数ある切手の中でも、貴重なものというのはやはりコレクターを唸らせます。
切手コレクターの中で最も有名で人気があるもの「見返り美人」。
見返り美人は1948年に日本で発行された切手であり、絵柄は歴史の教科書にも載っている、
江戸時代の浮世絵師「菱川師宣(ひしかわもろのぶ)」が描いた同タイトルになっています。
見返り美人の人気の理由はいくつかあります。
まず1つは、普通に使用するためではなく切手コレクター用に発行されたこと。
2つ目は非常に大判であること。現在発行されている普通切手のサイズは縦22.5mm、横18.5mmですが、
一方で見返り美人の1枚あたりサイズは縦67mm、横30mmです。倍近くの大きさでしかも縦長ですから、インパクトが違います。
そして3つ目が、その芸術性。
ただでさえ浮世絵という題材。1948年というと終戦直後で印刷技術が未発達だったため
、本来の鮮やかな色彩は再現できず、茶色一色の切手となりました。
しかし単色になったからこそかえって菱川師宣の繊細なタッチが際立つという評価もあり、マニアたちを虜にしたのです。