連性はありませんが、ドル建で取引される共通のポイントがあります。
例えば、他の通貨に比べてドル安が進むと、金・原油ともに割安感が高まるため、「価格が安いうちに投資しておこう」という心理が働き、金・原油の需要が高まります。
その結果、金と原油が同じような価格推移になる場合があるのです。
ドル建であるがゆえの関連性といえますが、金・原油価格は連動しないケースもあります。
上記2つは、2003年〜2023年までの原油価格と金価格の推移を示したグラフです。両者ともに2003年〜2007年までは堅調に価格が上昇していますが、2008年に原油価格は下落しています。一方で、金価格は2008年以降もゆるやかに上昇を続けているのがわかります。
原油価格はドルの値動きだけでなく産油国の情勢や原油の需要によっても変動するため、必ずしも金価格と連動しないことを理解しておきましょう。
原油価格と金価格の関係性に変化を与えた出来事
原油価格と金価格は関係性が薄くなっているとみられており、その要因として特に以下のような出来事が関連しています。
- アメリカのシェールオイル開発
- OPECによる価格調整
- イランの経済制裁解除
- 新型コロナウイルスによる石油需要の減少
それぞれみていきましょう
アメリカのシェールオイル開発
アメリカでのシェールオイルの開発は、世界のエネルギー市場に大きな影響を与えました。
シェールオイルとは、従来の油田よりも深層部にあるシェール層にある原油です。従来はコスト面や技術面から利用が困難とされていましたが、2010年以降、開発がすすみ実用化にいたりました。
シェールオイルの開発により、世界の石油バランスが変化したのです。
こうした背景からアメリカは2017年以降、それまでのトップであるサウジアラビアを抜き世界の産油国トップとなり、2024年時点もトップの座に君臨しています。
OPECによる価格調整
OPEC(石油輸出国機構)はアメリカのシェールオイルに対抗し、シェアを確保するため2015年に原油を増産しました。増産によって市場への供給量を上げ、原油価格を引き下げたのです。
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2014年
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2015年
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原油価格
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63.59円/リットル
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37.72円/リットル
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金価格
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4,340円/g
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4,564円/g
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2014年と2015年にかけて原油価格は下落しましたが、金価格は上昇しており、両者が連動しないことがわかります。
イランの経済制裁解除
2016年にイランの経済制裁が解除され、原油の生産が再開されました。
イランが原油市場に参加したことで供給が拡大し、原油市場の価格変動を招いています。
イランは原油の生産・輸出を増やしており、輸出量の9割が中国向けとされています。
供給量によっては、原油価格の下落がすすむ可能性があるでしょう。
新型コロナウイルスによる石油需要の減少
新型コロナウイルスの流行により2020年には石油の需要が減少し、原油価格が下落しました。
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2019年
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2020年
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2021年
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原油価格
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43.92円/リットル
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27.8円/リットル
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48.28円/リットル
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金価格
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4,918円/g
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6,122円/g
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6,402円/g
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2021年には石油の需要が回復し、現在はほとんど影響がみられていません。
金価格は新型コロナウイルスの流行時に高騰しており、さらに上昇を続けています。
過去10年の価格変化から原油と金の関係性をチェック
(参考:新電力ネット「為替考慮の原油価格推移(年次)OPECバスケット」)
(参考:田中貴金属工業「金価格推移」)
上記は過去10年間の原油価格と金価格の推移を、それぞれグラフにしたものです。
過去10年で原油価格は、2015年と2020年の2回下落しています。
原油価格は2015年にアメリカのシェールオイル開発により、供給過剰となり下落しました。
2020年には新型コロナウイルスの流行により経済が停滞。石油需要の低下に伴い、原油価格が下落しました。
一方、金価格は2014年〜2019年まではほぼ横ばいで推移しましたが、新型コロナウイルスの流行と重なる2020年に価格が高騰。その後は堅調に価格が上昇しています。
「有事の金」とよばれるだけあって、世界情勢が不安定なときほど金の価値は上がる傾向です。
なお、金価格の推移については以下の記事も参考になります。
原油価格以外に金価格が影響を受けるポイント
原油価格以外にも、さまざまなポイントが金価格に影響します。以下に3つ紹介します。
それぞれ見ていきましょう。
円安
日本で金を売買する場合、円安が金価格に影響します。前述のとおり、金はドル建で取引されるため、円安で相対的にドルの価値が上がれば、同じ量の金に多くの円が必要になります。
例えば、金価格が1g50ドルの場合で考えてみましょう。以下の計算をご覧ください。
- 1ドル100円の場合:100円×50g=5,000円
- 1ドル150円の場合:150円×50g=7,500円
金価格に変動がなくても、1ドル100円から150円に円安がすすむことで、日本円での取引が高くなります。
金の取引では為替動向もチェックする必要があるのです。
インフレ
インフレも、金価格に影響する要因のひとつです。インフレが進行すると、物やサービスの値段が上がり、実質的な通貨の価値が下がります。
通貨の価値が下がると、現物資産である金を求める方が増えるため、金価格が上昇する可能性が高まります。
この状況下で、投資家は資産の価値を保護するために金を購入する傾向となるのです。金はインフレに対するヘッジ手段として広く認識されており、インフレ率が上昇する時期には金価格も上昇することがあります。
世界情勢
金価格は世界情勢の変化によっても影響を受けます。例えば、戦争やテロ・感染症の流行などは、投資家に不確実性を感じさせ、安全資産としての金の需要を高めます。
金は世界中で取引されているため、世界情勢を見極める視点も重要になるでしょう。
原油価格から金価格を予測するのは難しい
原油と金はいずれもドル建のため、価格が連動する場合もあります。しかし、現在は原油価格と金価格の相関は薄れているため、原油価格のみを見て金を予測するのは難しいでしょう。
金価格は原油価格以外にも、さまざまな要因で日々変動しています。売り時を逃さないためには、金価格の変化を確認しておくとよいでしょう。
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本記事では原油価格と金価格の関係や、過去の価格推移を解説しました。原油と金はいずれもドル建という共通点があるものの、両者の価格は連動しないケースがあります。
金価格は円安やインフレ、世界情勢などの影響を受けて日々変動しています。近年、金の価格は上昇傾向で、『買取大吉』の2024年7月時点の買取相場は1g13,379円で過去最高水準です。
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