1984年にテーブルウェアの販売を開始したエルメスの中でも、特に印象的で新しいテイストのシリーズ、ガダルキヴィール。
一度聞いただけでは、少し覚えにくい響きのパターン名ですが、
ガダルキヴィールはスペインのゴルドバにある河の名前で、そこからインスピレーションを受けたデザインとされています。
このデザインの特徴ともいえる燃え立つような赤色は、炎の中で輝く鉄を自在に操る鉄細工職人と、
金属のレースを編み出す彫金職人たちの自由なイマジネーションからうまれました。
4、5種類の赤を基本に混ぜ合わせることで、10以上のトーンを持った深みのある赤が生まれるのですが、
その赤こそが、オリジナルデッサンが持つ透明感や素朴さを表現するのに最もふさわしい色であるとされています。
裏面には、それぞれプリントを施した職人のトレードマークが入っていて、
それはまるで伝統と革新に裏付けられた技術の結晶のようです。
またガダルキヴィールは、赤色をした幾何学デザインの中に「ハート型」が見受けられることから、
結婚に関する記念品や贈り物などに大変人気です。