【Ag925とは】シルバー925との違いやお手入れ方法・偽物の見分け方を解説
2025年1月31日
「Ag925とはどんなシルバー?」
「特徴やお手入れ方法が知りたい」
このように考えていませんか?
Ag925は純度92.5%のシルバーであり、さまざまなジュエリーに加工されています。食器や工芸品に加工されることもある貴金属ですが、Ag925の特徴や魅力などを詳しく知らない方も多いでしょう。
本記事では、Ag925の概要からお手入れ方法・偽物を見分ける方法を解説し、売却を考えている方のために、できるだけ高く売る方法も紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。
<この記事でわかること>
- Ag925の概要・魅力
- 変色する理由
- お手入れ方法
- 偽物を見分ける方法
- 高く売る方法
Ag925とは
Ag925はシルバーと他の金属を混ぜて作られる銀合金です。ここではAg925の基礎知識として以下の2つを紹介します。
ひとつずつ見ていきましょう。
Ag925の概要
Ag925の概要は以下のとおりです。
項目
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内容
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Agの意味
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銀を示す元素記号
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純度
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シルバー:92.5% 他の金属(割金):7.5%
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割金に使われる金属
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銅・亜鉛・パラジウムなど(銅が主流)
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主な製品
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指輪・ネックレスなどのジュエリー、ナイフやフォークなどの食器
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シルバーの純度は全体の数値を1,000としたときの割合である「1000分率」で表記されます。
「1,000=100%」であるため、925は92.5%の純度という意味です。Ag925は残り7.5%を割金(わりがね)と呼ばれる他の金属で構成されており、銅が割金の主流となっています。
Ag925は強度と加工のしやすさによって、ジュエリーや食器などに使用されている魅力的な素材です。
シルバーは磨くことで美しく輝く特徴があり、Ag925のジュエリーはお手入れ次第で長期間愛用できます。
シルバー925との違い
銀製品にはAg925ではなく、シルバー(Silver)925という刻印が見られる場合もあります。
Ag925とシルバー925はいずれも純度92.5%の銀合金であり、表示方法が異なるだけです。
日本ジュエリー協会は純度92.5%の銀の表示方法を以下のように定義しています。
- 銀は SV、Silver または SILVER を用いることができ、品位を併記する。
- SV、Silver または SILVER のみを用いる場合は、925‰(パーミル)以上の純度でなければならない。
- 銀925の場合は、Agの元素記号を省略し、925の表示を用いることができる。品位925の銀合金はSterlingまたはSterling Silverの表示を用いることができる。
参照元:一般社団法人日本ジュエリー協会|ジュエリーおよび貴金属製品の素材等の表示規定2023年度改訂版
したがって、Silver925やSV925も純度92.5%の銀製品として正しい表記です。
Ag925以外のシルバーについて知りたい方は、こちらの記事も参考になります。
シルバーに他の金属を混ぜる理由
シルバーは柔らかい金属であり、特に純銀は強度が弱く、ジュエリーや調度品としての使用に耐えられない場合があります。
そのため、シルバーに銅などの他の金属を混ぜて硬い合金を作るのです。
柔らかさは理想の形にしやすくなりますが、同時に形を保持しにくくもなります。例えば、毎日身につける指輪が家具にぶつけたり、落としたりする度に歪んでしまっては気をつかって使用しなければなりません。
シルバーに銅などの金属を混ぜると強度が増し、日常使用に耐えやすい理想的な金属になります。
Ag925は強度と美しさを合わせ持つため、ジュエリーの加工に適しています。
Ag925の魅力
Ag925の魅力は以下の3つです。
- 金属アレルギーを起こしにくい
- 錆びにくい
- お手頃な価格で手に入れやすい
それぞれ解説します。
金属アレルギーを起こしにくい
Ag925は金属アレルギーを起こしにくい点に魅力があります。
金属アレルギーとは金属が触れた部分がかゆくなる、赤くただれるなどの皮膚症状を引き起こす免疫反応です。
汗で金属が溶けてイオン化し、皮膚のタンパク質と反応することで異常が起こります。汗で溶け出しやすい金属ほど、金属アレルギーを起こしやすい特徴があります。
シルバーは、汗で溶け出しにくいため金属アレルギーを起こしにくいのです。しかし、シルバーなら絶対に安心とはいえません。
Ag925に割金として使用されるニッケルやパラジウムは金属アレルギーを起こしやすい金属です。そのため割金の成分に注意する必要があります。
シルバーの金属アレルギーについては、以下の記事も参考にしてみてください。
錆びにくい
Ag925は錆びにくい特徴もあります。錆びとは酸化のことであり、表面がギザギザして、次第に茶色っぽく変色します。
金属の美しさや強度を損なう原因になり、対処が難しいものです。
Ag925は日常生活で錆びることはほとんどありません。しかし、硫化による黒ずみは発生します。
錆びは金属が腐敗した状態であるため改善は難しいですが、硫化は表面が黒ずんでいるだけであるためお手入れによってきれいになります。
お手頃な価格で手に入れやすい
Ag925は手頃な価格も魅力です。例えば、ノーブランドのAg925の指輪なら3,000円程度から購入できます。
ゴールドジュエリーとして人気があるK18製の指輪の場合、安くても1万円以上の商品が相場です。
手頃に手に入れられるAg925は自分へのちょっとしたご褒美や親しい友人へのプレゼントなどに最適です。
Ag925の安さの理由を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
Ag925(シルバー925)が変色する理由
黒く変色する黒ずみは「硫化」や「塩化」という化学反応によるものです。金属が腐食して起こる錆びとは異なり、シルバーが硫黄や塩素と反応して表面に変色が生じます。
硫黄は空気中や、人の皮脂、化粧品や洗剤などに含まれており、黒ずみが発生する原因になります。また、シルバージュエリーを身につけたまま温泉に入るのも変色の原因になるため、避けたほうがよいでしょう。
塩素は汗や海水・塩素系漂白剤などに含まれており、ドライクリーニングでも使用します。クリーニング後の衣服の上からシルバーネックレスを身につけると黒ずみが発生する場合があるため注意しましょう。
黒ずみはシルバーの内部まで変化しているわけではないため、適切にお手入れすれば美しさを取り戻せます。お手入れ方法は次章で解説しているため、参考にしてみてください。
Ag925(シルバー925)のお手入れ方法
Ag925の代表的なお手入れ方法を3つ紹介します。
- シルバー専用のクロスで拭く
- シルバーのクリーナー液を使う
- 重曹を使う
黒ずみを利用した「いぶし加工」のシルバージュエリーは加工が薄くなる場合があります。
また、宝石が付加されたジュエリーは宝石ごとに注意が必要です。
まずはクロスで拭く方法から見ていきましょう。
シルバー専用のクロスで拭く
シルバー専用のクロスを使うのは、Ag925のお手入れ方法として手軽に行えます。100円ショップなどでも手に入れられ、コスパの良さも魅力です。
クロスには微細な研磨剤が含まれており、黒ずみや汚れを優しく取り除けます。
指輪やネックレスを軽く拭くだけで完了するため、使用したあとのクロス拭きを習慣にすれば、ジュエリーの美しさを維持できます。
日常的なメンテナンスに最適です。
シルバーのクリーナー液を使う
シルバークリーナー液は、頑固な黒ずみや汚れを効率よく落としたい場合に最適です。
クリーナー容器のなかには洗浄液が入っており、指輪やネックレスを浸して振り洗いすれば数十秒でジュエリーの輝きを取り戻せます。
クロスでは拭き取りにくいサイズの小さいピアスや、細かい溝の汚れにも対処しやすい方法です。
ただし、長時間浸しておくとジュエリーの表面が白っぽくなる場合があるため、注意深く観察しながら使用しましょう。
メッキ加工されているジュエリーには使用できない場合もあるため、クリーナー液の説明書きを確認することが大事です。
重曹を使う
家庭の掃除にも使用できる重曹はシルバージュエリーのお手入れでも活躍します。金属製ではない耐熱容器・熱湯を使います。
具体的な手順は以下のとおりです。
- アルミホイルを器の形に整え、耐熱容器の上にのせる
- シルバージュエリーをアルミホイルに置く
- 重曹を入れ、シルバージュエリーが沈むくらいまで熱湯を注ぐ(重曹:熱湯=1:3の分量)
- 熱湯が冷めるまで放置する
- シルバージュエリーを取り出して、水で洗い、やわらかい布で拭く
シルバージュエリーの黒ずみがとれて美しさを取り戻せます。
ただし、いぶし加工のシルバージュエリーは加工が薄くなったり取れたりする場合があるため、重曹液につけるのは避けたほうがよいでしょう。
シルバージュエリーのお手入れは、こちらの記事も参考になります。
Ag925(シルバー925)の偽物を見分ける方法
シルバージュエリーには偽物が存在しますが、見分ける方法があります。ここでは以下の4つを紹介します。
- 磁石への反応を見る
- 硫化・塩化反応を見る
- 熱伝導率を利用する
- 比重を調べる
ただし、簡易的な方法のため、参考程度であることにご注意ください。
磁石への反応を見る
Ag925が偽物か見極める方法として磁石が使えます。シルバーは磁石にわずかに反応するものの、明らかに引き寄せられる性質はありません。
磁石に強く引き寄せられる金属としては、鉄・ニッケル・コバルトなどがあります。
一方、シルバー以外の金や銅・アルミなども磁石に引き寄せられないため、磁石への反応を見るだけでシルバージュエリーの真贋は判断できません。
よって、磁石への反応だけでなく、複数の見極め方法を試す必要があるでしょう。
硫化・塩化反応を見る
Ag925などのシルバージュエリーは硫黄と反応する硫化反応や塩素と反応する塩化反応によって黒く変色します。変色する特性を利用して、偽物を見極められます。
それぞれの方法は以下のとおりです。
反応の種類
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方法
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硫化反応
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銀いぶし液をシルバージュエリーにつけ、数分後に洗い流す。
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塩化反応
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塩素系漂白剤をシルバージュエリーにつけ、数分後に洗い流す。
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銀いぶし液とは、銀製品を黒く変色させ「いぶし加工」する際に用いる液体です。変色はシルバー用クロスや重曹でこすり洗いをすれば落とせます。
塩化反応を見る場合は、塩素系漂白剤を利用します。塩素系漂白剤は自宅に常備している方も多いため、利用しやすい方法です。
ただし、硫化反応よりも黒ずみが落としにくいため、指輪の裏側やネックレスのチェーン部分など目立ちにくい場所で行いましょう。
熱伝導率を利用する
熱伝導率を利用する方法も有効です。シルバーはステンレスや真鍮よりも熱伝導率が高い金属です。熱伝導率が高い金属ほど、早く温まったり冷えたりします。
具体的には以下の3つを利用する方法があります。
熱伝導の違いを比べるため、調べたいシルバージュエリー以外に、同じくらいの大きさの金属を用意して行いましょう。
それぞれ解説します。
氷
シルバーは熱伝導率が高いため、氷が早く溶けます。銀製品の形によっては判別が難しい場合もありますが、シルバーインゴットのように板状のものは氷をシルバーのうえに置いた直後から溶け出します。
サイズの小さいシルバージュエリーは、本物のシルバーでも氷が溶けにくい場合があるため、別の方法を試しましょう。
冷蔵庫
シルバーと比較する金属を冷蔵庫に入れると熱伝導の違いを調べられます。調べたいシルバージュエリーとともにステンレス製のスプーンを冷蔵庫に入れ、数十秒後に取り出してみましょう。
通常ならスプーンよりもシルバージュエリーのほうが早く冷たくなるはずです。
熱湯
熱伝導率の利用は熱湯でも可能です。シルバージュエリーと同じくらいの大きさの他金属を熱湯に入れて判断します。
数秒から数十秒お湯に入れ、シルバーのほうが早く温まっていれば本物の可能性が高いでしょう。
シルバーは熱湯に入れると数秒で熱くなるため、やけどしないように注意しましょう。
比重を調べる
比重を調べることも、ジュエリーが本物か見分ける方法として有効です。手間はかかりますが、ジュエリーを傷つけずに行えるメリットがあります。
必要な物品と調べる手順は以下のとおりです。
<必要な物品>
- 比重を調べたいシルバージュエリー
- 0.01gまで計測できるはかり
- ジュエリーを引っ掛けるクリップ
- ジュエリーが十分につかる量の水を入れた容器
<手順>
- 調べたいジュエリーの重さを測る
- 水を入れた容器をはかりに乗せ、重さを0gに設定する
- ジュエリーをクリップに引っ掛けて水に入れ、重さを計測する
- 重さと体積から密度(比重)を求める
手順をそれぞれ解説します。
1.調べたいジュエリーの重さを測る
調べたいシルバージュエリーの重さを測ります。ここでは、Ag925の指輪で10gを示したと仮定します。
2.水を入れた容器をはかりに乗せ、重さを0グラムに設定する
水を入れた容器をはかりに乗せ、重さを0gに設定するのは、手順3でジュエリーの体積を求めるためです。水の中に、ジュエリーを入れて重さを調べることで、ジュエリーの体積がわかります。
3.ジュエリーをクリップに引っ掛けて水に入れ、重さを計測する
ジュエリーをクリップに引っ掛けて、容器の側面や底に触れないようにゆっくりと容器に入れましょう。
ジュエリーの体積分だけ、はかりの数字が変化します。ここでは、はかりが1gを示し、体積も1gだったと仮定します。
4.重さと体積から密度(比重)を求める
重さと体積から密度(比重)が求められます。
密度=重さ(質量)÷体積の式により、Ag925の指輪の密度は以下の式が成り立ちます。
10÷1=10g/cm³
Ag925の比重は10.35です。
したがって、重さ10gの指輪なら、比重を求める手順4で1.0gを示せば本物といえます。
多少の誤差はありますが、大きく数字がズレていなければ偽物である可能性は低いでしょう。
銀やほかの金属の重さについては以下の記事も参考になります。
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本記事ではAg925の特徴や魅力、お手入れ方法を紹介しました。Ag925はお手入れによって美しく磨き上げたり、いぶし銀の良さを楽しんだりするなど、ジュエリーとして長く愛用できます。
価格が安く手に入れやすい反面、偽物も多く存在します。偽物を見分けるには、磁石への反応や硫化・塩化反応を見るなどの方法が有効です。
偽物を見分けられてもジュエリーの価値まではわからない場合もあるでしょう。
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