「金貨の価格推移が知りたい」
「金貨で投資はできるの?」
このように考えていませんか?
近年、金相場の高騰とともに金貨への関心が高まっています。
なかでも、日本で発行された「天皇陛下御即位記念金貨」と「昭和天皇御在位60年記念金貨」は、純金製の記念硬貨として資産価値を持ち、現物資産としての注目度も上昇中です。
本記事では、それぞれの金貨の特徴や歴史、偽造事件による影響を整理しつつ、過去10年の価格推移をデータに基づいて解説します。
さらに、金相場の今後の見通しや金貨を高く売却するためのポイントも紹介するため、金貨投資を検討している人はぜひ参考にしてみてください。
※本記事は、金の価格動向に関する情報をお届けすることを目的としており、特定の売買や投資を促すものではありません。
<この記事でわかること>
- 国内で発行された10万円金貨の特徴
- 10万円金貨の価格推移
- 日本で発行された主な金貨一覧
日本で発行された10万円金貨は2種類|2025年11月時点

2025年11月現在、日本で発行された10万円金貨は「天皇陛下御即位記念10万円金貨」と「天皇陛下御在位60年記念10万円金貨」の2種類のみです。
記念金貨は通常の硬貨とは異なり、天皇陛下の即位や御在位などの国民的な祝事を記念して発行されます。
金貨の素材は純金(K24)であるため、金相場に連動して資産価値が変動するのが特徴です。
ここでは、2種類の金貨について紹介します。
- 天皇陛下御即位記念10万円金貨
- 昭和天皇御在位60年記念10万円金貨
それぞれ紹介します。
天皇陛下御即位記念10万円金貨
天皇陛下御即位記念10万円金貨は、現上皇陛下である明仁さまが1990年(平成2年)4月10日に天皇に御即位したことを記念して、日本造幣局より発行された記念金貨です。
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素材
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純金(K24)
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サイズ/重量
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33mm / 30g
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デザイン
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表面:鳳凰と瑞雲
裏面:菊花紋章と桐と唐草
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発行枚数
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200万枚
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偽造防止のシリアルナンバーが記されたブリスターパックも採用されました。発行枚数が少ないため、コレクターからも人気があります。
参照:造幣局「天皇陛下御即位記念100,000円金貨幣」
昭和天皇御在位60年記念10万円金貨
昭和天皇御在位60年記念10万円金貨は、昭和天皇の御在位60年を祝って、1986年(昭和61年)と1987年(昭和62年)に発行された記念硬貨です。
日本で初めて発行された記念金貨で、額面が1万円を超える貨幣は史上初のものでした。
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素材
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純金(K24)
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サイズ/重量
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30mm / 20g
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デザイン
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表面:鳩と水
裏面:菊花紋章
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発行枚数
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1,100万枚
昭和61年:1,000万枚
昭和62年:100万枚
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発行後に国際的な大量偽造事件が発覚したという歴史的背景もあります。この事件は、その後の記念硬貨に偽造防止策が施されるきっかけとなりました。
参照:造幣局「天皇陛下御在位60年記念100,000円金貨幣」
日本で起こった10万円金貨偽造事件

1990年1月29日、国内有数の貨幣ディーラーがスイスから輸入した「天皇陛下御在位60年記念 10万円金貨」1,000枚が、東京都内の都市銀行に預けられた際に事件が発覚しました。
点検作業をしていた銀行員が、1枚のパッケージの違和感に気付いたことから始まります。
精査のため日本銀行と警視庁科学捜査研究所が鑑定を行った結果、預けられていたすべての金貨が偽物であることが明らかになりました。
その後の調査で、2年前から偽造金貨が国内に流通していたことが発覚します。
最終的に確認された偽造品は、10万7,946枚。そのうち約8万5,647枚が日本銀行に戻っていたことがわかりました。
記念金貨は1枚あたりの額面が10万円と高額であったため、被害総額は実に約107億9,460万円にのぼります。
この事件をきっかけに、ホログラム入りのブリスターパックの導入や個別の通し番号を印字するなど、偽造防止ための技術的な措置が施されるようになりました。
10万円金貨の価格推移|過去10年のグラフ

日本の記念硬貨のなかでも最高額面である10万円金貨の価格は、金相場の変動に連動しています。
以下の価格推移を10年前から見ていきましょう。
- 天皇陛下御即位記念10万円金貨の価格推移
- 昭和天皇御在位60年記念10万円金貨の価格推移
それぞれ解説します。
※金の価値は日々変動するため、計算した金額は価値を保証するものではありません。
天皇陛下御即位記念10万円金貨の価格推移

参照:田中貴金属「金価格推移」
2015年時点では、金1gあたり4,564円で推移していました。金貨の重さは30gのため、136,920円となります。
10年後の2024年では、金1gあたり12,615円に高騰し、金貨の価値は378,450円に達しました。
2025年11月14日時点では、金1gあたり22,796円に達しており、金貨の価値は、663,030円となります。
昭和天皇御在位60年記念10万円金貨の価格推移

参照:田中貴金属「金価格推移」
2015年時点では、金1gあたり4,564円でした。金貨の重さは20gのため、91,280円となります。
金相場が低い時期には地金としての価値が10万円を下回りましたが、現在では金の高騰により額面割れの心配はありません。
2024年時点では、金1gあたり12,615円に高騰し、金貨の価値は252,300円に達しました。
2025年11月14日時点では、金1gあたり22,101円に達しており、金貨の価値は、442,020円となります。
金貨の価値を算出する方法

銀行に10万円金貨を持ち込んだ場合、額面通りの10万円としてしか扱ってもらえません。
しかし、買取専門業者に依頼すれば、金としての価値やその他の要素を総合的に評価してもらえます。
ここでは、査定時にチェックされるポイントを詳しく見ていきましょう。
まず注目されるのが、金製品としての価値です。
10万円金貨は純金製であるため、金の相場に基づいて評価されます。金の価格は買取業者によって大きく異なることはなく、基本的には相場に沿って決まるのが一般的です。
次に、コレクター需要が評価されます。記念金貨の発行枚数が多い場合、収集価値という面では高く評価されにくい傾向です。
しかし近年では、金そのものの価値が高いため、十分に高値での買取が期待できます。
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【大胆予想】今後の金価格はどうなる?

近年の金相場は記録的な高騰を続けており、歴史的な高推移を維持し続けている状況です。
今後も金価格が堅調に推移する可能性が高いという見通しが、専門家によって示唆されています。
金価格が高騰している背景には、「安全資産」としての金の需要が高まっていることがあります。
この需要を押し上げている具体的な要因は以下の通りです。
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要因
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内容
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金価格への影響
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世界的な経済の不安定性
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世界経済の不透明感やインフレの進行により、通貨の価値が下落傾向にあり、資産の安全な避難先として金が選ばれている。
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需要の増加により価格が高騰
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地政学的リスクの高まり
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ロシアによるウクライナ侵攻や中東の緊張など、国際情勢の不安定さが「有事の金」としての信頼性を高め、金への投資が活発化。
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有事の際の安全資産として価格上昇
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実質金利の低下・円安
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実質金利が低いと金の魅力が相対的に高まる。さらに円安が進むことで、円建ての金価格が押し上げられる。
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国内金価格の上昇を促進
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金相場は長期的に見ると上昇し続ける傾向があり、長期で金貨を保有し続けるのであれば、さらなる利益を見込める可能性が高い傾向です。
しかし、金相場は国際相場や社会情勢に影響を受け、短期的には上昇と下落を繰り返し変動しています。
そのため、短期の保有を考えている場合は、下落するタイミングに注意が必要です。
日本で発行された主な金貨一覧

日本では、10万円金貨以外にもさまざまな金貨が発行されています。
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金貨名
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発行年
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額面
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重量
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備考
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皇太子殿下御成婚記念金貨
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1993年
(平成5年)
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5万円
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18g
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皇太子殿下のご結婚を祝して作られた記念金貨。
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天皇陛下御在位30年記念金貨
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2018年
(平成30年)
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1万円
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20g
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明仁上皇の天皇御在位30年を記念して発行された金貨。
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天皇陛下御即位記念金貨
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2019年
(令和元年)
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1万円
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20g
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明仁上皇が天皇を御退位され、皇太子徳仁さまが第126代天皇として御即位されたことを記念して作られた金貨。
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天皇陛下御在位10年記念金貨
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1999年
(平成11年)
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1万円
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20g
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明仁上皇の御即位から10周年を記念して作られた金貨。
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天皇陛下御在位20年記念金貨
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2009年
(平成21年)
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1万円
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20g
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明仁上皇が天皇に即位され20年を迎えたことを記念して作られた金貨。
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東日本大震災復興記念金貨
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2012年
(平成24年)
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1万円
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15.6g
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東日本大震災からの復興支援を目的に、多くの国民から広く資金を募るために作られた金貨。
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東京2020オリンピック記念金貨
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2017〜2020年
(平成29年〜令和2年)
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1万円
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15.6g
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東京2020オリンピック・パラリンピックの開催を記念して発行された金貨。
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2025年日本国際博覧会記念一万円金貨幣
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2025年
(令和7年)
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1万円
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15.6g
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2025年(令和7年)開催の日本国際博覧会(大阪・関西万博)を記念して発行された金貨。
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記念金貨が実物資産として注目される理由

株や債券といった金融商品は、世界的な経済不安・政治リスク・予期せぬパンデミックなどにより、大きく価値が変動することがあります。
そのなかで、実物として価値を持つ金貨などの現物資産は、金融システムから独立した存在であり、リスクを分散させる手段として評価されています。
金は、国や通貨の信用に依存せず、普遍的な価値を持つ資産です。
現代ではインターネットを通じて金地金や金貨の購入が簡単にできるようになり、個人投資家にとっても金へのアクセスが容易になりました。
このような環境の変化も、現物資産への投資が広がっている一因といえるでしょう。
10万円金貨を高く売る3つの方法

10万円金貨を少しでも高く売却するには、以下の方法を試してみてください。
- 付属品を揃える
- 綺麗な状態にする
- 複数の業者で相見積もりを出す
ひとつずつ解説します。
付属品を揃える
金貨を少しでも高値で売却したい場合、購入時に付いていた付属品をできる限り揃えることが重要です。
10万円金貨は、記念貨幣としてコレクター需要が高いアイテムでもあるため、付属品の有無が査定価格に影響することがあります。
付属品には、専用のケース・箱・保証書・鑑定書などがあり、これらが揃っているとコレクター需要が高まり、買取価格の上昇につながりやすいのです。
他の金貨とセットで販売されていた場合は、セット全体を揃えることで査定時に高評価が得られるでしょう。
セット品をまとめて査定に出すと、単体で売るよりも高い評価が期待できます。
綺麗な状態にする
金貨の表面やケースなどにホコリが付いている場合は、やさしく拭き取っておきましょう。
無理にこすらず、軽く払う程度で十分です。見た目がきれいになるだけでも査定の印象が良くなることがあります。
また、金貨を磨くのは避けましょう。記念金貨の素材は純度の高い金が使用されているため、傷や破損につながる可能性があります。
保管方法としては、購入時のケースに入れたままにしておくのが理想ですが、見当たらない場合は密閉できる容器などで保護しておくと良いでしょう。
複数の業者で相見積もりを出す
売却の際は、ひとつの業者に絞らず、複数の買取店に査定を依頼して比較するのがおすすめです。
買取価格は業者によって少しずつ違うことがあるため、複数の見積もりを取っておくことで、より高値で買い取ってくれるところを見つけられます。
手間はかかりますが、納得のいく価格で売却するためには比較が大切です。
【要注意】天皇陛下御在位60年金貨は売れない場合がある

天皇陛下御在位60年金貨は、額面を大きく超える価格で取引されていますが、注意すべき点があります。
天皇陛下御在位60年金貨の発行後に発生した、国際的な大量偽造事件が関係しています。
本物とほとんど見分けがつかないほど精巧に作られた偽造金貨は、金融機関や業者でさえも見抜けなかったケースが多発しました。
そのため、数多くの偽造金貨が国内に出回ってしまったのです。
現在でも買取店の多くは、御在位60年記念金貨の売買に対して慎重な姿勢を示しています。
売却を検討している場合は、事前に査定可能か問い合わせておくと良いでしょう。
金貨の買取は『買取大吉』におまかせ

『買取大吉』は、これまでに多くの金貨を買取してきました。
今回紹介した国産の金貨はもちろん、海外で流通している金貨も取り扱っています。
近年では、金価格の高騰による需要の高まりから、中古市場の価値が上昇中です。
豊富な知識と経験を持つ鑑定士が、正確な市場価値を見極めて、お客様の時計を高価買取します。
査定はすべて無料で、店頭買取はもちろん、出張買取や宅配買取でも買取可能です。
専門知識を持った鑑定士が、需要や相場を正確に見極め、適正価格を提示します。
ぜひ気軽に近くの店舗をご利用ください。
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まとめ:10万円金貨の価格推移と資産価値のポイント

10万円金貨は、日本で限られた記念行事の際にのみ発行される純金製の高額貨幣です。
発行されたのは「天皇陛下御即位記念金貨」と「昭和天皇御在位60年記念金貨」の2種類で、それぞれに歴史的価値と異なる市場評価があります。
金相場の上昇により、額面を大きく超える価格で取引されているのが現状です。
しかし、昭和天皇御在位金貨は、過去の偽造事件の影響で取り扱いに慎重な業者もあるため、売却前に査定が可能か事前に確認しておくと良いでしょう。
売却の際は、ぜひ『買取大吉』の無料査定をお試しください。
どんなお品物でも、どんな状態でも喜んで査定させていただきます。他社様で断られた物もがんばってお買取致します。こちらに載っていないものでもお気軽にお持ちください。