2026年9月18日時点の金価格は、1gあたり24,796円(税込)。税抜では22,542円で、10年前の2016年(年平均4,396円/税抜)と比べて約5.1倍に上昇し、過去最高値を更新し続けています。
「今が売り時なのか」「この高値はいつまで続くのか」を判断するには、目先の相場だけでなく、金価格がどう動いてきたかを知ることが欠かせません。
本記事では、田中貴金属工業が公表する参考小売価格をもとに、金価格の10年・30年の推移をグラフと年別一覧表で整理し、2025〜2026年に高騰が続いている理由と、売却タイミングの考え方を解説します。
金の価格推移グラフ【10年・30年】
10年グラフ|2017〜2026年

2017年の金価格は年平均4,576円/g(税抜)でしたが、2026年は22,542円/gまで上昇しました。10年間で約4.9倍です。
特に変化が大きいのは2024年以降で、2023年の8,834円から2024年は11,718円、2025年は17,302円と、2年間で約2倍のペースで上昇しています。2019年までは5,000円を下回る水準で横ばいが続いていたことを踏まえると、直近の動きは過去10年の中でも突出しています。
※2026年は9月18日時点の価格です。
出典:田中貴金属工業株式会社「金価格推移(年間)」
30年グラフ|1997〜2026年

1997年の金価格は年平均1,337円/g(税抜)で、2000年には1,014円まで下落しています。現在の水準からは想像しにくいものの、2000年前後の金は1,000円台で買える金属でした。
そこから2001年以降は上昇に転じ、2010年に3,477円、2020年に6,122円、そして2026年には22,542円に到達しています。30年で約17倍という計算です。
※2026年は9月18日時点の価格です。
出典:田中貴金属工業株式会社「金価格推移(年間)」
金価格は過去に暴落したこともある
グラフは右肩上がりに見えますが、金価格が暴落した年も実際にあります。
1980年までにイラン革命・第2次石油危機・テヘランのアメリカ大使館占拠事件が重なり、さらに米ソの対立で地政学リスクが高まったことで、金価格は6,000円台まで高騰しました。ところが翌1981年、米ソの緊張緩和を受けて半分以下の2,800円台まで下落しています。その後も下落傾向は続き、一時は1,000円台で取引される時期が長く続きました。
異例のスピードで価格が上がっている現在の状況は、当時と重なる部分があります。「上がり続けるから待つ」という判断には、下落リスクも含まれることを押さえておきましょう。
年別の金価格一覧表(2016〜2026年)
過去10年の金価格を、年間の最高値・最安値・平均値でまとめました。いずれも田中貴金属工業の参考小売価格(税抜)です。
| 年 | 最高価格 | 最安価格 | 平均価格 |
| 2026年 ※9/18時点 | 22,542円 | — | — |
| 2025年 | 22,844円 | 13,433円 | 17,302円 |
| 2024年 | 13,784円 | 9,472円 | 11,718円 |
| 2023年 | 9,935円 | 7,909円 | 8,834円 |
| 2022年 | 8,154円 | 6,680円 | 7,649円 |
| 2021年 | 6,897円 | 5,930円 | 6,402円 |
| 2020年 | 7,063円 | 5,214円 | 6,122円 |
| 2019年 | 5,343円 | 4,521円 | 4,918円 |
| 2018年 | 4,827円 | 4,207円 | 4,543円 |
| 2017年 | 4,751円 | 4,410円 | 4,576円 |
| 2016年 | 4,655円 | 4,140円 | 4,396円 |
出典:田中貴金属工業株式会社「金価格推移(年間)」(参考小売価格・税抜)。2026年は9月18日時点の価格。
2019年までは5,000円未満で大きな変化がありませんでしたが、2020年以降は毎年のように高値を更新しています。2025年の最高値22,844円は、2016年の最高値4,655円の約4.9倍です。
金価格が過去最高値を更新し続けている理由(2025〜2026年)
2025年から2026年にかけて金価格が上がり続けている背景には、次の4つの要因があります。
①各国の中央銀行が金を買い増している
ポーランド・カザフスタン・中国・トルコなどの中央銀行が、外貨準備に占める金の比率を引き上げています。中央銀行の購入は短期売買を目的としないため、市場から金が長期的に吸い上げられる構造的な買い需要となり、価格を下支えします。
②円安によって円建て価格が押し上げられている
金は国際市場でドル建てで取引されるため、円安が進むと、ドル建て価格が同じでも円建ての国内価格は上昇します。2026年は1ドル150円台後半で推移する場面が多く、国内価格を押し上げる要因になっています。
③地政学リスクの高まり
中東情勢や各国の政情不安を受けて、「有事の金買い」と呼ばれる安全資産への資金移動が続いています。株式や債券の価値が揺らぐ局面で、値下がりしにくい金に買いが集まる流れです。
④供給の制約
金は埋蔵量に限りがある枯渇性資源で、新たな金鉱の発見も減少しています。投資需要が増える一方で供給が大きく増えないため、需給の逼迫が価格を支えています。
金価格が変動する4つの要因
長期的に見た場合、金価格は主に次の4つの要因で動きます。売却タイミングを考えるうえでの基礎になる部分です。
地政学リスク
地政学リスクとは、特定の地域が政治・軍事・社会的に緊張するリスクを指します。テロ・紛争・政治不安などが要因です。
地政学リスクが高まると株式・債券の価値が下がる可能性が生じるため、多くの投資家は金を求めるようになります。金は有事でも価値が下がりにくいためです。反対に、リスクが低下すれば株式・債券に資金が戻り、金の価値は下がる傾向にあります。
インフレ・デフレ
インフレによって物価が上昇すれば、貨幣の価値は下がります。貨幣価値の低下が懸念されると、資産家は安全資産である金を求めるようになり、金の需要が高まります。
一方、デフレで貨幣の価値が上昇すれば、金の需要は減少し価格も下がる傾向にあります。
ドルの価値
金の取引はドル建てで行われるため、ドルの価値は金価格に直接影響します。ドル高になれば金を購入するコストが増えて需要が下がり、ドル安になれば購入コストが下がって需要が高まります。
日本円で売買する場合は、ドル円の為替相場の影響を受けます。金1gが100ドルで取引される場合を比べてみましょう。
| 為替 | 計算 | 円建ての金価格 |
| 円安(1ドル160円) | 100ドル × 160円 | 16,000円/g |
| 円高(1ドル100円) | 100ドル × 100円 | 10,000円/g |
同じドル建て価格でも、為替次第で円建ての手取りは大きく変わります。金を売買する際は、ドル円相場もあわせて確認しておくとよいでしょう。
金の需給バランス
金は枯渇性資源であり、採掘できる量には限りがあります。需要が供給を上回れば価格は上昇します。
金は投資以外にも、工業用品・医療用品・装飾品などに使われる素材です。これらの分野が成長すれば需要が高まります。また、需要量が変わらなくても、採掘量の減少などで供給が減れば価格は高騰します。反対に、採掘量が増えて供給が需要を上回れば、価格は下がる可能性があります。
2000年以降の金価格の推移
2000年以降は世界情勢を揺るがすできごとが相次ぎ、そのたびに金価格が動いてきました。期間別に振り返ります。
2000〜2009年
1990年代後半は下降傾向にあった金価格が、2000年を境に上昇に転じます。背景には次のできごとがあります。
| 年 | できごと |
| 2001年 | ITバブル崩壊/世界同時多発テロ |
| 2003年 | イラク戦争 |
| 2007年 | サブプライムローン問題 |
| 2008年 | リーマンショック |
2000年代前半はバブル崩壊・テロ・戦争によって地政学リスクが高まり、金の需要とともに価格が上昇しました。後半はリーマンショックが発生し、2008年まで上昇していた金価格は2009年にいったん落ち着きます。
2010〜2019年
リーマンショックで下降傾向にあった金価格は、2010年に再び上昇しました。アメリカ経済は2012年に回復の兆しを見せ、金価格も順調に推移します。2013年には金融緩和策「アベノミクス」による円安で、円建ての金価格がさらに上昇しました。
ただしこの10年間の平均価格は4,340〜4,918円のレンジに収まっており、全体としては横ばいに近い動きでした。
2020〜2026年
2020年を境に金価格は大きく高騰します。きっかけは新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で、多くの企業が窮地に立たされるなか、金価格は7,000円台をつけました。
感染症の収束後もウクライナ情勢によって地政学リスクが高まり、価格は上昇を継続。2024年に11,000円台、2025年に17,000円台と加速し、2026年9月時点では22,000円台で取引されています。
金を売るなら今が絶好のチャンス
金の売却を検討しているなら、歴史的な高値圏にある現在はひとつの好機です。
ただし前述のとおり、金価格は1981年に半分以下まで暴落した実績があります。現在の価格は経済情勢の先行き不透明感によって支えられている面が大きく、状況が変われば下落する可能性はゼロではありません。
「まだ上がるかもしれない」と待ち続けた結果、高値のピークを逃すケースは珍しくありません。高値で取引されている今のうちに、手元の金がいくらになるかを把握しておくことをおすすめします。
今後の金相場の見通しについては、金相場の10年後を予想した記事でも詳しく解説しています。
売る前に確認したい、手元の金の見分け方
売却を検討する前に、その金が本物かどうか、何金なのかを確認しておくと査定の話がスムーズです。
刻印が見当たらない場合は、刻印なしの金の見分け方で、比重や色味から判断する方法を解説しています。自宅で手軽に試すなら、金は磁石につくのかを検証した記事も参考になります。金は磁石につかない金属のため、簡易的な判別に使えます。
なお、金貨や記念コインをお持ちの場合、汚れを落とそうとして磨くのは避けてください。表面に傷が入ると価値が下がることがあります。扱い方は硬貨をきれいにする方法をご確認ください。
【Q&A】金価格の推移についてよくある質問
Q. 2026年9月時点の金価格はいくらですか?
A. 2026年9月18日時点で、1gあたり24,796円(税込・田中貴金属工業の店頭小売価格)です。税抜では22,542円になります。金価格は平日に毎日更新されるため、売却前に最新価格をご確認ください。
Q. 金価格が一番安かったのはいつですか?
A. 過去30年では2000年で、年平均1,014円/g(税抜)でした。2026年の価格はその約22倍にあたります。
Q. 金価格は今後下がる可能性はありますか?
A. 可能性はあります。1981年には、前年に6,000円台まで高騰した金価格が2,800円台まで下落しました。中央銀行の買い需要や地政学リスクが後退すれば、価格が調整に向かうことは十分に考えられます。
Q. 10年前と比べて金価格は何倍になっていますか?
A. 2016年の年平均4,396円/gに対し、2026年9月時点は22,542円/g(税抜)で約5.1倍です。2017年の年平均と比べた場合は約4.9倍になります。
Q. 金の売り時はどう判断すればよいですか?
A. 相場の高値を狙って待つより、「必要になったとき」「高値圏にあるとき」に売るのが現実的です。金価格は数日で数百円単位で動くため、複数の買取店で査定を取り、そのときの最高値で売却するのが確実です。
どんなお品物でも、どんな状態でも喜んで査定させていただきます。他社様で断られた物もがんばってお買取致します。こちらに載っていないものでもお気軽にお持ちください。