「バーキンの刻印の見方と意味が知りたい」
「刻印がないバーキンは偽物?」
このように考えていませんか?
エルメスのバーキンには、製造年や素材、職人を特定する「刻印」が施されています。
刻印の位置や記号の種類によって読み取れる情報はさまざまで、購入・査定・真贋判断において非常に重要なポイントです。
近年では、精巧なコピー品も増えており、見た目だけでは判断が難しいケースもあるでしょう。
本記事では、エルメスの刻印の種類・見方・偽物を見抜くためのチェックポイントまで、初心者にもわかりやすく解説します。
バーキンの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
<この記事でわかること>
- バーキンの刻印場所
- 刻印の確認方法
- 刻印から偽物を見分ける方法
バーキンの刻印が施される場所

エルメスのバーキンは、製造年によって刻印の位置が変わります。
2014年以前に作られたバーキンは、バッグの正面から見て右側のベルトの裏側に刻印がありました。
しかし、2015年以降(刻印がアルファベットの「T」から始まるモデル)からは、刻印の位置が変更され、バッグの内側、正面から見て左上の部分に製造刻印が入る仕様になっています。
このように、製造年によって刻印の場所が異なるため、購入時の参考情報として覚えておくと便利です。
以下に、エルメスの主要なバッグ・財布モデルごとの製造刻印の位置をわかりやすくまとめました。
製品名
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アイテム
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刻印の位置
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ケリー
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バッグ
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2014年まで:前面右側のベルト裏
2015年以降:内側左上のマチ付近
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リンディ
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バッグ
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ファスナー引き手(プルタブ)の裏側
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ボリード
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バッグ
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ファスナーエンド付近のタブの裏側
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ガーデンパーティー
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バッグ
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内部マチ中央を縦に走るレザーバンドの上部
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ベアンスフレ
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財布
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コインポケット裏の札入れ内部
※旧モデルはコインポケット内部に刻印
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ドゴン
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財布
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カードポケット裏側の札入れ内部
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アザップロング シルクイン
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財布
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内部にあるレザー製のタブ部分
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【バーキン】エルメスの刻印の見方

エルメスの刻印からは、以下のようにさまざまな情報が読み取れます。
- バーキンが製造された年代
- 職人・製造場所
- 素材
- その他
ひとつずつ解説します。
バーキンが製造された年代
製造された年代を示す刻印はアルファベット1文字で示されています。
- 1964〜1970年:シンプルなアルファベット表記
- 1971~1996年:◯囲みのアルファベット刻印
- 1997~2014年:▢囲みのアルファベット刻印
- 2015年以降:囲みなしのアルファベットに戻る
それぞれの年代について確認していきましょう。
1964〜1970年:シンプルなアルファベット表記
エルメスが製品に製造年を示す刻印を入れ始めたのは、1964年からです。
当時は、丸や四角で囲まれていない、シンプルなアルファベット一文字が使われていました。
1971~1996年:◯囲みのアルファベット刻印
1971年からは、アルファベットを丸で囲んだデザインに変更されました。
アルファベットは、AからZまで順に使用され、丸囲みのスタイルは比較的長い期間使われました。
エルメスの製造年刻印の中で、最も長く親しまれたデザインと言えるでしょう。
1997~2014年:▢囲みのアルファベット刻印
1997年には刻印のスタイルに変更が加えられ、アルファベットが四角い枠で囲まれたデザインへと一新されました。
この時期には、AからRまでの文字が順を追って使われています。
2015年以降:囲みなしのアルファベットに戻る
2015年以降、再び囲みのないアルファベット表記が採用されるようになりました。
ただし、1960年代に使用されていたものとは異なり、アルファベットの配列に一定の規則性が見られない点が特徴です。
さらに、最近では「S」の刻印が見られなくなっており、「S」がソールド(販売済み)を意味する表記と誤認されるのを避ける目的があるとされています。
職人・製造場所
エルメスの製品には、製造年を示すアルファベットの隣に、製作を担当した職人や工房に関する情報が刻まれています。
アルファベットと数字の組み合わせで職人や工房を識別する情報が含まれていますが、具体的にどの文字が何を意味しているかについては非公開となっており、詳細は明かされていません。
素材
エルメスでは、製品に使用されている革の種類を特定する刻印が施されています。
たとえば、「Λ」のマークは、クロコダイル・ポロサスを使用している製品となります。
他の素材と刻印は以下の表をご覧ください。
刻印記号
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素材名
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素材の特徴・原産地など
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Λ
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クロコダイル・ポロサス
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小さく整ったウロコで光沢感がある・高級で希少
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••
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クロコダイル・ニロティカス
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ウロコが大きめの革・ナイル川原産
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□
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アリゲーター
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シンプルな表面で耐久性がある・北米原産
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-
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リザード(ニロティカス)
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細かなウロコ・滑らかで繊細
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=
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リザード(インドネシア産)
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同上・産地の違いで識別
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その他
エルメスの刻印には、製造年や素材を示す刻印以外にも、特別な意味を持つものがいくつか存在します。
そのひとつが「スターマーク」と呼ばれる希少な刻印です。
スターマーク(ロゴの近くに星のシンボル)は、通常の流通には出回らないもので、エルメスの社員や関係者のみに提供されるアイテムに施されます。
希少性の高さから、熱心なコレクターの間で高い人気を誇っています。
その他の刻印は以下の通りです。
刻印記号
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種別
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説明内容
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スターマーク
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エルメス関係者向け限定製品
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社員や関係者のみに提供される製品に使われ、市場にはほぼ流通しない希少アイテム。
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S
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ソルド品
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限定セールで販売された製品。製造年刻印と混同を避けるため通常は用いられない。
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馬蹄
マーク
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パーソナルオーダー
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VIP顧客が特注したオーダーメイド品にのみ付けられる特別な刻印。
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【エルメス】ブランド品には精巧なコピー品が増えている

エルメスは世界的に知られるラグジュアリーブランドで、圧倒的な人気と希少価値の高さから、コピー品の問題が年々深刻化しています。
近年特に目立つのが、「スーパーコピー」と呼ばれる非常に精巧な偽物の存在です。
かつての粗雑な偽物とは一線を画し、専門家が見ても判別が難しいほどの完成度を誇ります。
使用されている素材や縫製技術、さらにはロゴ刻印の細部に至るまで、徹底的に本物に近づけて作られているのが特徴です。
なかには、正規品と同じような質の高いレザーを使用し、エルメスのロゴマークを限りなく忠実に再現しているものも見受けられます。
正規店以外で購入を検討する場合は、偽物が流通している可能性を踏まえて選ぶとよいでしょう。
エルメスの刻印から偽物を見分けるポイント

エルメスの刻印から偽物を見分けられる場合があります。
偽物を見分けるポイントは以下の通りです。
- ブランドロゴ(HERMES PARIS MADE IN FRANCE)の表記が異なる
- 製造年を示す刻印が不一致
順番に解説します。
ブランドロゴ(HERMES PARIS MADE IN FRANCE)の表記が異なる
ブランドロゴは、ブランドの命ともいえるものです。そのため、手を抜いて入れられることはありえません。
ブランドロゴから偽物を見抜くためには、以下の点を確認してみてください。
【ブランドロゴのチェックポイント】
- 文字の形やサイズが異なる
- 文字がゆがんでいる
- 文字ぼやけている
- 刻印の位置が不自然
- 刻印の深さが不均一
- インクが滲んで文字が潰れている
- 刻印に使用されるフォントが本物と異なる
上記のなかでひとつでも当てはまれば、偽物の可能性があるため注意しましょう。
製造年を示す刻印が不一致
前述した製造年の刻印が一致しているかどうかは重要なポイントです。
製造した年と刻印が一致しないものは、まず偽物と考えて間違いないでしょう。
刻印以外に偽物を見分けるポイント

刻印だけでは真贋を判断できない場合があります。
偽物を判断するには、以下のポイントも併せて判断することが重要です。
- ステッチや縫製が雑
- 金具に掘られたロゴが不鮮明
- 素材に違和感がある
それぞれ解説します。
ステッチや縫製が雑
製品のステッチや縫製を確認することで偽物を見分けられる場合があります。
エルメスのアイテムはすべて、熟練の職人によって一針ずつ手作業で仕立てられており、縫い目は高い精度で仕上げられているのが特徴です。
職人技が光るステッチは均一で美しく、目を凝らして見ても乱れやムラがほとんど見当たりません。
仕上がりが大きく劣ることが多く、縫製が粗く不揃いな場合は、偽物の可能性が高まります。
金具に掘られたロゴが不鮮明
バーキンやケリーなどのバッグに使用されている金属パーツには、「– HERMÈS – PARIS –」という刻印があります。
ブランドの刻印がかすれていたり輪郭が曖昧な場合は偽物の可能性が高まります。
また、年代によっては刻印のデザインにわずかな違いがあり、たとえばハイフン(–)が省略されているケースもあるのです。
また、ゴールド金具には小さな四角いマークが付加されている場合もあります。
ファスナーの引き手や南京錠、ショルダーストラップの金具部分にも細やかな刻印が施されており、これらの細部まで確認することが重要です。
素材に違和感がある
素材の違和感によって、偽物と判断できる可能性があります。
代表的なレザーである「トゴ」を例に挙げると、本物のトゴには天然皮革ならではの不均一なシボがあります。
また、表面には「血筋」と呼ばれる細い線が見られ、一点ずつ個性を感じられるでしょう。
対して、偽物は人工的に型押しされたレザーを使用していることが多く、見た目の均一さや不自然な整い方が目立ちます。
さらに、質感も本物とは異なり、触ったときに硬さやゴワつきを感じることが多い傾向です。
【Q&A】エルメスの刻印についてよくある質問

エルメスの刻印についてよくある質問を集めました。
Q.刻印がないものは偽物ですか?
Q.刻印が消えることはありますか?
Q.偽物を購入しない方法はありますか?
Q.刻印だけで偽物か本物かを判断できますか?
ひとつずつ回答します。
Q.刻印がないものは偽物ですか?
A.エルメスのアイテムには、基本的に刻印が施されていますが、スカーフやキャンバス素材のアイテムなど、一部のアイテムではもともと刻印が施されていないこともあります。
そのため、刻印が見当たらないからといって偽物と断定するのはやめましょう。
Q.刻印が消えることはありますか?
A.長期間使用されたエルメスの製品は、素材の摩耗によって刻印が徐々に薄れてしまうこともあります。
エルメスでは質の高い革や素材を使用しており、長く愛用できる設計となっていますが、日常的な使用により刻印が見えづらくなるケースがある点は理解しておきましょう。
Q.偽物を購入しない方法はありますか?
A.確実に本物を手に入れたい場合は、エルメスの正規店や公式オンラインショップからの購入が最も安心です。
これらの購入先は、本物の製品を手に入れられるほか、購入後のサポートやメンテナンスも受けられるため、長く大切に使えます。
Q.刻印だけで偽物か本物かを判断できますか?
A.刻印の有無だけで真贋を判断するのは難しい場合があります。
近年では、偽物の精度が高くなっており、見た目だけでは本物と見分けがつかないようなものも増えています。
そのため、刻印に加えて縫製・素材感・金具の仕様など、さまざまな要素を総合的に確認することが重要です。
『買取大吉』ではバーキンの状態を見極めて価値を判断

エルメスの製品は、同じモデルでも素材や仕上げに微細な違いがあるため、見た目だけで真贋を見極めるのは困難です。
『買取大吉』では、エルメスをはじめとするハイブランドに精通した鑑定士が在籍しており、革の質感・刻印・縫製などの細かなディテールまで総合的にチェックし、適正な査定を行っています。
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まずは気軽に、専門家による無料査定を利用してみてはいかがでしょうか。
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バーキンの刻印を理解し購入時の参考にしよう

エルメス製品に施される刻印を確認すると、製造年や素材など、製品の真価を確認できます。
年代によって刻印の形や場所など細かい違いがありますが、正しい知識を持つことで偽物を見抜くことも可能です。
ただし、刻印だけでは判断できないほど精巧なコピー品も増えているため、縫製の丁寧さ・金具の刻印・素材の質感といった他の要素も併せて確認しましょう。
熟練の鑑定士がエルメスのアイテムの価値をしっかりと査定いたします。キャンセル料も無料のため、気軽にご利用ください。
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