1960年代の価値ある切手一覧|切手収集ブームの経緯や今後の価値についても解説
2024年11月27日
「1960年代の切手には価値がある?」
「切手の価値はこれから上がる?」
このような疑問はありませんか?
1960年代は、切手の収集が流行していた時期です。当時発行されていた切手は、額面の何十倍もの価格で取引されるほど市場が盛り上がっていました。
1960年代の切手を持っているのならブームが過ぎ去った現在、どれほど価値があるのか気になるでしょう。
この記事では、1960年代に発行された価値のある日本・中国の切手を紹介します。切手収集ブームの経緯や今後の価値についても解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
<この記事でわかること>
- 1960年代に発行された価値のある日本・中国切手
- 切手収集ブームの経緯
- 切手の今後の価値
1960年代に発行された価値のある日本切手
1960年代は切手収集ブームの真っ最中だったこともあり、今と比べて多く発行されました。現存する枚数が多いため、通常切手は額面を上回る価値はつきにくい傾向です。
しかし、以下の切手は現存する枚数が少なく、高い価値がつけられています。
- 1960年|国際文通週間:蒲原(かんばら)
- 1961年|国際文通週間:箱根
- 1962年|国際文通週間:日本橋
- 1963年|国際文通週間:神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)
上記は特殊切手に分類される種類です。
特殊切手とは、何かを目的に発行される切手であり、国際文通週間は「文通によって世界の人々が文化の交流に努め、世界平和に貢献すること」を目的に発行されました。
いずれも日本文化の代表である浮世絵が描かれているのが特徴です。それぞれの価値を解説します。
1960年|国際文通週間:蒲原(かんばら)
歌川広重が描いた「東海道五十三次:蒲原」が描かれた30円切手です。深々と雪が降り積もる村の夜が特徴的で、寒空の静寂さが感じられます。
買取相場は単片で〜500円。額面の10倍以上の価格で取引されています。
1961年|国際文通週間:箱根
「東海道五十三次:箱根」をモチーフにした30円切手です。山間の急な細道を下る大名行列と、高くそびえる山が描かれています。
買取相場は単片で~100円と高値がつきます。
1962年|国際文通週間:日本橋
「東海道五十三次:日本橋」がデザインされた40円切手です。日本橋を渡ってきた大名行列が描かれており、清々しさと活気に満ち溢れた印象を受けます。
買取相場は単片で~100円と高価買取が期待できるでしょう。
1963年|国際文通週間:神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)
「東海道五十三次:神奈川沖浪裏」のデザインされた40円切手です。海の大波に立ち向かう押送船の船乗りたちと、波間にたたずむ富士山が描かれています。
買取相場は単片で~500円。額面を上回る金額で取引される傾向です。
1960年代に発行された価値のある中国切手
価値の高い1960年代の切手は日本のものだけではありません。中国の切手にも価値があり、高値で取引されています。価値が高いとされる切手は以下のとおりです。
- 1963年:蝶
- 1963年:キューバ革命4周年
- 1964年:牡丹
- 1967年:毛主席詩詞
- 1968年:アメリカ黒人の闘争支持
- 1969年:農村で働く知識青年
それぞれ見てみましょう。
1963年:蝶
中国固有の種である蝶をモチーフに作られた切手で、全20種類あります。
- 4元:5種類
- 8元:5種類
- 10元:5種類
- 20元:2種類
- 22元:1種類
- 30元:1種類
- 50元:1種類
種類が豊富なため、集めるのが大変な切手シリーズです。描かれている蝶はデフォルメされていながらも、美しさを表現しています。
すべて揃っている状態での買取相場は~12,500円と高価買取が期待できるでしょう。
1963年:キューバ革命4周年
1959年に起こったキューバ革命の4周年を記念して発行された切手で、全6種類あります。
1960年代の中国では、人権問題や外交問題をモチーフにした切手を発行する傾向がありました。
単片ではあまり価格に期待できませんが、すべて揃った状態だと~18,000円と高値がつきます。
1964年:牡丹
大きく開いた牡丹が描かれた切手です。牡丹切手はシリーズもので、全15種類が存在します。
- 4元:2種類
- 8元:5種類
- 10元:5種類
- 20元:1種類
- 43元:1種類
- 52元:1種類
どれも美しく可愛らしい絵柄で見栄えがよいため、コレクション需要が高い切手です。すべて揃った状態の買取相場は~7,500円。
数十枚が連なった小型シートの状態では10万円以上するケースもあるほど高い価値があります。
1967年:毛主席詩詞
毛沢東が筆を執っている姿が描かれた切手で、全14種類が存在します。
毛沢東の切手は中国切手のなかでも価値が高く、高価買取が期待できる種類です。すべて揃っている場合は~5,000円もの価格で取引されます。
希少価値の高さゆえに、消印が押された(使用済み)切手でも高価買取される傾向です。
1968年:アメリカ黒人の闘争支持
切手全体が真っ赤に染まっているのが特徴的な切手です。右上には毛沢東が手を挙げている姿が描かれています。
アメリカで問題になっていた黒人の暴動を、毛沢東が支持したことをきっかけに発行されました。
種類は8元の1つのみです。現在は入手困難な切手のひとつといわれており、1枚で~30,000円の価値がつきます。
1969年:農村で働く知識青年
広大な田んぼを背景に青少年が働いている姿が描かれた切手です。当時の中国は文化大革命期の真っ最中であり、青少年の農村での労働が奨励されていました。
毛沢東による青少年の労働をすすめる活動は上山下郷運動(じょうさんかきょううんどう)と呼ばれ、この活動のひとつとして切手が発行されました。
絵柄は全部で4種類ありますが、いずれも額面は8元です。全種類揃っている場合の買取相場は~8,000円と高価買取が期待できます。
切手収集ブームの経緯
1960年代は切手収集ブームの真っ只中でした。しかし、あることを機に切手収集ブームは去ってしまいます。
どのような経緯があったのか時系列順に見てみましょう。
- 浮世絵をモチーフとした切手を機に人気が高まる
- 切手を株式のように扱う「切手経済社」が登場
- 郵政省も切手収集ブームを歓迎する
- 1964年東京オリンピックに向けた募金付き切手の販売
- 切手経済社が切手の相場を強引に吊り上げる
- 切手経済社の倒産を機に切手収集ブームの幕がおりる
ひとつずつ解説します。
浮世絵をモチーフとした切手を機に人気が高まる
1960年代は「月に雁(つきにかり)」「見返り美人」「ビードロを吹く娘」「蒲原(かんばら)」など美しい浮世絵をモチーフにした切手が注目を集め、人気が高まっていました。
なかでも「蒲原」は高い人気を集めており、額面は20円ですが1枚で3,000円もの価格で取引されるようになります。
切手の高騰が見られたため「発売時に購入しておけば、後に大きな利益が得られる」と思う人が増えました。切手の発売日になると郵便局の前に長蛇の列ができるほどです。
切手を株式のように扱う「切手経済社」が登場
流行は新たなビジネスチャンスでもあります。そこで登場したのが切手収集ブームをビジネスにした「切手経済社」です。
切手経済社は「切手でもうける本」と題した本や、切手市場の動向を分析した新聞を発行するなど、切手にまつわる事業を展開していきます。
次第に多くのファンが付き、切手経済社は流行の中心的存在にまでなります。
発言力を強めた切手経済社が「記念切手は未使用に限り価値がある」と述べたため、切手を保管する人が増えました。
現代まで未使用の切手が数多く残っているのは、保管していた人が多かったためです。
郵政省も切手収集ブームを歓迎する
切手本来の役割である郵便料金の支払い証明として使用されず、保管する人が増えた結果、切手が市場に出回らない状況となりました。
そのため、郵政省(郵便局の前身)が対策を講じると思うかもしれません。
しかし、郵政省からすれば切手が売れると利益につながるため、切手収集ブームは願ったり叶ったりでした。
一度売った切手は払い戻しができないルールから、印刷するほどお金が増える状態だったのです。
郵政省が対策を講じなかったため、切手収集ブームはさらに加速していきました。
1964年東京オリンピックに向けた募金付き切手の販売
切手収集ブームの最中、東京でのオリンピック開催が決まりました。しかし、当時の日本経済は財力に余裕がなく、資金繰りで頭を悩ませていました。
そこで目についたのが切手です。東京オリンピックに向けた募金付きの切手を販売して資金を賄おうと考えます。
募金付き切手とは、額面に「5+5」と表示されており、切手の価値5円に加えて募金分の5円が計上された切手です。
そのため、切手としての価値は5円ですが、購入する際は10円支払う必要があります。
オリンピックという大イベントの切手が値上りしないわけがないと考える人が大勢おり、募金付き切手の売れ行きは好調を示します。
発売日前夜から郵便局に列ができたり、割り込みによる騒動によって警察が動員されたりするほどでした。
切手経済社が切手の相場を強引に吊り上げる
飛ぶように売れた募金付き切手は発行枚数が1億枚を上回るほど人気でしたが、流通量が多かったため希少性がつかず、買取価格は思うように伸びませんでした。
買取に出しても額面以上の価値がつかないうえに、郵政省は払戻しには応じません。大量に購入した切手収集家は不満を募らせ「聞いていた話と違う」と逆上する人まで現れます。
募金付き切手の販売を機に、切手業界は徐々に不穏な雰囲気に包まれていきます。
切手経済社は、切手業界が盛り上がらなければ売上が減るため、なんとか挽回できないかと考えます。
そこで目をつけたのが、オリンピック終了から数か月後に発売した「東海道新幹線開通記念10円切手」です。
切手経済社は東海道新幹線開通記念切手の相場を強引に吊り上げました。高値がつく切手だと吹聴したのです。
その結果、相場は最終的に1枚2,000円まで上がり「今度こそ」と意気込んだ人が切手を購入します。
しかし、いざ買取に出しても10数円でしか売れません。無理に吊り上げた相場は長続きせず、切手経済社は信頼を失い窮地に立たされました。
切手経済社の倒産を機に切手収集ブームの幕がおりる
切手経済社はまた挽回の機をうかがい、今度は「琉球切手」に目を付けます。1969年になると米国の管理下にあった沖縄が日本に返還されました。
琉球切手は、それまで使われていた米ドルを基に発行された切手です。日本に返還された沖縄では琉球切手を発行しなくなるため、切手経済社は価値が上がると見て買占めに走ります。
買い占めると市場に出回る量が減り、希少価値が上がるため高値で売れると考えたのです。しかし、切手経済社の信頼は失墜していました。
切手収集家団体の日本郵趣協会は、買占め行為に抗議するために、同じデザインのシールを無料で配布します。裏には「買占めに抗議しましょう」の言葉が入っていました。
この抗議も影響を及ぼし、切手経済社から琉球切手を買おうとする人はいなくなります。その結果、切手経済社は倒産することになり、切手収集ブームにも幕がおりました。
切手収集ブームは再来するのか?
ブームの終幕を迎えた切手は人気がなくなり、現代にいたるまでコレクターは徐々に数が減ってきました。
しかし、いまだに根強く切手を集めるコレクターは存在します。切手の人気が高まれば高く売れるため、また切手収集ブームが訪れるのか気になる方もいるでしょう。
残念ながら、1960年代ほどの切手収集ブームは再来しないと考えられています。
むしろ、IT分野の発達により発行枚数は年々減少傾向にあり、切手の需要とともに価値は下がるといわれるほどです。
そのため、切手をお持ちならこれ以上価値が下がる前に買取に出すことをおすすめします。『買取大吉』では切手の高価買取が可能です。
「国際文通週間:蒲原」や中国切手は希少性ゆえにいまだに高い価値があります。
切手に精通した鑑定士が在籍しているため、価値がわからない切手も大歓迎です。査定料は無料のため、ぜひお気軽にお試しください。
高く売れるうちに売却!『買取大吉』は切手の高価買取が可能
現在、切手の価値は徐々に下がってきており、通常切手は額面を上回る価値は見込めません。しかし、収集ブームが巻き起こっていた1960年代の切手には価値がある種類が多数あります。
そのため、コレクションする予定がないなら高く売れるうちに買取に出すのがおすすめです。『買取大吉』はどのような切手も買取可能です。
古くて価値がわからないもの・使用済みのもの・保存状態が悪いものなど、丁寧に査定し、買取化価格をお知らせするため、ぜひ無料査定をお試しください。
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