【金の硬度を徹底解説】他の金属とも数値で比較!硬度と純度の関係も紹介
2025年1月19日
「純金や、そのほかの金属の硬度ってどの程度?」
「普段使いで不便がない硬度を知りたい」
このような疑問はありませんか。
金属の硬度や、種類や純度によって異なります。
本記事では、純金の硬度や他の貴金属との比較、貴金属の特性について解説します。
金製品の正しい取扱方についても紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
【基本知識】金属の硬度を測る単位

金属の硬さを測る際に用いられるのがビッカース硬度です。
ビッカース硬度は「HV」と表記され、数値が高いほど硬度が高いという意味になります。
ビッカース硬度の測定方法は以下のとおりです。
ビッカース硬度の測定方法
- ダイヤモンド製の正四角錐を試料(測定したい金属)に押し込む
- 圧子を取り除き、できたくぼみの対角線の長さを2方向で測定
- 測定した長さから、専用の公式を用いてHV(ビッカース硬度)を計算
硬度を表現する単位にモース硬度もありますが、モース硬度は鉱物の硬さを表す際に用いられるケースがほとんどです。
本記事では、金属の硬度を表現する一般的な単位の「HV」で解説します。
【一覧】貴金属のビッカース硬度と特性

貴金属の硬度の一覧は、以下のとおりです。
貴金属の硬度一覧
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純金
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約22~70HV
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純銀
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約25〜100HV
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純プラチナ
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約50~110HV
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純銅
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約80〜140HV
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それぞれの特徴を見ていきましょう。
金(ゴールド):約22〜70HV

金は、アクセサリーだけでなく、装飾品や資産として人気のある貴金属です。
昔から希少性の高い貴金属として扱われており、現在でも世界中で高い価値が認めています。
金の特徴は、以下のとおりです。
それぞれ見ていきましょう。
硬度が低く柔らかい
金のビッカース硬度は約22〜70HVと、他の金属と比較して低い数値となっています。
貴金属のなかでは柔らかい部類に属し、爪でひっかくと傷がつく程度に柔らかいのが特徴です。
金が柔らかい理由は、展性と延性に非常に優れているためです。
展性
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叩いても壊れずに薄く延ばせる性質
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延性
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引っ張っても壊れずに細く伸ばせる性質
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展性・延性が優れているため、金箔のように薄く叩き伸ばす繊細な加工が可能となっています。
一方、柔らかすぎてアクセサリーに不向きな点がデメリットです。
そのため、金をアクセサリーにする際は、加工によって硬度を上げるのが一般的です。
金の硬度を上げる加工については、本記事の「貴金属の純度と硬度の関係性」で解説しています。
サビや変色に強い
金は空気中の酸素や水分と反応しにくいため、サビや変色を起こしにくい特徴があります。
そのため、長期間保管していても、価値を保てるのがメリットです。多少形が崩れていたとしても、金としての価値は失われません。
例えば、K18のアクセサリーが破損してしまった場合、アクセサリーとしての価値はなくなりますが、K18という素材としての価値は残ります。
資産価値が高い
金は、世界共通で価値が認められており、資産としても有効な貴金属です。
埋蔵量が限られているため、価値がなくなるリスクもありません。
反対に年々上昇傾向にあります。アクセサリーだけでなく、資産として持つ用途にも向いている貴金属です。
銀(シルバー):約25〜100HV

シルバーは、美しい光沢と高い導電性から、アクセサリーだけでなく、工業分野でも広く利用されている貴金属です。
シルバーには以下の特徴があります。
ひとつずつ見ていきましょう。
なお、銀の買取については、以下の記事で紹介しています。売却も視野に入れている方は、ぜひ参考にしてみてください。
貴金属のなかでは柔らかい部類
銀のビッカース硬度は約25〜100HVと、金と同様に比較的柔らかい部類に属します。
そのため、純銀の状態でアクセサリーとして使用すると、変形したり傷がつきやすかったりします。
そのため、硬度を高めるため、他の金属と混ぜ合わせるケースがほとんどです。
アクセサリーとして使用する際は、スターリングシルバーと呼ばれる合金が一般的で、銀92.5%・銅7.5%の配合の銀製品を言います。
十分な硬度を持ちながら、銀本来の美しい光沢を保てる純度です。
また、スターリングシルバーは、純銀よりも変色の原因となる硫化しにくい特徴があります。
高い反射性を持つ
銀は、可視光線の反射率が90%、赤外線の反射率が98%と、すべての金属のなかで最も高い反射率を誇ります。
高い反射性によって、美しく白い光沢を放つのが銀の特徴です。研磨すれば、プラチナよりも高い輝きを生み出せます。
銀の元素記号である「Ag」は、ラテン語の「白い輝き」を意味する「argentum」が由来です。
化学変化を起こしやすい
銀は硫化と呼ばれる化学反応が起こりやすい特徴があります。
硫化とは、銀の表面に硫化銀の皮膜が形成され、黒ずんで変色してしまう現象です。
空気中の硫化水素・ゴム製品に含まれる硫黄化合物・化粧品・シャンプー・洗剤などに含まれる成分から硫化が発生します。
硫化銀の皮膜が薄いうちは、黄色っぽく変色しますが、皮膜が厚くなるにつれて、茶色や黒色へと変化していきます。
銀の変色を戻すには、以下の方法が一般的です。
銀の表面にロジウムメッキ加工をすれば、硫化をある程度防げます。
現在、市販されているシルバーアクセサリーは、製造段階でロジウムメッキが施されている商品がほとんどです。
白金(プラチナ):約50〜100HV

プラチナは、高級ジュエリーや工業製品など、幅広い分野で利用されています。
プラチナの特徴は以下のとおりです。
ひとつずつ見ていきましょう。
なお、プラチナの買取については、以下の記事で紹介しています。売却も考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
金に次いで柔らかい貴金属
プラチナのビッカース硬度は約50〜110HVで、金に次いで柔らかい貴金属です。
アクセサリーとして使うには柔らかすぎるため、加工によって硬度を上げるのが一般的です。
加工による硬度の強化については、本記事の「貴金属の純度と硬度の関係性」で解説します。
希少価値は金よりも高い
プラチナは、地球上に少ない量しか存在しない希少な金属です。
埋蔵量は推定で約1万6,000トンとされており、金の約3分の1程度しかありません。
主な産出国は、南アフリカ・ロシア・アメリカ・カナダ・ジンバブエなどの一部の地域に限られており、特に南アフリカは世界最大のプラチナ産出国です。
プラチナの価値は、2020年頃から右肩上がりの傾向にあり、2025年1月時点では5,000円台となっています。
希少性が高いにもかかわらず金よりも価格が低いのは、金のほうが多方面での需要が高いためです。
市場規模を比較しても金のほうが大きく、相場が安定しているため、プラチナは金よりも低い価格で取引されています。
耐食性に優れている
プラチナは優れた耐食性を持つため、外部環境や化学的な影響を受けにくいのが特徴です。
そのため、結婚指輪など、長期間身につけるアクセサリーとして多く利用されています。
また、高い耐食性を活かして、工業分野においても、さまざまな製品に使用されています。
耐食性が高い特徴は、価値が下がりにくいという特徴があるため、現物資産としても人気です。
銅(コパー):約80〜140HV

銅は、赤みがかった美しい光沢を持つ金属です。
アクセサリーとしても利用される場合もありますが、金や銀ほど一般的ではありません。
むしろ、金・銀・プラチナの硬度を高める素材として利用されています。
銅の特徴は、以下のとおりです。
ひとつずつ見ていきましょう。
硬度はプラチナよりやや高い
銅のビッカース硬度は約80〜140HVと、プラチナよりもやや高い数値となっています。
しかし、鉄などの一般的な金属と比較すると、それほど硬いわけではありません。
硬すぎず柔らかすぎないため、加工がしやすい点が特徴です。
削る加工や圧延加工といったさまざまな加工に適しており、合金にすればさらに硬度を上げられます。
そのため、精密部品の製造などにも広く利用されています。
導電性・熱伝導性に優れている
銅は、金属のなかでも特に導電性と熱伝導性に優れています。
電線や電気部品など、電気を流すための材料として利用されているのも、電動性が高いためです。
また、熱伝導性が高い点から、以下の熱を取り扱う生活家電・生活雑貨にも用いられています。
銅鍋が昔から存在するのも、熱伝導性の高さゆえです。
耐食性が高い
多くの金属は海水に触れると腐食してしまいますが、銅は耐食性が高いため、腐食されにくくい性質があります。
銅が空気中の酸素と反応して酸化銅の皮膜を形成するためです。酸化銅の皮膜は、銅の表面を保護し、内部への腐食進行を防ぐ役割を果たします。
銅が使われている雨どいや屋根が見られるのは、腐食しにくい特性を活用しているためです。
貴金属の純度と硬度の関係性

貴金属の硬さは、純度によって変化します。
純度100%の金属は柔らかく、純度が低くなるにつれて硬度が上がるのが一般的です。
本章では、以下の貴金属における純度別の硬度を解説します。
- 金の純度別の硬度
- 銀の純度別の硬度
- プラチナの純度別の硬度
なお、硬度を上げるための素材として利用されるのが一般的な銅は、除外しています。
金の純度別の硬度
金の純度別の硬度は以下のとおりです。
カラット表記
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純度
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硬度
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K24
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純金
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約22〜70HV
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K18
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金75%
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約140-240HV
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K14
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金58.3%
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約200HV
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K10
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金42%
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約200HV
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※加工方法や、含有する貴金属によっては硬度が異なる場合があります。
「K+数字」の表記は、カラットと呼ばれる金の純度を表す単位です。
また、カラーゴールドと呼ばれる種類もあり、金に他の金属を混ぜ合わせてカラーバリエーションを出したものを言います。
一般的には、純度75%のK18で作成するケースが多く見られます。代表的なカラーゴールドの硬度は以下のとおりです。
カラーゴールドの名称
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貴金属の含有量
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硬度
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ホワイトゴールド
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・金75%
・銀15%
・パラジウム10%
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約125~260HV
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ピンクゴールド
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・金75%
・銀5%
・銅18%
・パラジウム2%
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約150~240HV
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レッドゴールド
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・金75%
・銀10%
・銅15%
|
約150HV
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イエローゴールド
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・金75%
・銀15%
・銅10%
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約120~250HV
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グリーンゴールド
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・金75%
・銀25%
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約40~130HV
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※表の数値はあくまで目安です。ブランドによっては独自の配合でカラーゴールドを作っている場合もあります。
なお、ホワイトゴールドは、金に他の金属を混ぜ合わせて白色にしたもので、プラチナとは異なる金属です。
プラチナの和名は白金ですが、ホワイトゴールドにプラチナは含まれていません。
銀の純度別の硬度
銀の純度別の硬度は、以下のとおりです。
千分率表記
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純度
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硬度
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SV1000
SV999
|
100%
|
約25~100HV
|
SV950
|
95%
|
約25~100HV
|
SV925
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92.5%
|
約70~150HV
|
SV900
|
90%
|
約80~155HV
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シルバーは、1,000を100%とした千分率で表記されるのが一般的です。
アクセサリーとしてメジャーなのは、純度92.5%(SV925)で、硬度が高く変形しにくい特徴があります。
また、銀92.5%と銅7.5%だけで製造された合金のみを「スターリングシルバー」と言います。
プラチナの純度別の硬度
プラチナの硬度を高める金属として多く利用されるのは、パラジウムです。
パラジウムを含めたプラチナの純度別の硬度は、以下をご参照ください。
千分率表記
|
純度
|
硬度
|
PT1000
|
100%
|
約50~110HV
|
PT950
|
95%
|
約55〜110
|
PT900
|
90%
|
約60〜130
|
PT850
|
85%
|
約120〜150
|
プラチナの純度も、1000を100%とした千分率で表されます。
例えば、Pt950はプラチナ95%、他の金属5%の合金という意味です。
合金以外で金属の硬度を上げる方法

金の硬度を上げる加工方法に「加工硬化」があります。
加工硬化とは、金属を叩いたり曲げたりするなどの加工によって、金属の構造が変化し、硬くなる加工方法です。
加工硬化は丈夫な製品を作るのに役立つ一方、硬くなりすぎると柔軟性がなくなり、割れやすくなる点がデメリットです。
貴金属を劣化させないための保管方法

貴金属は、こまめなお手入れと適切な保管環境によって、劣化を防止できます。
アクセサリーのように身につける商品の場合は、以下のお手入れや保管方法がおすすめです。
汚れが強い場合は、中性洗剤を溶かした水で洗うと汚れを落とせます。
ただし、宝石があるアクセサリーの場合は、水洗いによって宝石が劣化する可能性があります。
以下の宝石がついているアクセサリーの場合は、水洗いを控えましょう。
上記の宝石がついたアクセサリーは、宝飾店などでクリーニングしてもらうのがおすすめです。
参考:日本ジュエリー協会「ジュエリーのお手入れについて」
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本章では『買取大吉』の以下の特徴を解説します。
ひとつずつ見ていきましょう。
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引用:Googleマップ『買取大吉』横浜センター北店
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『買取大吉』の買取方法
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まとめ:貴金属の硬度は純度が低いと硬くなる

金を含め、多くの貴金属は硬度が高くなるほど柔らかくなり、低くなるほど硬くなります。
金・銀・プラチナは、純度が高いとアクセサリーに不向きなため、他の貴金属を混ぜて硬度を上げるのが一般的です。
『買取大吉』では、さまざまな貴金属の買取に対応しています。純度がわからないものや、破損しているものでも問題はありません。
不要な貴金属をお持ちの方は、気軽に『買取大吉』へご相談ください。