「金の比重を知りたい」
「簡単に測定する方法はある?」
このような疑問はありませんか?
金の比重から純度がわかれば、所有する金の価値が把握でき、適正な価格で売却しやすくなります。
とはいえ、具体的な比重測定の方法がわからない方も多いでしょう。
本記事では、自宅でできる比重測定の方法や純度別の買取相場を紹介します。
<この記事でわかること>
- 金の比重でわかること
- 比重と純度
- 純度別の買取相場
金製品を売りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
金の比重とは

比重とは「ある物質の密度と、それと同体積をもつ標準物質の密度との比」を意味する用語です。一般的に標準物質には水が使われるため、金の比重は「金の密度:水の密度」となります。
ちなみに密度は、単位体積あたりの質量を表す用語であり、1cm3あたりの物質がどれほどの重さを持っているかを意味します。
純金の比重と密度は以下の通りです。
比重は金と水の比で表すため単位はなく、密度は純金を1cm3の立方体とした場合、重さは19.32gということを意味しています。
金の比重を調べてわかること

金の比重からさまざまな情報を得られますが、特に重要度の高いポイントは以下の2つです。
それぞれ解説します。
刻印がなくても純度がわかる
金製品には「K24」や「999」など、純度を示す刻印が施される場合が多いものですが、刻印のないものもあります。刻印があっても「小さすぎて読み取れない」「傷や汚れで判別できない」という状況もあるでしょう。
比重を調べれば純度がわかるため、刻印がない金製品の価値を把握できます。
調べる方法は、後半に記載してありますので参考にしてみてください。
偽造を見抜ける
金には他の金属にメッキを施しただけの偽物も存在します。比重を調べることは、偽造を見抜くためにも役立ちます。
純金の比重は19.32とされており、この基準を利用することで本物・偽物の判定ができるのです。純金の刻印があるのに19.32とは異なる数値になれば、偽物の可能性が高くなります。
例えば、鉛や銅を混ぜた合金は純金よりも比重が軽くなりますし、プラチナや銀を混ぜた合金は重くなります。
比重の測定は偽造を見抜く有効な手段です。
【金の比重一覧】純度別の買取相場

金の比重は純度によって異なります。まずは、以下の一覧表でご確認ください。
-
純度別の比重一覧
金の種類 |
純度(24分率) |
比重 |
24金(純金) |
K24 |
19.32 |
22金 |
K22 |
17.45~18.24 |
18金 |
K18 |
16.03~17.11 |
14金 |
K14 |
12.91~14.44 |
10金 |
K10 |
11.42~13.09 |
純度別の買取相場は以下の通りです。
- 24金の買取相場
- 22金の買取相場
- 18金の買取相場
それぞれの買取相場を解説します。なお、買取相場は金相場や商品の状態によって変わるため、あくまでも参考程度とお考えください。
24金の買取相場
24金は純度99.9%以上で、インゴットや地金型金貨・喜平ネックレスなどの製品に加工されます。
24金はやわらかく傷つきやすいため、ジュエリーなどに使用されることは少なく、金投資関連の商品として売買されるのが一般的です。
24金の買取相場は1g約9,600円(2023年7月12日時点)のため、100gのインゴットなら96万円程度が目安となります。
※買取相場は毎日変動しているため、ご注意ください。
参考:田中貴金属工業「地金価格 金 店頭買取価格」
22金の買取相場
一般的なインゴットは24金製が多いですが、一部の金製品には22金も使われます。
アメリカのイーグル金貨や南アフリカのクルーガーランド金貨などの地金型金貨や、中国製のシナ金の一つである千金足(せんそくきん)も22金相当です。
22金の純度は91.7%のため、現在の金相場で想定される買取相場は1gあたり約8,800円(2023年7月12日時点)となります。
例えば、30gの金貨なら買取相場は約26万円です。
※買取相場は毎日変動しているため、ご注意ください。
18金の買取相場
18金は指輪やネックレスなどさまざまなジュエリーに加工され流通しています。「K18」の刻印がある指輪をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
18金の純度は75%のため、買取相場は約7,200円(2023年7月12日時点)です。
5gの指輪なら約3万6,000円、20gのネックレスなら約14万5,000円が相場となります。
※買取相場は毎日変動しているため、ご注意ください。
18金はダイヤモンドやルビーなどの宝石やデザイン性が高いハイブランド商品もあるため、金相場以上の査定額がつく場合もあります。
【自宅でできる】金の比重を調べる方法

比重を調べるには、重量計と容器が一体となった電子比重計で可能ですが、10万円以上する高額商品のためご家庭で用意するのは難しいでしょう。
詳細な検査は専門家にまかせるとして、ここでは自宅でできる比重の測定方法をお伝えします。
用意するもの
まずは以下のものを用意しましょう。
- 金製品が入るサイズの容器
- 水
- はかり
- 糸(釣り糸など)
金製品が入る容器は、どのような形でもよいですが、金製品を入れるために余裕のある大きさのものにしましょう。
観賞魚用の水槽や虫とりかごなどでも構いません。ホームセンターや100円ショップなどで手に入る手頃な値段のものでよいでしょう。
はかりは料理用のデジタルはかりが使いやすく、ネット通販なら1,000円程度で購入できます。
糸は切れにくい釣り糸などがおすすめです。
調べる手順
つづいて測定の手順を紹介します。以下の4つを順番に行ってみましょう。
- 金製品の重さを量る
- 水を入れた容器をはかりに乗せる
- 糸で吊るした金製品を水の中へ入れる
- 導き出した数字を計算する
1.金製品の重さを量る
まずは比重を調べたい金製品をはかりに乗せて、重さを量ります。最後の計算で使う数値のため、メモに残しておきましょう。
空洞がある金製品や宝石の付いたジュエリーなどは正確な比重測定ができない場合があります。
珊瑚や真珠などは水に弱い性質があるため、水を使った比重測定は避けたほうがよいでしょう。
今回は金製品をはかりに乗せたときに300gと表示されたと仮定して、その先の測定方法を解説します。
2.水を入れた容器をはかりに乗せる
つづいて容器に水を入れた状態で、はかりに乗せます。金製品が容器に接触しないように水の量は余裕をもって、多めにしておきましょう。
水を入れた容器をはかりに乗せたら、目盛を記録しておきます。
今回は500gと表示されたと仮定します。
3.糸で吊るした金製品を水の中へ入れる
糸をくくりつけた金製品を水に入れて吊るします。容器に製品が接触すると正確な数値が量れないため糸の長さを調節しましょう。
金製品を水に沈めると、はかりの目盛が動きますので、数字を記録に残しておきます。
こちらは、はかりの目盛が517gと表示されたと仮定します。
4.導き出した数字を計算する
手順1〜3で出てきた数字をもとに計算します。
計算式は手順1の数字÷(手順3−手順2)です。
式に数値を当てはめて計算すると以下の通りになります。
300÷(517−500)=17.6
先に紹介した比重と純度の一覧表を参照すると、比重17.6は22金と判別できます。
比重を測定するときの注意点

比重の測定方法がわかったところで注意点も解説しておきます。
以下の3つをご確認ください。
- 測定するための道具を揃える手間がある
- 測定対象のサイズに注意する
- 自分で測定する方法は誤差がある
測定するための道具を揃える手間がある
測定に必要な道具はホームセンターなどで手に入るものばかりで、すべて揃えても数千円程度です。
とはいえ、道具を揃える手間や、測定にかける時間などは考えておかなければなりません。
また、道具が正しく使用できるか、計算間違いをする可能性などもあります。手間をかけても比重を確認したいという方だけお試しください。
測定対象のサイズに注意する
対象となる製品のサイズにも注意が必要です。例えば1,000gを超える製品の場合、それが入るだけの容器を準備する必要があります。
釣り糸ではうまく吊るし上げられないため、金網などを別に用意する場合もあります。
サイズの大きい製品の測定を、自力で行うのは難しいかもしれません。
無理に測定を行おうとすると製品を傷つける恐れもあるため、専門業者に依頼するのも手段の一つです。
自分で測定する方法は誤差がある
今回紹介したのは簡易的な方法なので、誤差も出やすくなります。
金製品を水に沈めるときの水が少ない、容器の底に金製品が接触して目盛が変わったなど測定方法によっては、誤差が出ます。
あくまで簡便に比重を測定する方法と割り切って利用するとよいでしょう。
なぜ水で金の純度がわかるのか?アルキメデスの原理を簡単解説
アルキメデスの閃きは、単なる不正を見抜くためのアイデアにとどまらず、物理学の根幹をなす普遍的な法則の発見でした。
なぜ、あふれる水の量で金の純度が分かったのか、その科学的な理由を簡単に見ていきましょう。
【図解】押しのけた水の重さがヒントになる
アルキメデスの発見は、「水中の物体は、その物体が押しのけた水の体積分の浮力を受ける」という法則に基づいています。言い換えれば、物体を水に沈めると、その物体の「体積」と同じ量の水が押し出されるということです。

この原理を使えば、複雑な形をした王冠でも、あふれた水の量を測ることで正確な体積を知ることができます。
「比重」が物質を見分ける指紋になる
物質には、それぞれ固有の「密度(比重)」があります。比重とは、水を1としたときに、その物質がどれだけ重いかを示す値で、まさに「物質の指紋」のようなものです。
金は全金属の中でも特に比重が大きく、その値は約19.3。一方で、銀の比重は約10.5です。
つまり、金は銀よりもずっと密度が高く、ずっしりと重いのです。そのため、「同じ重さ」であれば、金の体積は銀よりもはるかに小さくなります。
アルキメデスが気づいたのは、この点でした。王冠に金より軽い銀が混ぜられていれば、純金の塊と同じ重さでも、体積は必ず大きくなる。
その「体積の違い」が「押しのける水の量の違い」となって現れたため、彼は王冠の純度を見抜くことができたのです。
金の比重を調べたら『買取大吉』の無料査定がおすすめ

本記事では金の比重を調べてわかることや測定方法などを紹介しました。
金の比重を調べると純度が把握でき、偽物を見抜くことも可能です。
比重測定は、簡単に手に入る道具でできますが、純度がわかっても買取価格を判断するのは難しいでしょう。
そこで、比重測定をしたあとは買取専門店での査定がおすすめです。『買取大吉』なら、お手持ちの金製品の価値を経験豊富な査定員が見極めます。
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