終活は何から始める?やることリスト10選と初心者でも迷わない進め方・注意点を解説
2025年10月30日
「終活って何から始めればいいの?」
「何を準備すればいいのかわからない」
このように考えていませんか?
終活は自分の人生を整理し、家族が安心して将来を迎えられるように備える大切な活動です。
財産や医療・葬儀の希望をまとめるだけでなく、身の回りの片付けやデジタルデータの管理を通して、心の整理にもつながります。
本記事では、終活のやることリスト10選やメリット・デメリット、注意点などを解説します。
終活を始めたいけれど迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
終活とは

人生の最期を安心して迎えるための準備が「終活」です。ここでは、終活の概要や混同されやすい生前整理・遺品整理・断捨離との違いを解説します。
- 【類似する用語を整理】生前整理・遺品整理・断捨離との違い
それぞれ見ていきましょう。
終活の概要
終活とは、人生の最期に向けて、自分自身や家族が安心できるように準備する活動です。
財産の整理や医療・介護の希望、葬儀やお墓のことまで、自分の意思で決めておくことで、残された家族の負担を減らせます。
近年は高齢化や核家族化の影響で、元気なうちに身辺を整える方が増えているのが現状です。
終活は「死の準備」だけでなく、「これからの人生をより自分らしく生きるための活動」としても注目されています。自分の生き方を見つめ直し、前向きに過ごすきっかけにもなるのです。
【類似する用語を整理】生前整理・遺品整理・断捨離との違い
終活と似た言葉に「生前整理」「遺品整理」「断捨離」がありますが、目的や作業する時期が異なります。
それぞれの違いを以下の表にまとめました。
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用語
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主な目的
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実施時期
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内容
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終活
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人生の最期に向けた総合的な準備
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生前(幅広い期間)
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物・財産・住まい・身の回りの整理、医療・介護・葬儀方法などの事前指示
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生前整理
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物や財産を整理し、死後の負担を減らす
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生前(50〜60歳代が多い)
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不要品の処分、相続整理
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遺品整理
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故人の持ち物を整理する
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死後
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遺族が行う
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断捨離
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日常生活を快適にするための整理
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随時
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物・心・関係性の整理
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終活は物の整理や片付けにとどまらず、人生全体の見直しを目的とする広い概念を持っています。
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何から始める?終活やることリスト10選

終活を始めたいけれど、何から手をつければ良いのかわからない方は多いでしょう。
ここでは、初めてでも無理なく進められる「終活のやることリスト10選」を紹介します。
ひとつずつ見ていきましょう。
①エンディングノートを作成する
エンディングノートとは、自分の財産や医療・介護の希望、葬儀の形、連絡してほしい人、デジタル資産などをまとめておくノートです。
法的効力はありませんが、自分の思いや希望を家族に伝える手段として有効です。
エンディングノートや終活ノートという名称で、1,000円程度で販売されています。専用のノートでなくても、項目ごとに大学ノートなどにまとめても良いでしょう。
法務省・日本司法書士連合会にはエンディングノートのテンプレートが用意されているため、作成の参考になります。
はじめから完璧を目指さず、書けるところから少しずつ書くことが大切です。
参考:エンディングノート|法務省/日本司法書士連合会
②財産の棚卸し・リスト化
終活ではまず、自分の財産を正確に把握していくことが大切です。銀行口座・不動産・保険・証券・年金などの情報を一覧表にしておくと、家族が後から確認しやすくなるでしょう。
特に複数の口座や保険に加入している場合は、放置すると相続時に混乱を招くことがあります。
リスト化しておくことで、相続トラブルの防止や遺言書作成の参考資料としても役立つでしょう。
③身の回りのモノを整理する(生前整理)
持ち物の整理は、終活の中で重要なステップです。衣類・食器・家具・貴金属などを「使う物」「譲る物」「処分する物」に分けて整理しましょう。
捨てるか保存するか迷う思い出の品は、写真に撮ってデータで残す方法もおすすめです。
捨てるには惜しいブランド品や貴金属は、信頼できる買取店に査定を依頼すると現金化できる可能性があります。
整理費用を補填できる場合もあるため、買取店の査定に出す物は別にまとめておくと良いでしょう。
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④デジタル終活
スマートフォンやパソコンに保存されている写真・メール・契約情報などのデジタルデータも、忘れずに整理しておきましょう。
SNSアカウントやサブスクリプションサービスは、放置すると家族が解約できずに困るケースがあります。
ログイン情報やパスワードを一覧化し、エンディングノートなどに記録しておくと安心です。リスト化したら信頼できる家族に保管場所を伝えておきましょう。
⑤医療・介護の希望をまとめる
「どこまでの治療を望むか」「どのような介護を受けたいか」など、医療・介護に関する自分の意思をまとめておきましょう。
延命治療の有無や、介護施設への入居希望、在宅介護の希望などを書き出しておくと、万が一のとき家族が迷わず判断できます。
家族と共有することで、互いの思いを理解し合うきっかけにもなります。具体的な相談をしたい方は、医療・介護の相談窓口を利用するのも良いでしょう。
たとえば、各市町村に設置されている地域包括支援センターでは高齢者の介護・健康に関する相談を受け付けています。
⑥葬儀やお墓の希望を考える
葬儀の形式(一般葬・家族葬・直葬など)や宗派・予算・希望する場所を整理しておきましょう。近年では葬儀の生前予約が可能な葬儀社もあり、希望に沿った葬儀内容や詳細な予算が把握できます。
永代供養・樹木葬など選択肢が多様化しています。どの方法が自分や家族にとって負担が少ないかを考えることが大切です。
また、葬儀社を比較して見積もりを取ることで、費用面の不安を減らせます。希望を明確にすることで、家族が安心して準備できるようになります。
⑦遺言書を作成する
財産の分配や相続に関する自分の意思を明確にするためには、遺言書の作成が効果的です。遺言書には公正証書遺言・自筆証書遺言・秘密証書遺言の3種類があり、法的効力を持たせるには、公正証書遺言を作成する必要があります。
公正証書遺言は遺言者本人と証人2名の立会いのもと公証人によって作成される遺言書です。作成された公正証書遺言は原本を公正役場で保管するため、偽造・紛失の心配がありません。
正確でトラブルのない遺言を残したい場合は、公正証書遺言を利用しましょう。作成にかかる費用として10〜20万円ほど用意する必要があります。
⑧家族と話し合う
終活は一人で抱え込むものではありません。家族に自分の思いや希望を伝えておくことで、理解と協力が得やすくなります。
話し合いの際は、感情的にならず「これからを安心して生きるために話したい」と前向きに切り出すのがポイントです。
家族の意見を尊重しながら、一緒に進めることで絆が深まり、より良い形の終活につながります。
⑨写真や思い出を整理する
古いアルバム・写真・手紙などの思い出の品も、少しずつ整理していきましょう。家族と一緒に見返しながら、デジタル化して保存するのもおすすめです。
大切な写真を共有フォルダやクラウドにまとめておけば、家族全員がいつでもアクセスできます。
思い出を整理する作業は、感謝の気持ちを再確認し、人生を前向きに見つめ直す良い機会にもなります。
⑩専門家に相談する
終活では、相続や不動産・税金・保険など、専門知識が必要な場面が少なくありません。こうした分野は自己判断が難しく、誤った手続きや曖昧な理解がトラブルを招くこともあります。
トラブル回避のために各分野の専門家への相談も選択肢のひとつです。
たとえば、司法書士は遺言書の作成や相続登記のサポート、税理士は相続税の申告や節税対策の相談に応じてくれます。ファイナンシャルプランナー(FP)は老後資金や保険の見直しなど、家計全体の整理をサポートします。
相談費用は内容によって異なりますが、初回無料相談やオンライン面談を実施している事務所も多く、気軽に相談が可能です。
専門家のアドバイスを受けながら進めることで、円滑に終活を進められるでしょう。
終活を始めるタイミング

終活を始める時期に明確な決まりはありませんが、一般的に、心や時間に余裕が生まれる60歳前後から少しずつ取り組む方が多い傾向にあります。
退職や子どもの独立、引っ越しなど、人生の節目は、自分の暮らしや財産を見つめ直すきっかけになるでしょう。
終活は「老後のための準備」というよりも、「これからをより良く生きるための活動」です。60歳ごろはあくまでも目安であり、50代から始めても早すぎることはありません。元気なうちに少しずつ進めることで、判断力のある状態で重要な決断ができます。
特にエンディングノートの作成や不要品の整理などは、時間をかけてじっくり取り組むのが理想です。
焦らず、自分のペースで一歩ずつ進めることで、心にもゆとりが生まれ、より前向きな終活が実現できます。
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終活のメリット

終活には、人生をより安心して、前向きに生きるための多くのメリットがあります。主なメリットは以下のとおりです。
終活を行うことで、残された家族が葬儀や財産の整理に追われる負担を軽減できます。あらかじめ希望や手続きをまとめておけば、家族が迷うことなく安心して対応できるでしょう。
また、医療・介護・葬儀などに関する自分の希望を整理しておくことで、もしものときへの不安が減り、心に余裕が生まれます。
写真や思い出の品を見直す時間は、自分の人生を振り返る大切な機会です。これまでの歩みを見つめ直し、これからをどう生きるかを考えるきっかけにもなるでしょう。
生前整理を通じて不要な物を減らせば、生活空間が整い、暮らしがより快適になります。
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終活のデメリット

終活に多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも理解しておきましょう。主なデメリットは以下の4つがあります。
長年大切にしてきた写真・手紙・家具などの思い出の品を整理・処分する際、「手放したくない」という気持ちに直面することがあります。
物の整理で心に空きができ、前向きになれる反面、一つひとつに宿る思い出との別れに寂しさを感じることもあるでしょう。
また、終活が含む内容は広範囲にわたるため、エンディングノートの作成や身の回りの整理などを進めていくには時間と労力を要します。仕事や家庭との両立中では、途中で疲れて挫折してしまう場合も少なくありません。
意見の食い違いを防ぐため、丁寧に家族間で意向や進捗を共有しておくことも重要です。
さらに、外部の業者を活用する場合には、費用が発生します。無料相談を装って契約を促されたり、見積もりが曖昧なまま高額な請求を受けるなどのトラブルに巻き込まれる場合もあるため注意が必要です。
終活の注意点

終活は、家族への思いやりを形にできる大切な活動ですが、進め方を誤ると負担やトラブルにつながることもあります。ここでは、終活を安心して進めるために気をつけたい3つの注意点を紹介します。
- 無理せず自分のペースで進める
- 個人情報や重要書類の扱いに注意
- 不要品処分でのトラブルに注意
それぞれ見ていきましょう。
無理せず自分のペースで進める
終活は一度にすべてを終わらせる必要はなく、長期に渡って取り組むのが通常です。焦って進めようとすると、心身の負担が大きくなり、かえって途中で挫折してしまうこともあります。
「1日1箇所の整理」「週末にエンディングノートを1項目書く」など、無理のない計画を立てて少しずつ取り組むのがコツです。
完璧を目指すよりも、継続することを重視しましょう。終活は長期的な取り組みとして、自分の生活リズムに合わせて進めることが大切です。
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個人情報や重要書類の扱いに注意する
終活では通帳やマイナンバー、保険証券など多くの個人情報を扱います。これらを整理する際は、第三者に情報が漏れないよう十分に注意が必要です。
自宅で保管する場合は、鍵付きの金庫や耐火ケースなどにまとめ、信頼できる家族に保管場所を伝えておきましょう。
処分する際も、住所や番号が記載された書類はシュレッダーで裁断するなど、情報流出を防ぐ工夫が欠かせません。
また、スマートフォンやパソコンなどに残る個人情報の流出にも注意が必要です。メールやクラウドサービス・SNS・ネットバンキングの情報が放置されると、知らない間に個人情報が流出するおそれがあります。
IDやパスワードをエンディングノートにまとめ、信頼できる家族が管理しやすくなることが大切です。
不要品処分でのトラブルに注意する
終活で出る不要品を処分する際は、悪質な買取業者に注意が必要です。国民生活センターによると以下の事例が報告されています。
予想外の高額請求や適切に作業してくれない場合、終活が滞り、精神的・肉体的に疲弊します。
安心して利用するには、実店舗を構えた信頼できる買取業者を選び、複数社に査定を依頼して比較することが大切です。
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【Q&A】終活でよくある質問

終活でよくある質問として、以下の3つがあります。
終活を始める前に、疑問を解決しておきましょう。
Q.終活は何から始めればいいですか?
A.終活は、まず「エンディングノート」に自分の考えや希望を書き出すことから始めましょう。財産や医療・介護の希望、葬儀の形などを整理しておくと、自分の気持ちを客観的に把握でき、家族にも伝えやすくなります。
書き出すうちに何が決まっていて、何が曖昧なのかが見えてくるため、次の行動が取りやすくなります。
エンディングノートを作成したあとは、身の回りの整理を進めましょう。
Q.終活は何歳から始めるべきですか?
A.終活を始める年齢に明確な決まりはありません。60歳前後から始める方が多いですが、近年では20代の若い世代にも広まりつつあります。
生き方や働き方が多様化した現代において、自分の価値観に合ったライフスタイルを選ぶことが重視されるようになりました。
終活は、その生き方を見つめ直す一つの手段として、若い世代にも前向きに受け入れられているのです。
Q.終活にはいくらお金がかかりますか?
A.終活にかかる費用の相場は一般的に80~250万円となっており、人によって準備する内容は異なります。
終活にかかる費用の目安は以下のとおりです。
特に、お墓の購入や葬儀方法は費用が大きく変動します。事前にどのような形を望むのか考えておくことも終活の大事なポイントです。
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終活の過程で出た不要品は『買取大吉』の出張買取がおすすめ

終活の過程で出た不要品は、『買取大吉』にお任せください。貴金属・ブランド品・高級時計・切手・古銭など、幅広いジャンルの品物を丁寧に査定いたします。
査定料・出張費・キャンセル料はすべて無料のため、初めての方でも安心してご利用いただけます。
重くて運べない物や数が多い場合は、特に出張買取がおすすめです。専門スタッフがご自宅まで伺い、査定から買取までその場で対応いたします。思い出の品を大切に扱いながら、不要になった物を現金化して次の人生の準備資金に活用できます。
また、ご希望に応じて店頭買取や宅配買取も選択可能です。ライフスタイルに合わせて最適な買取方法をご利用ください。
まとめ:終活は思い立った今が始めどき

本記事では、終活の概要ややることリスト10選、メリット・デメリット、注意点について解説しました。
終活は「人生の終わりの準備」ではなく、これからをより自分らしく生きるための前向きな活動です。
エンディングノートの作成や財産・思い出の整理を通じて、自分の考えを明確にし、家族への思いを形にできます。
終活で出た不要品は捨てずに買取店を活用することで、新しい人生の準備資金に変えることも可能です。
終活を始めようと思い立った今こそ、自分と家族の未来を整える第一歩を踏み出しましょう。