切手の図案に採用された「月に雁」は歌川広重(安藤広重)の1832年頃の作品で、最高傑作と称される一枚です。
冴え冴えと輝く中秋の名月と蒼く流れる雲の合間、
しなやかな動作で着水しようと地におりる雁という、広重が想い描く優美な理想の秋の夜を詠う句です。
この切手が人気になったのは、昭和20年代後半の切手ブームの時期で、
「月に雁」よりも1年前に発行された「見返り美人」と共に一躍有名な存在となりました。
当然、切手買取業者の間でも人気です。
現在も月に雁切手は根強い人気があり、切手ブームの収束により相場は落ち着いたものの、
今後、相場の下落傾向が現れることは避けられないかもしれません。
ちなみに月に雁切手は、現在、バラ切手でも額面を上回る金額で買取が行われているようです。
また5枚が1セットの状態であればさらに買取相場は高くなる傾向が見られるようです。
もしシートの状態で月の雁切手をお持ちでしたら切り離さずに、
シートのままの状態で買取してもらうのが望ましいでしょう。