市松人形の買取相場は?高額査定となる7つのポイントを解説
2025年9月29日
「市松人形の買取相場を知りたい」
「価格がつかない場合はどうしたらいい?」
このような疑問はありませんか?
市松人形は、古くから親しまれてきた人形で、昔は所有しているご家庭も多くありました。
そのため、所有者の逝去にともなう遺品整理や生前整理などのタイミングで、買取を希望する方も少なくありません。
本記事では、市松人形の買取価格の決め方・高く売れる人形の特徴・作者別の買取相場・価格がつかなかった場合の処分方法を解説します。
市松人形を手放す予定がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
市松人形の買取相場は?高価買取となる特徴を7つ紹介

市松人形の買取相場は、作家・作られた時代・希少価値・状態によって大幅に変わります。
価値がつかないものから、数千円で買取されるもの、なかには100万円を超えるものまで存在します。
なお、基本的に市松人形は買取できないケースが多く、ほとんどの買取業者が査定を実施していません。
なぜなら、一昔前は市松人形を所有していたご家庭が多くあり、希少価値が低いためです。
しかし、すべての市松人形が買取できないとは限りません。以下の特徴に該当する市松人形は、高価買取となる傾向があります。
ご自宅の市松人形が上記の特徴に当てはまるなら、一度買取業者に相談してみるのがおすすめです。
①:人間国宝や著名作家の作品
人間国宝や有名作家によって作られた市松人形は、制作数が限られており希少価値が高いため、高額で買取される傾向にあります。
高額での買取が期待できる作家の一例は、以下のとおりです。
具体的な買取相場について、本記事の「【作家別】市松人形の買取相場」で紹介しています。
②:戦前・戦後直後などの品
江戸時代後期から明治・大正にかけて、あるいは戦後直後に作られた市松人形も、高価買取が期待できます。
この時代の市松人形には、高価買取となる以下の特徴があるためです。
技法で言うと、代表的なものに、胡粉(ごふん)という貝殻の粉を使ったものがあります。
胡粉を使った人形は、戦後にはあまり作られなくなったため、残っていれば高価買取が期待できます。
③:人形や箱に人形師の銘がある
市松人形の胴体・足の裏・共箱に人形師の銘が記されている場合も、高価買取につながる可能性があります。
共箱とは、人形が収められていた当時の箱を指し、銘は人形師のサインのようなものです。
銘があれば作者が特定でき、作品が本物である証拠になるため、高価買取の確率が上がります。
有名作家の作品でも銘が無いものは存在するため、あれば査定時の買取価格にプラスに働きます。
④:ガラスの目が使われている
ガラスの目が使われている市松人形も、高額での買取が期待できます。
ガラスの目(入れ目)が登場したのは江戸時代と言われており、制作には高度な技術が必要でした。
職人がひとつ一つ手作業で入れる必要があったため、高級な市松人形として扱われていました。
有名作家の作品である可能性も高く、希少性と技術力がポイントとなり、高く売れる傾向にあります。
⑤:使われている着物の質が良い
市松人形に使われている着物が、希少な古布や高品質な縮緬(ちりめん)だった場合も、買取価格が高くなる可能性があります。
人形ではなく、着物自体が高い価値を持つケースがあるためです。
特に江戸後期から明治・大正・昭和初期に作られた縮緬や錦紗(きんしゃ)だった場合は、高額で買取されています。
コレクターのなかには、特定の時代の着物でないと購入しないという人も存在するほどです。
また、当時の着せ替え用の衣装が一緒に残っている場合は、さらに買取価格アップにつながる傾向があります。
⑥:手足が動く「三つ折れ」仕様
足首・膝・腰の関節が動く「三つ折れ」と呼ばれる仕様も、高価買取が期待できる特徴のひとつです。
関節を折れるようにするには非常に高度な技術が必要で、その技術力と複雑な構造が高価買取につながっています。
また、ポーズを自分好みに変更して飾れる点も高く売れる理由のひとつです。
⑦:付属品がすべて揃っている
共箱・証明書・着せ替え用の着物・台座などの付属品が揃っていると、買取価格が高くなる可能性があります。
コレクションとしての価値が高くなるためです。
また、付属品の有無は、人形が良い状態で保管されてきたことや、本物の作品である証にもなります。
特に共箱や証明書には、作家名や人形の由来が記されているケースが多いため、真贋を証明する上で役立ってくれます。
【作家別】市松人形の買取相場

市松人形の買取では、有名作家が作成した作品が高く買取されている傾向があります。
特に人間国宝に認定されている作家の市松人形は高値で取引されています。
市松人形の有名作家は複数名いますが、なかでも代表的な人物と、おおよその買取相場は以下の5名です。
それぞれの作家の特徴や買取相場について見ていきましょう。
※以降で解説する相場は参考価格です。実際の買取価格は、市松人形の状態・サイズ・査定時点の市場相場によって変動します。また『買取大吉』における買取価格を保証するものではありません。あくまでも目安として参考にしてください。
大木平蔵氏の市松人形|2〜5万円
大木平蔵氏は、伝統ある人形作りの老舗作家の銘で、江戸時代から続く技術を受け継いでいます。
買取相場は2〜5万円ほどと、市松人形の中では相場より高い部類です。
大木平蔵氏は雛人形も作っているため、自宅にある場合は市松人形と一緒に査定へ出すと高く売れる可能性があります。
瀧澤光龍斎氏の市松人形|3〜6万円
瀧澤光龍斎氏は、明治時代から続く人形師の名跡を受け継ぐ作家です。
中古市場では、3〜6万円ほどで取引される傾向があります。
美しい肌質や衣装の表現が特徴的で、ヨーロッパの人形制作にも影響を与えた人物としても有名です。
山川永徳斎氏の市松人形|3〜15万円
山川永徳斎氏は、東京を代表する市松人形作家の一人です。
中古市場では、3〜15万円と幅広い価格帯で取引されています。
特に昭和期以前の古い型の市松人形が高く売れる傾向にあります。
宮中御用を承ったり、上流階級からの依頼を受けたりするほどの実力を持っていた作家です。
山本福松氏の市松人形|100万円以上
山本福松氏の市松人形は「実際に子どもがいるようだ」と評されるほど生き生きとしている丁寧な細工が特徴です。
作品によっては100万円以上で買取された例も存在します。
大正から昭和初期にかけて活躍していた古い時代の人形師のため、保存状態が良ければ、さらに高額な買取価格となる可能性があります。
平田郷陽氏の市松人形|100万円以上
平田郷陽氏は「衣装人形の第一人者」とも言われ、人形師として初めて人間国宝に認定された作家です。
ほとんどの作品が高額買取の対象となる可能性があり、実際に130万円以上で買取された例も見られています。
市松人形の買取価格を上げ5つのコツ

市松人形の査定額を少しでも高くするためには、以下のコツを意識するのが大切です。
それぞれのコツを見ていきましょう。
ホコリや汚れを取り状態をきれいにする
査定に出す前に、市松人形のホコリや汚れを簡単に払い、少しでも良い状態に整えましょう。
状態がきれいなほど査定時の印象が良くなり、高額で買取される傾向があるためです。
しかし、過度な洗浄やご自身での修繕は、かえって人形を破損させてしまう原因になるため避けましょう。
特に、胡粉の剥がれや衣装の色あせなどがある場合は、触らないほうが無難です。
共箱・証明書などの付属品をすべて揃える
市松人形の買取では、付属品が揃っているほど買取価格が高くなる可能性があります。
市松人形の付属品の例は以下のとおりです。
付属品があれば、きれいに保管されていたことや、市松人形が本物であることの証明になります。
特に付属品に箱書きがあった場合は、作者が明確になるため、高価買取となる傾向です。
作家物や希少価値がある点を伝える
作家物や希少価値があると知っていて査定を依頼する場合は、知り得る情報をすべて査定士に伝えるのが大切です。
専門家であっても、査定時に人形の細かな情報を見落としてしまうケースがあるためです。
自ら情報を提供しなければ、人形の正当な価値で評価されない可能性があります。
具体的に伝えるべき内容は、以下のとおりです。
特に「箱に刻印がある」「戦前に作られたもの」「有名作家の作品である」といった点は、積極的にアピールしましょう。
人形・骨董品専門の買取業者を選ぶ
市松人形の買取を依頼する際は、日本人形や骨董品に詳しい鑑定士が在籍する買取業者を選ぶのが大切です。
市松人形は、素材・仕上げ方・衣装の柄・布地などから年代を判断しなければならず、高い専門知識が求められるためです。
高い目利き力を持つ専門家でなければ、正しい価値を見極められません。
一般のリサイクルショップなどに依頼してしまうと、安価な査定になってしまったり、最悪の場合は買取を断られてしまったりする可能性があります。
複数の業者で査定を比較する
複数の買取業者で査定を比較するのもおすすめします。業者によって査定額に差が出るケースがよく見られるためです。
複数の業者から査定額を出してもらい、最も高い金額を提示した業者に依頼すれば、高く売却できます。
併せて、査定料やキャンセル料が無料かも確認しておくと、余計な費用が増えるリスクを防げます。
『買取大吉』では「市松人形の価値を知りたいだけ」のような依頼も大歓迎です。
査定料は無料で、キャンセル料も発生しません。いくらで売れるか知りたい方は気軽にご相談ください。
買取できない市松人形の処分方法

市松人形には、買取が難しいものも存在します。買取業者に断られたものや、価格がつかなかった場合は、以下の方法での処分が可能です。
- 一般家庭のゴミとして処分する
- 不用品回収業者を利用する
以降では、それぞれの処分方法について解説します。
神社やお寺で人形供養する
市松人形に特別な思い入れがある場合は、神社やお寺で人形供養に出す方法がおすすめです。
ほとんどの神社やお寺では人形供養を受け付けており、なかには宅配で受付が可能なところもあります。
3千円から1万円ほどの玉串料(または供養料)で人形供養が可能です。
ただし、市松人形のサイズによっては1万円以上する場合もあるため、前もって金額を聞いておきましょう。
また、日本人形協会でも人形供養のサービスを行っています。人形を送るための箱を依頼する形で、1箱につき5千円と送料がかかります。
参考:日本人形協会「人形感謝(供養)」
知人や施設などに譲る
市松人形を大切にしてくれる方や、必要としている高齢者施設に譲るという方法もあります。
譲る場合は、相手の意向を尊重し、必ず了承を得てから渡すようにしましょう。
ガラスケースや衣装などの付属品がある場合は、一緒に渡すと、喜ばれる可能性があります。
一般家庭のゴミとして処分する
市松人形は、一般家庭のゴミとして処分することもできます。ゴミとして出す場合は、お住まいの地域のゴミ出しルールを守りましょう。
市松人形の多くは木製や布製でできているため、燃えるゴミとして出せるケースがほとんどです。
ただし、人形に金属部品や不燃物(ガラス・金属・プラスチックなど)が使われている場合は、燃えないゴミや粗大ゴミ扱いになるケースもあります。
分別の方法は自治体によって異なるため、前もって公式サイトで確認しておきましょう。
不用品回収業者を利用する
ご自身での処分が難しい場合や、他にもまとめて処分したいものがある場合は、不用品回収業者を利用する方法もあります。
また、一部の人形専門店では、買取対象外の人形でも無料で引き取ってくれるサービスを用意している場合もあります。
不用品回収業者に依頼する場合は処分費用が発生するため、前もっていくらの出費になるか確認しておくと安心です。
市松人形の買取は高額買取の『買取大吉』がおすすめ

『買取大吉』では、市松人形を含めた骨董品の買取を強化しています。
当社には知識量や経験が豊富な鑑定士が在籍しているため、市松人形の価値を正確に査定可能です。
また、店頭買取だけでなく出張買取・宅配買取も実施しているため、店舗へ来店するのが難しい方もご利用可能です。
「移動時に壊れるのが怖くて持っていけない」「市松人形以外にも査定してほしいものがある」といった方は、気軽にご相談ください。
出張料・査定料・キャンセル料はすべて無料のため、費用を気にせずご利用いただけます。
【Q&A】市松人形の買取に関するよくある質問

市松人形の買取に関してよくある質問をまとめました。
ひとつずつ回答します。
Q.保存状態の悪い市松人形でも売れますか?
A.状態の悪い市松人形でも、売れるものは存在します。
市松人形の価値は、作家・作られた年代・状態・使われている生地の質など、さまざまな要素で変わるためです。
たとえば、多少傷んでいても、人間国宝や著名な作家の作品、特に古い希少な人形であれば売れる可能性はあります。
ただし、著しい破損や汚れがある場合は、買取価格が大幅に下がったり、買取が難しくなったりするケースもあります。
反対に、状態が良ければ無銘のものでも高値で売れる場合があるため、まずは査定を依頼してみるのがおすすめです。
Q.付属品がない市松人形も買取可能ですか?
A.付属品がなくても、基本的には買取可能です。
しかし、付属品が揃っている場合と比べると、査定額は下がってしまいます。
ひとつでも付属品らしきものがある場合は、一緒に査定へ持って行くのがおすすめです。
Q.無銘の市松人形でも高く売れますか?
A.作者の銘がない市松人形でも、高く売れる可能性はあります。
たとえば、年代物・上質な素材が使われている・三つ折れのような精巧な細工が施されていることなどの特徴に該当する日本人形です。
人形全体の総合的な評価によって価格がつくため、買取業者の査定を一度受けてみるのがおすすめです。
Q.フリマアプリでも市松人形は売れますか?
A.フリマアプリでも市松人形は売却可能です。
しかし、個人間取引に見られる以下のデメリットは理解しておきましょう。
- 取引相手からのクレームによりトラブルになる可能性がある
市松人形は、適正な価格が分からずに安く売りすぎてしまう可能性があります。
金額を設定する際にフリマアプリの手数料や送料も考慮に入れるのも大切です。
また、高価な市松人形は繊細で破損しやすいため、配送中の事故のリスクもあります。
さまざまなリスクがあるため、市松人形を売却する際は、買取業者への依頼がおすすめです。
『買取大吉』も、市松人形の買取に対応しています。
骨董品の知識が豊富な鑑定士が適正な価格を判断するため、安心してご利用いただけます。気軽にご相談ください。
【豆知識】市松人形は日本の伝統的な人形

市松人形は、日本の伝統的な人形として室町時代から現代にいたるまで、長い間親しまれています。
市松人形が誕生した室町時代では、当時は裸の状態で販売されており、着物はご自身で手作りして着せる仕組みでした。
女の子の裁縫の練習にも使われ、子どもたちの教育的な役割も担っていました。
もともとは子ども向けの抱き人形として販売されていましたが、現代では観賞用人形としての位置付けに変わっています。
また、時代と共に、素材が壊れやすいものから丈夫なセルロイドやソフビに変わっているのも特徴です。
市松人形の買取は無料査定の『買取大吉』へご相談ください

市松人形の買取価格は、人形の状態・作者・着物の質など、さまざまな要素で変動します。
『買取大吉』では、骨董品の知識が豊富な鑑定士が適正な価格で査定・買取いたします。
売却を考えている方は、気軽にご相談ください。